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元最強、たまには表舞台に出てみる

「で、これどういう状況?」
「知るか!五条のせいだろ」

ども~五条です。今、知り合いの松田陣平くんと仲良く縄で拘束されています。

「いや、マジでなんでお前と一緒に拘束されないといけないんだよ!」
「あ、陣平くん。そんなに引っ張ると・・・」
「いててててて!!!あーもう!五条がでかいせいで縄が食い込む!」
「どんまい!」
「うぜえ!」

あ、ちなみになんで陣平くんと仲良く拘束されているのか、というと。

『久しぶりにどっか食いに行かね?』
『陣平くんのおごり?』
『違うわ!!この前、お前のお願い聞いてやっただろうが。お前が俺におごるんだよ』
『えー?』

毛利探偵事務所に立てこもりがあったとき、出動していた萩原ちゃんに伝言するために、まずは陣平くんに連絡をとった。しかもその日、陣平くんは非番。ぷぷっ!
それで陣平くんは僕のお願いを聞く代わりに、後で晩御飯をおごることになった。

『で、なに食いたい?』
『五条が作る、和食のフルコース』
『・・・はぁ?』

いつだったか、伊達さんの結婚祝いに僕が手料理を振る舞ったことがある。
結婚祝いだから、男が4人もいるから、ってそれはもう豪勢に。
僕が料理を作れたことに萩原ちゃんはすごく驚いてたけど、伊達さんが喜んでくれてほんと良かった。
陣平くんは普通に澄ました顔してたけど、もきゅもきゅと口の中に食べ物をたくさん入れて食べてたからおいしかったんだろうな、とは思っていた。
・・・で、それを作れと?
でも、確かに晩御飯をおごるって約束したし、本人が食べたいって言ってるし、しょうがないね、と腰を上げた。
その代わり買い物付き合ってよね、と陣平くんと一緒にスーパーに向かう道の途中で、襲われた。
あ、犯人は陣平くんに恨みを持ってる男の人。
それに僕が巻き込まれた、ってわけ。あー、運が悪い。

「・・・で、あんたは何が望みだよ」

あっちゃー、陣平くんかなり怒ってる。いいや、ここは彼に任せよ。
あ、アリが1匹、2匹、3匹・・・

「僕の恋人をたぶらかしたのはお前かー!!!」
「はぁ?」

あ、陣平くんガチギレ。
まあそうだよね。自分にとって身に覚えのないことだろうし、はっきり言ってめんどくさい。
今世ではあんまりなかったけど、前世のときはよくあったなぁ・・・『あの人が私の運命の人なの!』とか言う女だとか、僕の外面しか興味のない呪術師だとか。あー、思い出しただけでイライラしてきた。
今の陣平くんもそんな感じで、かなり頭にきているらしい。
そんなに怒ったら血管切れちゃうよ?

「マジで俺、関係ない!」
「人の彼女たぶらかしといて何をぅ?!」
「だからそんなの俺、知らねぇよ!!!」

あー、これいつまで続くのかな?
もう、陣平くんが動くせいで手首痛いんだけど。


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Good!