第1章『お引っ越し』
ピンポーン♪
夜ひとり、部屋でお気に入りの小説の本を読んでいたら、部屋のインターホンが鳴った。
(あれ、誰だろう…)
「はーい」
そう言って、部屋の玄関の鍵を開け、ドアを開いた。
するとそこに居たのは…。
[日向]
「あ、お姉ちゃん。ご飯食べた?」
部屋の前に居たのは、日向だった。
「日向か…ううん、まだ食べてないよ」
[日向]
「そっか。じゃあどっか食べに行こうよ、僕もご飯まだなんだ」
「良いよ、行こうか」
日向と一緒に寮を出て、街に向かった。
「何食べようか?」
[日向]
「僕、あそこのファミレスが良いなー。安いし美味しいし…」
「確かに、節約しないとね」
両親のためにも、食費で贅沢は出来ないのだ。
日向と一緒にファミレスに入る。
[ファミレス女子店員]
「いらっしゃいませー、2名様ですね」
店員さんに案内された席に座る。
私が椅子で、日向がソファー席だ。
[日向]
「僕、ドリアにしようかな」
「私はペペロンチーノでお願いします」
[ファミレス女子店員]
「はい、ご注文承りました」
そう言って、店員さんは厨房に戻っていった。
[日向]
「外装もなかなかだったけど、内装も良い感じだったよね」
学生寮の話だ。
確かに、清潔感のある部屋だった。
「あ…」
[日向]
「ん?どうしたの…?」
(あの男の子のこと、日向に話しといた方が良いかな?いや、でもこんな変な話、日向信じてくれるかな?)
「何でも無いよ」
[日向]
「そっか。それでね、トイレとお風呂も別でさー、お姉ちゃんのとこもそうだった?」
日向と雑談しながら、料理が来るのを待った。
[テンションの高い店員さん]
「はいっ、ご注文の…ペペロンチーノと、ドリアでございますっ!」
「あ、はい…」
(びっくりした…なんかテンションの高い店員さんだなぁ…)
[テンションの高い店員さん]
「ご注文はー、以上でよろしかったでしょうかっ?」
「はい…」
喋り方はギャルっぽいJKみたいな感じにも聞こえる。
[テンションの高い店員さん]
「それでは失礼しまーすっ!」
店員さんは、スタスタと歩いていってしまった。
(さっきの店員さん、可愛かったけど…微妙に男の子っぽかったような…気のせいかな?)
[日向]
「わー、このドリアおいしー。ファミレスも捨てたもんじゃ無いね」
日向は早々と先にドリアを召し上がっていた。
「そうだね……あっ、このペペロンチーノもすっごく美味しいよ」
[日向]
「ほんと?良いなー」
「じゃあちょっと交換しよっか」
私と日向でひと口だけ料理を交換した。
「うんっ、やっぱファミレスってさいこー!」
[日向]
「安くて旨いも侮れないよねー、僕逆に高級料理とかの味って分からないよ」
「私も、和食とか洋食とか中華とかいちいち考えられないわ」
[日向]
「お金持ちとか、エリートの趣向っていまいち理解出来なくて…僕らこれから大丈夫かな?」
「うーん、まあ心配いらないんじゃない?」
この時はそう軽く考えていた。
私達にこれから起きる悲劇なんて、考えてもいなかった。
[日向]
「じゃ、そろそろ行こうか」
「そうだね、会計済ましておくから。日向、先に帰ってても良いよ」
[日向]
「やった、お姉ちゃんの奢り!」
そう言って日向は大喜びして店を出ていった。
私はそんな弟の幸せそうな顔を見るだけで十分だ。
[ファミレス女子店員]
「ありがとうございましたー」
帰り道の途中、店員さんに貰ったレシートの合計を見る。
(ふたりで合計820円。この調子で行けば貯金も結構貯まるかな)
学生寮の前まで来たところ、竹ほうきで掃除している大家さんの姿が目に入った。
(あ、大家さんだ。挨拶しなきゃ…)
「大家さん、こんばんわ」
[如月 麗]
「…こんばんわ」
大家さんは私の声に気付き、こっちを見て挨拶仕返してくれた。
「こ、こんな時間までお掃除ですか?」
[如月 麗]
「はい、そうなんです。お仕事なので…」
そう言って大家さんは眠そうな目を擦った。
「大変そうですね…手伝いましょうか?」
[如月 麗]
「あ、いえ…僕の仕事なので、入居者さんにさせるわけには…」
「いえいえ、ここに住まわせてもらってる身なので、責任持って手伝います」
そう言って、大家さんの持っている竹ほうきに手をかけたところ、大家さんが避けるように2歩後ろに下がった。
[如月 麗]
「あのっ、ほんとに大丈夫なんです…。毎日やってることなんで…」
「そ、そうですか…」
(なんか今…本気で嫌がられたような…?)
