「・・・懐かしい」

今では夢でしか会えない、父親。
父さんは母さんをなくしてからすぐに僕を隠した。
誰にもこの力を奪われないように、僕の両目を包帯で、目立つ髪はウィッグで隠して。
イベントは必ず忘れないでお祝いしてきた僕たち家族だけれど、その頃の父さんはそれを敢えてしなかった。
それでも母さんの墓参りだけは必ず行っていた。
・・・ああ、そうか。もうすぐ父さんの誕生日。だからあんな夢を見たんだ。
まったく・・・僕にお祝いでもしろ、って会いに来たんだろう。しょうがないから会ってやるか。
はい、今日の予定決まり！
両親の墓は隣同士。きっと今頃、冥土でも仲良く過ごしているんだろう。

「いきますか・・・！いざ長野県へ！」