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うちの本丸

私の本丸もそれなりに賑やかになり、修行から帰ってきて更に強くなった子達も徐々に増えてきていた。先日、堀川くんが修行から帰還している。そんな中、花丸という他の本丸が舞台となっているアニメの続編の2話をみんなで視聴することになったので、今はその鑑賞会中。この話は粟田口、特に骨喰くんと鯰尾くんにスポットを当てた話となっており、だからなのかその二振りが食入るように画面を見ていた。やっぱり別の本丸の話でも気になるだなぁと二人を横目に私も画面に集中する。

暫くすると花丸も終わり、みんなが各々感想を口出したりしていた。けれど、鯰尾くんの様子が可笑しいことに気が付いた。どうしたんだろう?何か何時もより暗い?


「どうしたの?鯰尾くん?」


気になった私は声を掛けてみた。何時もの彼らしくない、何時もならか「いや〜、今回の話も面白かったですね!」など軽い感想を言ってはしゃいでいるはずなのに。お腹でも下したのかな?なんて当たり障りのない予想を立ててみるが、何だか違うような気がしてならない。


「主……俺の記憶がないってことは知ってると思うけど、骨喰が修行へ旅立って記憶を取り戻して強くなった姿を見て、凄く羨ましいって思ったんだ……」

「兄弟……」

「今回この話を見て、さっきの本丸の骨喰が何だか俺と重なっちゃってさ。俺も早く記憶を取り戻して、骨喰のように強くなりたいって強く思ったんだ」



ポツリポツリと言う鯰尾くんは、普段の明るい彼とは天と地ほどの差があり、温度差で風邪を引きそうなぐらいだ。そんなに思い詰めていたなんて、全然気付いて上げれなかった。……なんて不甲斐ない主なんだ、私は。


「ごめんね、鯰尾くん。君がそんなにも思い詰めていたなんて気付いてあげられなくて、本当にごめん。こんなのじゃ、主失格だよね」

「そ、そんなこと……」

「こんな駄目主だけど、鯰尾くんを早く修行へ行けれるように尽力するよ!」

「兄弟、俺も早く旅立てるように手伝う」


私と骨喰くんの言葉を皮切りに粟田口ももちろん、本丸のみんなも早く修行へ行けれるように手伝うと言ってくれた。嗚呼、本当にこの本丸は暖かいなと、主ながらそう沁々思ってしまう辺り、私も相当な親バカならぬ刀バカなのかもしれない。


「みなさん……」

「良かったね、鯰尾くん」

「はい!」


こうして鯰尾くんは、修行へ旅立てるようにと練度上げが始まった。けれど、みんなが力を貸してくれたお陰もあって予定よりも早めに鯰尾くんの練度が修行へ旅立てる練度まで上げることが出来た。そして現在鯰尾くんは、修行へと旅立っている最中。送られてくる文をみんなで読む限りだと、元気にやっているみたいで安心している。今から鯰尾くんの帰りが待ち遠しいとそわそわしてしまう。強くなって、早く帰って来ておいでね。
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