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元最強、たまには表舞台に出てみる

「で、なんで夜になったんだ?」

いや、本当は昼間に着く予定だった。でも、道行くあるばあさんが車に轢かれそうになったり、小さい子が迷子になっていたりするもんだからそれらを手助けしていたらこんなに遅くなってしまった。
まだ日付は通り過ぎてないし、たとえ頂上付近にあるお墓にはたどり着くだろう。
なんて思っていたのに、ここで最悪の事態が発生。大雨が降ってきた、それも落雷あり。

「まじかー」

雨ぐらいだったらお墓場付近にある小屋を借りて、雨が止んでから下山すればいいや、って思ってたんだけど・・・雷もあるとちょっと心もとないなぁ。
なーんて考えていると、後ろから走ってくる足音が聞こえた。
え、なに?、と思った瞬間には衝突。しかもなんか痛みが走る。
そいつは僕のことなんか気にもせず(というか思わず膝をついた僕を飛び越えて)、また走っていく。
なんなんだよ・・・物騒だな。

「あ」

痛いと思ったら切られていた。肘下のところを10㎝近く。
しかも勢いで切り付けられたせいか、傷口は深め。
まあいいか。あとで塞がるだろ。
そういえば、あの女、どこに向かったんだ?
視界を広めると、あの女が向かった先に別荘があるようで、その中にはぽっかりと不思議な空洞・・・・・・があった。

「・・・!!」

その空洞が何を意味するのか。それを導き出す前に僕はその別荘に走る。
そんなの、僕がこの世で読めない唯一・・・真純しかいない。


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Good!