[如月 麗]
「だから僕にはお構い無く…あ、そろそろ消灯時間ですよ?遅れたら成績から減点されちゃいます!」
「あ、ほんとだ…じゃ、おやすみなさい大家さん」
[如月 麗]
「はい、おやすみなさい…」
私は自分の寮の部屋に戻った。
[如月 麗]
「全く…ああいうの困るな」
夜ひとり、部屋でお気に入りの小説の本を読んでいたら、部屋のインターホンが鳴った。
(あれ、誰だろう…)
「はーい」
そう言って、部屋の玄関の鍵を開け、ドアを開いた。
するとそこに居たのは…。
[日向]
「あ、お姉ちゃん。ご飯食べた?」
部屋の前に居たのは、日向だった。
「日向か…ううん、まだ食べてないよ」
[日向]
「そっか。じゃあどっか食べに行こうよ、僕もご飯まだなんだ」
「良いよ、行こうか」
日向と一緒に寮を出て、街に向かった。
「何食べようか?」
[日向]
「僕、あそこのファミレスが良いなー。安いし美味しいし…」
「確かに、節約しないとね」
両親のためにも、食費で贅沢は出来ないのだ。
日向と一緒にファミレスに入る。
[ファミレス女子店員]
「いらっしゃいませー、2名様ですね」
店員さんに案内された席に座る。
私が椅子で、日向がソファー席だ。
[日向]
「僕、ドリアにしようかな」
「私はペペロンチーノでお願いします」
[ファミレス女子店員]
「はい、ご注文承りました」
そう言って、店員さんは厨房に戻っていった。
[日向]
「外装もなかなかだったけど、内装も良い感じだったよね」
学生寮の話だ。
確かに、清潔感のある部屋だった。
「あ…」
[日向]
「ん?どうしたの…?」
(あの男の子のこと、日向に話しといた方が良いかな?いや、でもこんな変な話、日向信じてくれるかな?)
「何でも無いよ」
[日向]
「そっか。それでね、トイレとお風呂も別でさー、お姉ちゃんのとこもそうだった?」
日向と雑談しながら、料理が来るのを待った。
[テンションの高い店員さん]
「はいっ、ご注文の…ペペロンチーノと、ドリアでございますっ!」
「あ、はい…」
(びっくりした…なんかテンションの高い店員さんだなぁ…)
[テンションの高い店員さん]
「ご注文はー、以上でよろしかったでしょうかっ?」
「はい…」
喋り方はギャルっぽいJKみたいな感じにも聞こえる。
[テンションの高い店員さん]
「それでは失礼しまーすっ!」
店員さんは、スタスタと歩いていってしまった。
(さっきの店員さん、可愛かったけど…微妙に男の子っぽかったような…気のせいかな?)
[日向]
「わー、このドリアおいしー。ファミレスも捨てたもんじゃ無いね」
日向は早々と先にドリアを召し上がっていた。
「そうだね……あっ、このペペロンチーノもすっごく美味しいよ」
[日向]
「ほんと?良いなー」
「じゃあちょっと交換しよっか」
私と日向でひと口だけ料理を交換した。
「うんっ、やっぱファミレスってさいこー!」
[日向]
「安くて旨いも侮れないよねー、僕逆に高級料理とかの味って分からないよ」
「私も、和食とか洋食とか中華とかいちいち考えられないわ」
[日向]
「お金持ちとか、エリートの趣向っていまいち理解出来なくて…僕らこれから大丈夫かな?」
「うーん、まあ心配いらないんじゃない?」
この時はそう軽く考えていた。
私達にこれから起きる悲劇なんて、考えてもいなかった。
[日向]
「じゃ、そろそろ行こうか」
「そうだね、会計済ましておくから。日向、先に帰ってても良いよ」
[日向]
「やった、お姉ちゃんの奢り!」
そう言って日向は大喜びして店を出ていった。
私はそんな弟の幸せそうな顔を見るだけで十分だ。
[ファミレス女子店員]
「ありがとうございましたー」
帰り道の途中、店員さんに貰ったレシートの合計を見る。
(ふたりで合計820円。この調子で行けば貯金も結構貯まるかな)
学生寮の前まで来たところ、竹ほうきで掃除している大家さんの姿が目に入った。
(あ、大家さんだ。挨拶しなきゃ…)
「大家さん、こんばんわ」
[如月 麗]
「…こんばんわ」
大家さんは私の声に気付き、こっちを見て挨拶仕返してくれた。
「こ、こんな時間までお掃除ですか?」
[如月 麗]
「はい、そうなんです。お仕事なので…」
そう言って大家さんは眠そうな目を擦った。
「大変そうですね…手伝いましょうか?」
[如月 麗]
「あ、いえ…僕の仕事なので、入居者さんにさせるわけには…」
「いえいえ、ここに住まわせてもらってる身なので、責任持って手伝います」
そう言って、大家さんの持っている竹ほうきに手をかけたところ、大家さんが避けるように2歩後ろに下がった。
[如月 麗]
「あのっ、ほんとに大丈夫なんです…。毎日やってることなんで…」
「そ、そうですか…」
(なんか今…本気で嫌がられたような…?)
[如月 麗]
「だから僕にはお構い無く…あ、そろそろ消灯時間ですよ?遅れたら成績から減点されちゃいます!」
「あ、ほんとだ…じゃ、おやすみなさい大家さん」
[如月 麗]
「はい、おやすみなさい…」
私は自分の寮の部屋に戻った。
[如月 麗]
「全く…ああいうの困るな」