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元最強、たまには表舞台に出てみる

「コナンくーん?」
「え!?五条先生?」
「あ、いたいた。ああ、少年探偵団全員集合!って感じかな。全く・・・刑事さんたちが『どこに行ったんだ!』って探してたよ」
「ご、ごめんなさい・・・」

その日は、本当にたまたま。
今の今まで一緒にいたのに、と少年探偵団を探している高木刑事と鉢合わせて、僕もその捜索に協力することにした。
・・・なんか、コナンくんの脇で気絶してる犯人がいるし。ほんと、コナンくんも容赦ないよね。

「そういえばコナンくん」
「なんだ、光彦」
「さっき犯人は複数いるって言ってましたよね。この人だけじゃないんですか?」
「ああ。俺の推理通りなら、最低あと一人・・・」
「おうおう、ガキども。そこまでだぜ」
「なに!?」

物陰から出てくるわ、人の山。
これ10数人はいるんじゃないかな?

「やべぇ、ここから逃げねぇと・・・」
「あー、挟み撃ちにされちゃったね」

逃げるにしても小学生5人では無理がある。
かと言ってコナンくんだって、複数を相手するのは大変。
そうすぐ理解したコナンくんは高木刑事と毛利に連絡したらしいけど・・・多分それじゃあ間に合わない。
怖いよぉ、と哀ちゃんに抱きつく歩美ちゃん、元太くんも光彦くんもかなり焦っている。
僕らを人質にとりたいんだろう。男たちがじりじりと距離をつめてくる。

「んー、あんまり手加減できないから苦手なんだけど」
「え、五条先生?」
「コナンくんは探偵団のみんなを守ってね」

僕は10数人の男たちに向かって走った。
初手は男たちの後ろ・・・一人の項に手を当ててそのまま他の男たちに男の体ごと押しつける。
それにより何人かでドミノ倒し現象。いやー、体感が弱くて助かった。
悔しそうに僕に攻撃をしかける男たちだけど、ひょいひょい、と避けてその攻撃をむしろ仲間に当てさせる。

「あれー?仲間狙うなんて、どこ狙ってんの?」
「この・・・!!」
「あー、ダメダメ。動きがシンプルだよ?そんなんじゃいつまで経っても僕に当たらない」
「うぎゃ!」
「まだまだ!」

そんなこんなで1分もかからずに終了。
近くに高木刑事と毛利たちの気配がするから、もう大丈夫だろう。

「みんな!怪我はない?」
「高木刑事!それに蘭姉ちゃんに世良の姉ちゃんも!」
「まったく、心配したんだよ?」
「・・・コナンくん、哀ちゃん、歩美ちゃん、元太くん、光彦くん」
「へ?」
「5人、全員そこに正座!」
「「「「「は、はい!」」」」」
「キミたちが勝手に突っ走ったことは高木刑事から聞きました。あのね、誰が言おうとキミたちはまだ子供だ。大人は子供を守る義務がある」
「で、でも、犯人が逃げちゃ・・・」
「コナンくん?そうやって追いかけたら犯人1人じゃなかったでしょ?僕がいなかったらどうするつもりだったの?」
「はい・・・」
「キミたちがこれからも少年探偵団として頑張るなら、もう少し大人に頼りな。そうだ、人生の先輩としていいことを教えよう。・・・使えるものは全部使いな?大人はね何でもキミたちに与えてくれるよ?」
「・・・・・・」
「それに、これは毛利と世良にも言えることだからね。キミたちはいくら強いとはいえ高校生。まだまだ大人が守るべき対象だ」
「は、はい・・・わかりました、五条先生」

少年探偵団だけでなく毛利たちにもお灸を据えたのは良かった。
この頃、この子たちは自分の力を過信しすぎているところがある。
ここでガツンと言っておかないと。

「・・・世良、返事は?」
「こいつらを倒したの、先生なのか?」
「はぁ、聞いてないし・・・そうだって言ったらどうすんの?」
「先生、意外に強いんだな。こいつらのこと最低限にしかいなしてただけみたいだ。・・・そんなの、普段から動ける人にしかできないだろ?」
「あー・・・父親が護身術程度に、って教えてくれてね。今でも鍛錬は怠っていないよ」
「へぇ・・・?」

なんか、怪しげだね?
・・・ああ!僕が体術でもやったことあるのか、って気になっていたのか!
でも残念。これは我流・・・しかも前世で培ったものなんだよね。だから型とかはない。

「・・・この前のボクの蹴りぐらい、先生なら避けられたんじゃないか?」
「え、そういうこと?てっきり僕は流派を知りたいもんだと・・・あれはマジでビビった。それに僕、世良には勝てなーい♪」
「・・・・・・」

おちゃらけて言ったけど、世良のまなざしは鋭くなるばかり。
え、そんなに何を怪しんでいるの?

「・・・まあいいや。っていうか、最近事件に巻き込まれすぎじゃない?先生」
「それ同感!まあ誘拐がないだけマシってもんだよ」
「・・・誘拐されたことあんのかよ」
「うん。小学生の時とか特に。あ、高木刑事が呼んでるよ?じゃあ僕帰るね~」


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Good!