Welcome to the Villains' world
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ここは何処なのだろうか……。真っ暗でなんか狭いような……?なんだか外が騒がしい、誰かが何やら話している声が夢現ながら耳に入ってきていた。
「やべぇ。そろそろ人が来ちまうゾ。早いところ制服を……うーん!!!この蓋、重いんだゾ。こうなったら……奥の手だ!ふな゛〜〜〜〜それっ!」
「な、なんだ!?(青い炎?)」
可愛らしい声が聞こえてると思いながら二度寝に入ろうとしたらいきなり目の前が明るくなったかと思うと、自分の周りを青い炎が覆い尽くしていた。なんだなんだ、なんなんだ一体。
「さてさて、お目当ての……って、ギャーーーーー!!!!オマエ、なんでもう起きてるんだ?!」
「ここは何処だ?沢山の、棺桶かこれ?」
自分を起こした謎の生物……あれは多分猫だろうか?耳に青い炎が纏っている、何とも偉そうな猫を無視して辺りを見渡すと棺桶のようなものがふよふよと浮いており、表には鍵穴のようなものが付いてある。部屋の中央には立派な鏡が異様な存在感を放ちながら鎮座していた。本当に何なんだこの部屋?自分は確かシンドリアの自室で寝ていた気がするんだが……見ての通りここがシンドリア国内ではないことは明らかだった。しかもここのルフは異様な感じだ、元気がないというか廃れた感じと言えば正しいのだろうか?こんなルフを見るのは初めてのことだ。無数のルフたちは自分の周りに集まり私に触れると普段のルフのように生き生きし、輝きを取り戻したようだ。一体全体どうしたということなのだろうか。ルフはあらゆる生物の魂の故郷、魂が還るところで世界の魂を繋ぐ『世界の血潮』と言われているぐらいだ。それがどうして……
「目の前のオレ様を無視するとはいい度胸なんだゾ!このグリム様に目を付けられたのが運の尽き!オマエのその服を寄越すんだゾ!さもなくば……丸焼きだ!」
偉そうなオレ様猫が服を寄越せと言ってきた。ふ、服?猫が服を着られるわけ無いだろう、と思いながら自分の服を見てみると黒い制服に白いロングジャケットを羽織っていた。……って何だこれ?!自分いつの間に着替えたんだ!?着替えた覚えなんてないし、何よりこの格好は自分がトリップする前の現代の格好じゃないか!ワナワナとし始めた自分を見てグリムと名乗ったオレ様猫は、地団駄を踏み始めた。
「オマエ!オレ様の話聞いてんのか!?」
「うるさい、『黙れ 』」
自分は持っていた杖を使って呪文をかけた。猫は強制的に口を閉じたため、ふがふがと意味の分からないことを言っている。しかし不服そうに地団駄を踏んでいる様子を見ると怒っているみたいだ。けれど自分はこんな猫に付き合っている暇はない、ここから出てシンドリアへ帰らないと。最初に居た部屋から出て、あてどなく走る。後ろにはさっきの猫が追いかけて来ているようだ。執拗いな、と思いながら猫を撒くためにとある部屋へと入る。後ろを見ると猫は着いてきて居らず気配もなかった。案外あっさり撒けたな、なんて思いながら自分は入った部屋を見渡す。本が沢山置かれている所からするとここは書庫なのだろう。全く……
「ここは一体どこなんだ」
「オレ様の鼻から逃げられると思ったか!ニンゲンめ!」
独りごちっているとまたあの猫が自分の前に姿を現した。この場所といい、この猫といい、いい加減にして欲しいんだが……。
「さあ、丸焼きにされたくなかったらその服を──ふぎゃっ!?痛ぇゾ!なんだぁこの紐!」
またこの猫に呪文を掛けるために杖を構えようとしたが、猫がいきなり紐みたいなもので縛られた。この呪文は自分のではない、ということは誰かがやったということ。うっわ、なんかすっごい嫌な予感……。
「紐ではありません。愛の鞭です!ああ、やっと見つけました。君、今年の新入生ですね?ダメじゃありませんか。勝手に扉 から出るなんて!それに、まだ手懐けられていない使い魔の同伴は校則違反ですよ」
なんだかとても個性的な人が現れた。シルクハットに怪しげな仮面、マントには黒い羽があしらわれている。うむ、見るからに怪しいし何よりマシンガントーク過ぎる。人の話を聞く気無いだろう。というか、この人新入生とか言わなかったか?
