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元最強、生徒とは仲良しである

「くどうー」
「あ、五条先生」

工藤新一くん。
僕が担任をする2年B組の一人。
すごく頭が良くて、部活動のサッカーも活躍する良い子なんだけど・・・

「また新聞載ってたね。よっ、高校生探偵」
「・・・なんか五条先生に言われるとからかわれてる気がする」
「ハハッ、まあ学校も探偵業も楽しみなって。『若人から青春を取り上げるなんて、何人たりとも許されない』とか言うじゃん?」

あー、懐かしいなぁ。誰に言ったんだっけ?もう最近は記憶があやふやになってきてるんだよね。

「ってことでハイ」
「へ?」
「キミが今まで出さなかった分の課題の代替。明日中に提出しにおいで」
「うわ、この量エグイって!五条先生の鬼!」
「むしろこれぐらいで感謝してもらいたいものだよ。頑張れよ~」

彼に渡したのは、僕が寝る間を惜しんで作ったプリント3枚。こうなったのは彼の自業自得。
僕の授業では毎時間、感想プリントを生徒に書いてもらってるんだけど、彼のように授業中に寝てる子はプリントを提出できない。ここ最近探偵業の方に力入れすぎたのか工藤ってば寝てばっかいるんだもん。僕、感想を書いてもらう時間の時には板書消しちゃってるし、私語は禁止にしてる。テスト期間にノート提出がない分の成績評価に加点をつける際の材料としてるからバカにしちゃいけない。
彼と同じように、他の提出していない生徒にも同じプリントを渡していく。ちなみにプリントの難易度はかなり高い。論述もあるし資料集を読んでも簡単に解けないようにしてある。これに懲りたら僕の授業中は寝ないようにするのが一番だね。

工藤と同じように、すげぇ渋い顔をした生徒を見て大満足した僕は休日に向けて準備を始める。
教員っていう仕事は何かと忙しい。まあ僕はかなり前から授業準備するから締切ぎりぎりで焦るっていうのはないけど。それでも体力は必要だよね。
今世の僕が何を楽しみにしてるかというと、各地の甘味巡り!前世と同じように甘いものが大好きな僕は、学生時代から暇さえあれば一人旅行に行く。長期休みなんか海外にだって行く。
そのかいもあってか、日本史と世界史が得意になった。学生時代から変わらない、僕の唯一の趣味のようなものだ。
旅行に行くと言ってもキャンプだとか釣りだとかそういうものはしない。本当にブラブラして甘いもの食べてるだけ。お酒にでも強ければまた違ったんだろうけど、これもまた前世と同じく下戸。たった一口で酔っぱらってしまうほど酒に弱い。
でもいいんだ。前世も今世も必死に働いているんだ。少しぐらい息抜きしたっていいじゃないか。

「んまい!」

今回の旅行は宮城に行った。仙台名物・喜久福をたんまりと食べて大満足!いやー、やっぱりうまい!



ちなみに、工藤が提出した課題の答えはなかなかに面白いものだった。きっとわかんないのが嫌で一生懸命調べたんだろうなぁ。
『五条先生の鬼!』と書いてあるプリントを見て、笑いが止まらなかった。


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Good!