JK探偵、過去を振り返る
真純side
昔から見る、夢がある。
『ママ!この洋服、どうかな?』
『ああ、真純にとてもよく似合っているぞ』
『ほんと? お兄ちゃんも褒めてくれるかな?』
『ああ、きっと・・・褒めてくれるさ。こんなにも可愛いんだから』
魔法使いと運命の出会いをした後。
ボクは今までの自分を見つめ直して、自分磨きに没頭していた。
男の子にしか見えない自分を変えたくて、女の子らしくオシャレをして、髪を伸ばして・・・言葉遣いに気を付けて。
その頃のボクは自分を『私』と呼んでいたし、今まで体を動かすことしか興味なかったのに勉強にも力を入れた。
可愛くなりたくて。
早く、早く大人になりたくて。
よく、ママに成果を見せて褒めてもらっていた。
たまに帰ってくる吉兄にも、可愛くなった自分を見てもらった。
クラスメイトにはビックリされたけど、必死に自分磨きをしているボクに影響されて、周りの女の子たちも一緒になって頑張った。
真純ちゃん可愛いね、そう言われるのがとても嬉しかったんだ。
だけど・・・
『真純ちゃん・・・可愛いね』
『ああ、可愛い女の子だ』
『もっと、可愛くなる方法を教えてあげる』
・・・ボクはあの日、『女の子』な自分が嫌いになった。
あの運命の日・・・何がどうなってそうなったのかは覚えてないけど、でもいつもと変わらず遊んでいただけ。
その日はママに新しく買ってもらった可愛い洋服とヘアアクセサリーをつけて友達と遊んでいた。
そんなとき、一人の男が声を掛けてきたんだ。
『ねぇねぇ、きみたち・・・僕も仲間に入れてくれないかな』
『?いいよ!』
もし、時間を巻き戻せるなら・・・やり直したい。
ボクは、その人についていったんだ。
その人が、泣いていたから。
ボクと友達は、お兄さんと一緒に遊んだ。
おままごと、可愛いものの情報交換、食べ物の話・・・話題は尽きることなくずっと続いた。
『あ・・・チャイムが鳴ったね』
『帰らなきゃ』
家でママが待ってる。
ボクと友達はチャイムが鳴ったら家に帰る、と決めていた。
その日もチャイムが鳴ったから帰る、いつも通りのはずだった。
『ちょっと待って』
『?お兄さん?』
『・・・まだ遊び足りないよ』
多分、頭を殴られたんだと思う。
・・・気づいたら、そこは真っ暗。
ボクと友達はお兄さんにどこかへ連れていかれた。
最初はよかった、お兄さんはボクたちよりもたくさんのことを知っていて、いろんなことを教えてくれた。
楽しかった。でも、夜になって家に帰りたくなった。
家に帰らせて、そう言ってもお兄さんは笑うだけ。
まだだよ、と言うから、じゃああと10分だけ・・・それを何回も繰り返した。
気づいたら寝ていて、それでもそこは家じゃなくて。
ボクと友達、そしてお兄さんの遊びは続いた。
お腹空いた、と言ったら甘いパンをくれた。
女の子はやっぱり甘いものだよね、とお兄さんが言うからボクたちはそれを食べた。
それが何度も同じものだとさすがに飽きる。
他にはないの?、と聞くと、女の子は甘いものしか食べちゃダメなんだ、とお兄さんに言われた。
ああ、ボクたちはもう家に帰れないんだ、そう思い始めたのはいつからだっただろう。
助けて、とボクと友達はとうとう叫んだ。
そしたら、うるさい、とお兄さんに殴られた。
今度は痛い、とボクと友達は泣く。優しかったお兄さんが怖くなって、家に帰りたくてまた泣いた。
それから何をされたのかは覚えていない。
でも、忘れたくなるほど苦痛の時間だったことは覚えている。
・・・どれくらいの時間が経ったかはわからない。
お兄さんの部屋は真っ暗だったから。
・・・警察が来た。
ボクと友達を探して、お兄さんの家の近所の人が不審がって通報してくれたおかげで。
お兄さん・・・男は連行された。
昔から見る、夢がある。
『ママ!この洋服、どうかな?』
『ああ、真純にとてもよく似合っているぞ』
『ほんと?
