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元最強、その体にはガタが来ている

「なんや、この怪しげな兄ちゃんは」
「ん?」
「服部!その人は、」

ふとコナンくんの声が聞こえてきてそっちを向くと。

「あ、五条先生!」
「あ、毛利。昨日ぶり」
「またスイーツ食べに来たんですか?」
「もちろん。僕は北から南まで、どこへだって甘いものを求めて旅に出るのさ。ここのは格段に美味いね、一応」

キラーンと決めポーズをしたけど、毛利の隣にいる女子高生には、うわ、と引かれた。
えーと、これは僕の出で立ちに引かれてるのかな。

「蘭ちゃん、この怪しげな男は誰や?」
「五条先生だよ。クラス担任の先生」
「「え?!先生?」」
「そだよー」

まあよく周りに言われるから今更気にしてないけどね。

「っていうか五条先生、またその服だね?まさか夏のときも・・・」
「当たり!それに、今はこっちの方が都合いいんだ。・・・で、徳川の埋蔵金だって?いいないいなぁ!」
「・・・なんかノリノリやね」
「五条先生、日本史の先生だから」

で、連休に行ってくるわけね。
あ、ちなみに僕は今日もポアロに遊びに来てただけだよ。
安室が、心配だから顔くらい見せに来い、って言われちゃあね。
なんかコナンくん、服部くんだけじゃなくて安室とも内緒話してるけど、また余計なこと話してない?

「へぇ~静岡なんだ。群馬かと思ったのに」
「五条先生も一緒に来る?」
「いや、今回は遠慮しておくよ。それに・・・」
「五条?明日は定期健診ですよ?」
「ね?安室が離してくれなさそうでしょ?」
「ハハ、大変だね五条先生も」

コナンくん、よく言ってくれた!
ほんとまいっちゃうんだよね~
じゃあまたね、とポアロを後にする高校生たちを見送る。
・・・今、ポアロにいるのは僕と安室だけ。
もう一人の店員さんはバックヤードにいるから、こっちの話は聞こえない。

「・・・で、実際はどうなんですか?調子悪いんですよね?」
「んー右耳がちょっとね。音自体は聞こえるんだけど、ノイズみたいに聞こえてるから声として何を言ってるのかはわかりづらいんだ」
「目の方は?」
「そっちは変わらず」
「・・・明日は僕も同行しますから。まあ対症療法しかできないでしょうが」
「うん、助かるよ」

海に飛び込んだ真純を助けてから、数週間後。
海の中とは言え目の力を発揮したからか、聴力に不調が出ていた。
多分、父さんが言っていた通り大きすぎる力が故に体にガタが来ているんだと思う。
それは個人差らしいけど・・・確かに幼いころから力を使い続けた父さんの体はボロボロだったからな。
僕もあんな風になるんだろうか。

「・・・五条、あんまり悪い方に考えるなよ」
「うん、そうだね」

僕がネガティブな方向に考えているのがなんとなくわかったんだろう。
・・・ありがとう、降谷。お前には感謝してもしきれないよ。


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Good!