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元最強、小学生と仲良くなる

「・・・じゃあここからは先生ではなく、僕個人からいいですか?」
「ええ、もちろん。もう少し五条先生とお話したい。私の書斎にどうぞ。新一、有希子。お前たちは書斎に入らないように。聞き耳もダメだぞ」

えー、と残念そうにうなだれている二人を置いて、書斎に案内された。
そこはものすごい本の数だった。・・・あ、でもうちの実家はもっとすごいか。

「気になる本でもありました?」
「あ、すみません。勝手に・・・随分と幅広いジャンルで取り揃えているんですね」
「ああ、小説を書くときにトリックを考えたり息詰まった時に読んだり・・・仕事と趣味が同じようなものでして。気になるものがあったら借りてどうぞ」
「え、いいんですか?じゃあこれを・・・」

僕が手に取ったのは、妖怪大図鑑とかそんなもの。
え、それですか?という優作氏の視線に、生徒が読みたいと言っていたものなんですよ、と返した。ちなみにその生徒は僕が顧問として受け持っている同好会の部長。廃版になってかなり悔しそうにしてたからね。

「ずいぶん珍しい髪の色ですね。遺伝ですか?」
「はい。父も僕と一緒でした」
「・・・失礼、お父上の名前は、」
「五条傑。・・・父さんからあなたの名前は聞いたことがあります。数少ない友人だった、と」
「彼は今・・・」
「交通事故で僕が小学校に上がる前に亡くなりました」
「・・・そうだったのか。しかし彼にここまでよく似た息子がいるとは」
「僕は父さんのように髪は伸ばしてないですけど」

クスクス笑う僕は父さんを知っている優作氏にとってかなり衝撃的らしい。
両親のお墓を教えて、その日は帰った。
帰り際に、

「今度はゆっくり語り合おうね、悟くん」
「え、なんで僕の名前・・・」
「ああ、合っていたかい?昔、傑に聞いたことがあってね。もし自分に息子が生まれたら『悟』にしよう、と聞いていたんだよ。・・・くれぐれも目を大事にね」


・・・父さんってば、そんなに昔から名前考えてたの?
でも、根がまじめな父さんらしいや。


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