Welcome to the Villains' world
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「やはり、ない。世界地図どころか、有史以来どこにも貴方の出身地の名前は見当たりません」
図書館についた自分たちはシンドリアという国について調べてみるものの、学園長が言った通り世界地図にもどこにもシンドリア王国についての記述はなかった。いやまぁ、ないだろうとは分かっていたがこうも現実を重く突きつけられると正直くるものがある。
「貴方、本当にそこから来たんですか?嘘をついてるんじゃないでしょうね?」
「は?」
学園長の言いがかりにカチンと来たので、少々ドスの効いた声を上げてしまう。そんな自分を見た学園長は困惑しながら一つの可能性を話し始めた。
「ゴ、ゴホン。こうなってくると貴方がなんらかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね」
「まぁそうでしょうね……」
自分は小声でそうだろうと肯定する。学園長には聞こえていないらしく、自分にここへ来るときに持っていたものはないか?と告げられる。自分の杖は……さすがにこの人へ渡すのはなんだか癪なので、見えない魔法をかけたままにしておく。他になにか待っていただろうか?と思い探してみる。指輪もこの人には渡せない大切な金属器 なので渡せるはずもなく、他のものは見当たらなかった。
「……見てのとおり手ぶらです」
「困りましたねえ。魔法を使えないものをこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者に連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは、教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので」
アンタ、一々自分が優しいって言ってないと息できない病気にでもかかってんのか。この人優しいかもしれないが本当に押し付けがましい、だからこの人の好意に甘えるのはとても癪に障るのだ。しかもこの学園長は何を考えているのか全く分からない。試しに開心術でも使ってやろうかと考えてみるものの、それもそれで面倒なことになりそうなので辞めておこう。すると学園長は何やら考え込むような素振りをした。この人、本当に独りで忙しいよな……。
「う〜ん……そうだ!学園内に今は使われていない建物があります。昔、寮として使われていた建物なので、掃除すれば寝泊まりぐらいはできるはずです。そこであれば、しばらく宿として貸し出して差し上げましょう!その間に貴方が元いた場所に帰れる方法を探すのです。あ〜なんて優しいんでしょう、私!教育者の鑑ですね」
もう何もツッコまないぞ……。しかしながら学園長が申し出てくれたことに対してはとても有難い話ではある。宿を貸し出してくれる、まぁその宿は無料 ではないんだろうが……。この学園長のことだ絶対にそうに決まっている。しかしながら彼に頼るしかないのも事実なので仕方あるまい。
「では善は急げです、寮へ向かいましょう。少し古いですが、赴きのある建物ですよ」
この言い方、とても含みのある言い方に聞こえる。赴きのある建物と学園長は言っていたが、それって途轍もなく嫌な予感しかしないんだが……。自分たちはその赴きある寮へと向かうのだった。
図書館についた自分たちはシンドリアという国について調べてみるものの、学園長が言った通り世界地図にもどこにもシンドリア王国についての記述はなかった。いやまぁ、ないだろうとは分かっていたがこうも現実を重く突きつけられると正直くるものがある。
「貴方、本当にそこから来たんですか?嘘をついてるんじゃないでしょうね?」
「は?」
学園長の言いがかりにカチンと来たので、少々ドスの効いた声を上げてしまう。そんな自分を見た学園長は困惑しながら一つの可能性を話し始めた。
「ゴ、ゴホン。こうなってくると貴方がなんらかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね」
「まぁそうでしょうね……」
自分は小声でそうだろうと肯定する。学園長には聞こえていないらしく、自分にここへ来るときに持っていたものはないか?と告げられる。自分の杖は……さすがにこの人へ渡すのはなんだか癪なので、見えない魔法をかけたままにしておく。他になにか待っていただろうか?と思い探してみる。指輪もこの人には渡せない大切な
「……見てのとおり手ぶらです」
「困りましたねえ。魔法を使えないものをこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者に連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは、教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので」
アンタ、一々自分が優しいって言ってないと息できない病気にでもかかってんのか。この人優しいかもしれないが本当に押し付けがましい、だからこの人の好意に甘えるのはとても癪に障るのだ。しかもこの学園長は何を考えているのか全く分からない。試しに開心術でも使ってやろうかと考えてみるものの、それもそれで面倒なことになりそうなので辞めておこう。すると学園長は何やら考え込むような素振りをした。この人、本当に独りで忙しいよな……。
「う〜ん……そうだ!学園内に今は使われていない建物があります。昔、寮として使われていた建物なので、掃除すれば寝泊まりぐらいはできるはずです。そこであれば、しばらく宿として貸し出して差し上げましょう!その間に貴方が元いた場所に帰れる方法を探すのです。あ〜なんて優しいんでしょう、私!教育者の鑑ですね」
もう何もツッコまないぞ……。しかしながら学園長が申し出てくれたことに対してはとても有難い話ではある。宿を貸し出してくれる、まぁその宿は
「では善は急げです、寮へ向かいましょう。少し古いですが、赴きのある建物ですよ」
この言い方、とても含みのある言い方に聞こえる。赴きのある建物と学園長は言っていたが、それって途轍もなく嫌な予感しかしないんだが……。自分たちはその赴きある寮へと向かうのだった。