「離せ〜!オレ様はこんなヤツの使い魔じゃねぇんだゾ!」
「はいはい、反抗的な使い魔はみんなそう言うんです。少し静かにしていましょうね」
怪しげな人物はそう言うとグリムと呼ばれる猫を黙らせた。君はよく黙らせれるね、なんて少々同情してしまうものの最初に黙らせたの張本人なので何も言わないでおく。
「まったく。勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など前代未聞です!はぁ……どれだけせっかちさんなんですか。さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ。鏡の間へ行きましょう」
「……あの、新入生って?」
「貴方が目覚めた沢山の扉が並んでいた部屋ですよ。この学園へ入学する生徒は、全てあの扉をくぐってこの学園へやってくるのです。通常、特殊な鍵で扉を開くまで生徒は目覚めないはずなんですが……」
「はあ、そうなんですか……あの大量の棺は扉だったんですね」
あの棺桶のようなもの扉だったようで、確かにあの棺の表には鍵穴のようなものがあった。しかしこの怪しい人が言うような特別な鍵で開く前にこの猫が開けてしまったので自分が目覚めてしまったと。更に自分はこの学園の新入生であるようだ。だとしても何故自分がこの学園の新入生に選ばれたのだろうか?だって自分、もう魂は百年ぐらい生きているので選定外のはずなんだけどな……。
「それまでの世界に別れを告げ、新しく生まれ変わる。あの扉の意匠にはそんな思いが込められているのです。……おっと!長話をしている場合ではありませんでした。早くしないと入学式が終わってしまう。さあさあ、行きますよ」
「あの、その前にここは一体何処で貴方は一体誰ですか?」
「おや?君、まだ意識がはっきりしてないんですか?空間転移魔法の影響で記憶が混乱しているんですかねぇ……まぁいいでしょう。よくあることです。では歩きながら説明して差し上げます。私、優しいので」
……この人、押し付けがましいな。そんなことを思いながら押し付けがましい仮面の人について行くことに。彼は歩きながら自分に分かりやすく説明してくれた。
「ごほん。ここは『ナイトレイブンカレッジ』。世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる、ツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です。そして私は理事長よりこの学園を預かる校長。ディア・クロウリーと申します。」
「どうも……」
「この学園に入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。選ばれし者は、『扉』を使って世界中からこの学園へ呼び寄せられる。貴方のところにも『扉』を載せた黒い馬車が迎えに来たはずです」
「嗚呼、そう言えばなんか黒い馬車に乗った夢を見たいような……」
この学園長が言っている黒い馬車は目が覚める前に見ていた夢に出てきたものだと思っていたけれど、あれはどうやら夢ではなかったようだ。うる覚えであまり覚えてはいないのだけれど。
「あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ新入生を迎えるためのもの。学園に通じる扉を運ぶ、特別な馬車なのです。古来より特別な日のお迎えは馬車と相場が決まっているでしょう?」
「その相場が決まっているかは分かりませんが、つまり自分はあの馬車に、勝手にここへ連れてこられたってことですよね」
「むがーー!むががーー!!」
「さっ、入学式に行きますよ」
そう言って学園長はそそくさと歩いて行ってしまった。あの野郎、無視したな……。
「やべぇ。そろそろ人が来ちまうゾ。早いところ制服を……うーん!!!この蓋、重いんだゾ。こうなったら……奥の手だ!ふな゛〜〜〜〜それっ!」
「な、なんだ!?(青い炎?)」
可愛らしい声が聞こえてると思いながら二度寝に入ろうとしたらいきなり目の前が明るくなったかと思うと、自分の周りを青い炎が覆い尽くしていた。なんだなんだ、なんなんだ一体。
「さてさて、お目当ての……って、ギャーーーーー!!!!オマエ、なんでもう起きてるんだ?!」
「ここは何処だ?沢山の、棺桶かこれ?」
自分を起こした謎の生物……あれは多分猫だろうか?耳に青い炎が纏っている、何とも偉そうな猫を無視して辺りを見渡すと棺桶のようなものがふよふよと浮いており、表には鍵穴のようなものが付いてある。部屋の中央には立派な鏡が異様な存在感を放ちながら鎮座していた。本当に何なんだこの部屋?自分は確かシンドリアの自室で寝ていた気がするんだが……見ての通りここがシンドリア国内ではないことは明らかだった。しかもここのルフは異様な感じだ、元気がないというか廃れた感じと言えば正しいのだろうか?こんなルフを見るのは初めてのことだ。無数のルフたちは自分の周りに集まり私に触れると普段のルフのように生き生きし、輝きを取り戻したようだ。一体全体どうしたということなのだろうか。ルフはあらゆる生物の魂の故郷、魂が還るところで世界の魂を繋ぐ『世界の血潮』と言われているぐらいだ。それがどうして……
「目の前のオレ様を無視するとはいい度胸なんだゾ!このグリム様に目を付けられたのが運の尽き!オマエのその服を寄越すんだゾ!さもなくば……丸焼きだ!」
偉そうなオレ様猫が服を寄越せと言ってきた。ふ、服?猫が服を着られるわけ無いだろう、と思いながら自分の服を見てみると黒い制服に白いロングジャケットを羽織っていた。……って何だこれ?!自分いつの間に着替えたんだ!?着替えた覚えなんてないし、何よりこの格好は自分がトリップする前の現代の格好じゃないか!ワナワナとし始めた自分を見てグリムと名乗ったオレ様猫は、地団駄を踏み始めた。