『ああ、きっと・・・褒めてくれるさ。こんなにも可愛いんだから』
魔法使いと運命の出会いをした後。
ボクは今までの自分を見つめ直して、自分磨きに没頭していた。
男の子にしか見えない自分を変えたくて、女の子らしくオシャレをして、髪を伸ばして・・・言葉遣いに気を付けて。
その頃のボクは自分を『私』と呼んでいたし、今まで体を動かすことしか興味なかったのに勉強にも力を入れた。
可愛くなりたくて。
早く、早く大人になりたくて。
よく、ママに成果を見せて褒めてもらっていた。
たまに帰ってくる吉兄にも、可愛くなった自分を見てもらった。
クラスメイトにはビックリされたけど、必死に自分磨きをしているボクに影響されて、周りの女の子たちも一緒になって頑張った。
真純ちゃん可愛いね、そう言われるのがとても嬉しかったんだ。
だけど・・・
『真純ちゃん・・・可愛いね』
『ああ、可愛い女の子だ』
『もっと、可愛くなる方法を教えてあげる』
・・・ボクはあの日、『女の子』な自分が嫌いになった。
あの運命の日・・・何がどうなってそうなったのかは覚えてないけど、でもいつもと変わらず遊んでいただけ。
その日はママに新しく買ってもらった可愛い洋服とヘアアクセサリーをつけて友達と遊んでいた。
そんなとき、一人の男が声を掛けてきたんだ。
『ねぇねぇ、きみたち・・・僕も仲間に入れてくれないかな』
『?いいよ!』
もし、時間を巻き戻せるなら・・・やり直したい。
ボクは、その人についていったんだ。
その人が、泣いていたから。
ボクと友達は、お兄さんと一緒に遊んだ。
おままごと、可愛いものの情報交換、食べ物の話・・・話題は尽きることなくずっと続いた。
『あ・・・チャイムが鳴ったね』
『帰らなきゃ』
家でママが待ってる。
ボクと友達はチャイムが鳴ったら家に帰る、と決めていた。
その日もチャイムが鳴ったから帰る、いつも通りのはずだった。
『ちょっと待って』
『?お兄さん?』
『・・・まだ遊び足りないよ』
多分、頭を殴られたんだと思う。
・・・気づいたら、そこは真っ暗。
ボクと友達はお兄さんにどこかへ連れていかれた。
最初はよかった、お兄さんはボクたちよりもたくさんのことを知っていて、いろんなことを教えてくれた。
楽しかった。でも、夜になって家に帰りたくなった。
家に帰らせて、そう言ってもお兄さんは笑うだけ。
まだだよ、と言うから、じゃああと10分だけ・・・それを何回も繰り返した。
気づいたら寝ていて、それでもそこは家じゃなくて。
ボクと友達、そしてお兄さんの遊びは続いた。
お腹空いた、と言ったら甘いパンをくれた。
女の子はやっぱり甘いものだよね、とお兄さんが言うからボクたちはそれを食べた。
それが何度も同じものだとさすがに飽きる。
他にはないの?、と聞くと、女の子は甘いものしか食べちゃダメなんだ、とお兄さんに言われた。
ああ、ボクたちはもう家に帰れないんだ、そう思い始めたのはいつからだっただろう。
助けて、とボクと友達はとうとう叫んだ。
そしたら、うるさい、とお兄さんに殴られた。
今度は痛い、とボクと友達は泣く。優しかったお兄さんが怖くなって、家に帰りたくてまた泣いた。
それから何をされたのかは覚えていない。
でも、忘れたくなるほど苦痛の時間だったことは覚えている。
・・・どれくらいの時間が経ったかはわからない。
お兄さんの部屋は真っ暗だったから。
・・・警察が来た。
ボクと友達を探して、お兄さんの家の近所の人が不審がって通報してくれたおかげで。
お兄さん・・・男は連行された。