Welcome to the Villains' world
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
学園長のあとを追って学園内を進んでいくと、入学式会場である鏡の間へと到着した。入学式なだけあって、随分とざわざわと生徒たちが浮き足立っている。ルフも生徒たちに同調してざわめき合っているな。
「──さ、これで入学式と寮分けは終わりかな?いいかい新入生たち。ハーツラビュル寮ではボクが法律 だ。逆らう者たちは首をはねてやるからそのつもりで」
「……ふぁ〜あ。やっとかったるい式が終わった。さっさと寮に戻るぞ。サバナクロー寮、付いてこい」
「新入生のみなさん。この度は入学おめでとうございます!みなさんが充実した学園生活を送れるよう、オクタヴィネル寮寮長として精一杯サポートさせて頂きますよ」
「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」
「職務放棄……」
「腹でも痛めたんじゃないか?」
フードを被った上級生と思わしき人達が新入生に向かって何やら話しているようだった。学園長、結構散々言われてるっぽいけど大丈夫なのか?
「違いますよ!」
「あ、来た」
バンっとけたたましい音を立てて登場した学園長に対して、上級生の方々は慣れているのか驚いている様子は全くない。この学園での学園長の立ち位置はそれでいいのか、生徒にそんな態度を許していいのか、仮にもアンタ学園の長だろう。などと口が滑りそうになったが、既のところで思い止まる、こんなこと口に漏らせば面倒なことになるのは分かりきっているので口には決して漏らさない。
「全くもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ」
学園長はそう言ってここまで抱き抱えて連れてきたグリムを自分から取り上げ、闇の鏡と呼ばれる大きな鏡の前へ行くように促してくる。闇の鏡前へ立つと、鏡から顔のようなものが写り、喋りはじめた。……これって白雪姫に出てくる鏡じゃないか?
『汝の名を告げよ』
「……ユウです」
『ユウ……汝の魂のかたちは……』
自分を隅々まで観察し出す白雪姫の継母が愛用していた鏡基、闇の鏡は黙ったままずっと自分を観察し考えている。何なんだ、一体……。
『……分からぬ』
「なんですって?」
やっと声を出したと思った闇の鏡は分からぬと一言だけ言った。その言葉に学園長は食い下がる。この寮決めの仕方にデジャブを感じてしまうが、深く考えてはダメな気がして考えるのをやめる。
『この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。よってどの寮にも相応しくない!……がこの者には秘めた力がある』
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんて有り得ない!生徒選定の手違いなどこの100年、ただの一度もなかったはず。一体なぜ……」
ざわざわと新入生は愚か上級生たちも信じられないと口々に言い始める。自分に魔力がない、か……。そうだったらどれほど幸せだっただろうか。しかしこの闇の鏡は間違っている、確かに私に魔力 は無いかもしれないが、魔力 なら腐るほどある。闇の鏡が秘めた力があると言っていたのはこのことだったのだろう。学園長が言った通り、何故自分はここに居るのか分からない。場違いにもほどがある、さっさと帰りたい。
「もごもご…ぷはっ!だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
「あっ、待ちなさい!この狸!」
学園長に確保されていたグリムが自力で脱出し、自分の足元に来たかと思えばドヤ顔の仁王立ちで言い放った。なんで猫なのにコイツはこんなに偉そうなんだ?人の言葉も喋るみたいだしこの世界は妙なことが多いな。動物と喋れるなんてピスティ1人で十分だろう。
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
やばい、と思った瞬間赤髪の上級生が大声で伏せろとみんなに指示する。自分はグリムに一番近い場所にいるため、早めにグリムから距離を取り伏せた。グリムの奇声と共に青い炎が燃え広がる。側に居たらしい褐色の上級生が被害にあったようだ。現に「うわあ!!あちちちっ!尻に火が!」と言って慌てている。
「このままでは学園が火の海です!誰かあの狸を捕まえてください!」
学園長がそう言うと上級生の人たちは面倒らしく、誰がやるのか役を擦りあっているところに眼鏡をかけた上級生の一人が名乗り上げた。
「クロウリー先生、おまかせください。いたいけな小動物を痛ぶって捕獲するというみなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います」
「さすがアズール氏。内申の点数稼ぎキマシタワー」
「なあ、誰かオレのケツの火ぃ消してくれてもよくねぇ!?」
「みなさん、私の話聞いてます!?」
何なんだ、この茶番……。こうしている間にもグリムは魔法で火を出し続けているというのに、早く取り抑えれば解決する話だ。しかも誰も褐色の上級生に対して無視なんだな……。しょうがないからというよりも、なんだか可哀想なので自分の魔法で火を消す。
「ん?あれ、オレのケツの火が消えた!」
「はぁ……。狸捕まえるくらいアンタがやりゃいいだろ、センセー」
「オレ様は狸じゃねーって何度言わせるんだゾ!偉大なる魔法士になる男・グリムとはオレ様のことだゾー!」
「威勢のいい小動物ですね。リドルさん、お願いできますか?」
「違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう」
揉めている内に最初に名乗り出た眼鏡の上級生と赤髪の上級生がタッグを組んでグリムを捕まえるようだ。やっとか、などと思いながら彼等の攻防を離れたところで見る。少しの間傍観していたが、これは追いかけっこなのかと思いたくなるようなものだった。自分は早く自分の世界へ帰りたいんだが?次第にイライラが溜まってしまい、痺れを切らしてグリムの動きを魔法で止めことにする。
「はぁ……『力場停止 』」
「にゃ!?」
「動きと魔法が止まったぞ!」
これで一件だろう、早く自分を解放してくれ。
「──さ、これで入学式と寮分けは終わりかな?いいかい新入生たち。ハーツラビュル寮ではボクが
「……ふぁ〜あ。やっとかったるい式が終わった。さっさと寮に戻るぞ。サバナクロー寮、付いてこい」
「新入生のみなさん。この度は入学おめでとうございます!みなさんが充実した学園生活を送れるよう、オクタヴィネル寮寮長として精一杯サポートさせて頂きますよ」
「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」
「職務放棄……」
「腹でも痛めたんじゃないか?」
フードを被った上級生と思わしき人達が新入生に向かって何やら話しているようだった。学園長、結構散々言われてるっぽいけど大丈夫なのか?