「オマエ!オレ様の話聞いてんのか!?」
「うるさい、『
自分は持っていた杖を使って呪文をかけた。猫は強制的に口を閉じたため、ふがふがと意味の分からないことを言っている。しかし不服そうに地団駄を踏んでいる様子を見ると怒っているみたいだ。けれど自分はこんな猫に付き合っている暇はない、ここから出てシンドリアへ帰らないと。最初に居た部屋から出て、あてどなく走る。後ろにはさっきの猫が追いかけて来ているようだ。執拗いな、と思いながら猫を撒くためにとある部屋へと入る。後ろを見ると猫は着いてきて居らず気配もなかった。案外あっさり撒けたな、なんて思いながら自分は入った部屋を見渡す。本が沢山置かれている所からするとここは書庫なのだろう。全く……
「ここは一体どこなんだ」
「オレ様の鼻から逃げられると思ったか!ニンゲンめ!」
独りごちっているとまたあの猫が自分の前に姿を現した。この場所といい、この猫といい、いい加減にして欲しいんだが……。
「さあ、丸焼きにされたくなかったらその服を──ふぎゃっ!?痛ぇゾ!なんだぁこの紐!」
またこの猫に呪文を掛けるために杖を構えようとしたが、猫がいきなり紐みたいなもので縛られた。この呪文は自分のではない、ということは誰かがやったということ。うっわ、なんかすっごい嫌な予感……。
「紐ではありません。愛の鞭です!ああ、やっと見つけました。君、今年の新入生ですね?ダメじゃありませんか。勝手に
なんだかとても個性的な人が現れた。シルクハットに怪しげな仮面、マントには黒い羽があしらわれている。うむ、見るからに怪しいし何よりマシンガントーク過ぎる。人の話を聞く気無いだろう。というか、この人新入生とか言わなかったか?
「離せ〜!オレ様はこんなヤツの使い魔じゃねぇんだゾ!」
「はいはい、反抗的な使い魔はみんなそう言うんです。少し静かにしていましょうね」
怪しげな人物はそう言うとグリムと呼ばれる猫を黙らせた。君はよく黙らせれるね、なんて少々同情してしまうものの最初に黙らせたの張本人なので何も言わないでおく。
「まったく。勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など前代未聞です!はぁ……どれだけせっかちさんなんですか。さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ。鏡の間へ行きましょう」
「……あの、新入生って?」
「貴方が目覚めた沢山の扉が並んでいた部屋ですよ。この学園へ入学する生徒は、全てあの扉をくぐってこの学園へやってくるのです。通常、特殊な鍵で扉を開くまで生徒は目覚めないはずなんですが……」
「はあ、そうなんですか……あの大量の棺は扉だったんですね」
あの棺桶のようなもの扉だったようで、確かにあの棺の表には鍵穴のようなものがあった。しかしこの怪しい人が言うような特別な鍵で開く前にこの猫が開けてしまったので自分が目覚めてしまったと。更に自分はこの学園の新入生であるようだ。だとしても何故自分がこの学園の新入生に選ばれたのだろうか?だって自分、もう魂は百年ぐらい生きているので選定外のはずなんだけどな……。
「それまでの世界に別れを告げ、新しく生まれ変わる。あの扉の意匠にはそんな思いが込められているのです。……おっと!長話をしている場合ではありませんでした。早くしないと入学式が終わってしまう。さあさあ、行きますよ」
「あの、その前にここは一体何処で貴方は一体誰ですか?」
「おや?君、まだ意識がはっきりしてないんですか?空間転移魔法の影響で記憶が混乱しているんですかねぇ……まぁいいでしょう。よくあることです。では歩きながら説明して差し上げます。私、優しいので」
……この人、押し付けがましいな。そんなことを思いながら押し付けがましい仮面の人について行くことに。彼は歩きながら自分に分かりやすく説明してくれた。
「ごほん。ここは『ナイトレイブンカレッジ』。世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる、ツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です。そして私は理事長よりこの学園を預かる校長。ディア・クロウリーと申します。」
「どうも……」
「この学園に入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。選ばれし者は、『扉』を使って世界中からこの学園へ呼び寄せられる。貴方のところにも『扉』を載せた黒い馬車が迎えに来たはずです」
「嗚呼、そう言えばなんか黒い馬車に乗った夢を見たいような……」
この学園長が言っている黒い馬車は目が覚める前に見ていた夢に出てきたものだと思っていたけれど、あれはどうやら夢ではなかったようだ。うる覚えであまり覚えてはいないのだけれど。
「あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ新入生を迎えるためのもの。学園に通じる扉を運ぶ、特別な馬車なのです。古来より特別な日のお迎えは馬車と相場が決まっているでしょう?」
「その相場が決まっているかは分かりませんが、つまり自分はあの馬車に、勝手にここへ連れてこられたってことですよね」
「むがーー!むががーー!!」
「さっ、入学式に行きますよ」
そう言って学園長はそそくさと歩いて行ってしまった。あの野郎、無視したな……。