「違いますよ!」
「あ、来た」
バンっとけたたましい音を立てて登場した学園長に対して、上級生の方々は慣れているのか驚いている様子は全くない。この学園での学園長の立ち位置はそれでいいのか、生徒にそんな態度を許していいのか、仮にもアンタ学園の長だろう。などと口が滑りそうになったが、既のところで思い止まる、こんなこと口に漏らせば面倒なことになるのは分かりきっているので口には決して漏らさない。
「全くもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ」
学園長はそう言ってここまで抱き抱えて連れてきたグリムを自分から取り上げ、闇の鏡と呼ばれる大きな鏡の前へ行くように促してくる。闇の鏡前へ立つと、鏡から顔のようなものが写り、喋りはじめた。……これって白雪姫に出てくる鏡じゃないか?
『汝の名を告げよ』
「……ユウです」
『ユウ……汝の魂のかたちは……』
自分を隅々まで観察し出す白雪姫の継母が愛用していた鏡基、闇の鏡は黙ったままずっと自分を観察し考えている。何なんだ、一体……。
『……分からぬ』
「なんですって?」
やっと声を出したと思った闇の鏡は分からぬと一言だけ言った。その言葉に学園長は食い下がる。この寮決めの仕方にデジャブを感じてしまうが、深く考えてはダメな気がして考えるのをやめる。
『この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。よってどの寮にも相応しくない!……がこの者には秘めた力がある』
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんて有り得ない!生徒選定の手違いなどこの100年、ただの一度もなかったはず。一体なぜ……」
ざわざわと新入生は愚か上級生たちも信じられないと口々に言い始める。自分に魔力がない、か……。そうだったらどれほど幸せだっただろうか。しかしこの闇の鏡は間違っている、確かに私に
「もごもご…ぷはっ!だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
「あっ、待ちなさい!この狸!」
学園長に確保されていたグリムが自力で脱出し、自分の足元に来たかと思えばドヤ顔の仁王立ちで言い放った。なんで猫なのにコイツはこんなに偉そうなんだ?人の言葉も喋るみたいだしこの世界は妙なことが多いな。動物と喋れるなんてピスティ1人で十分だろう。
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
やばい、と思った瞬間赤髪の上級生が大声で伏せろとみんなに指示する。自分はグリムに一番近い場所にいるため、早めにグリムから距離を取り伏せた。グリムの奇声と共に青い炎が燃え広がる。側に居たらしい褐色の上級生が被害にあったようだ。現に「うわあ!!あちちちっ!尻に火が!」と言って慌てている。
「このままでは学園が火の海です!誰かあの狸を捕まえてください!」
学園長がそう言うと上級生の人たちは面倒らしく、誰がやるのか役を擦りあっているところに眼鏡をかけた上級生の一人が名乗り上げた。
「クロウリー先生、おまかせください。いたいけな小動物を痛ぶって捕獲するというみなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います」
「さすがアズール氏。内申の点数稼ぎキマシタワー」
「なあ、誰かオレのケツの火ぃ消してくれてもよくねぇ!?」
「みなさん、私の話聞いてます!?」
何なんだ、この茶番……。こうしている間にもグリムは魔法で火を出し続けているというのに、早く取り抑えれば解決する話だ。しかも誰も褐色の上級生に対して無視なんだな……。しょうがないからというよりも、なんだか可哀想なので自分の魔法で火を消す。
「ん?あれ、オレのケツの火が消えた!」
「はぁ……。狸捕まえるくらいアンタがやりゃいいだろ、センセー」
「オレ様は狸じゃねーって何度言わせるんだゾ!偉大なる魔法士になる男・グリムとはオレ様のことだゾー!」
「威勢のいい小動物ですね。リドルさん、お願いできますか?」
「違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう」
揉めている内に最初に名乗り出た眼鏡の上級生と赤髪の上級生がタッグを組んでグリムを捕まえるようだ。やっとか、などと思いながら彼等の攻防を離れたところで見る。少しの間傍観していたが、これは追いかけっこなのかと思いたくなるようなものだった。自分は早く自分の世界へ帰りたいんだが?次第にイライラが溜まってしまい、痺れを切らしてグリムの動きを魔法で止めことにする。
「はぁ……『
「にゃ!?」
「動きと魔法が止まったぞ!」
これで一件だろう、早く自分を解放してくれ。