Welcome to the Villains' world
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
メインストリートについた自分の目の前にはとても見覚えのある像が並んでいた。な、なんだこれ?ディズニーの悪役で有名なキャラクターじゃないか……。
「ふわぁ〜……スゲーんだゾ。ここがメインストリートか。昨日はよく見てなかったんだけど、この石像は誰だ?7つあるけど、なんかみんなコワイ顔」
「そりゃあ怖い顔してるだろ、全員闇の住人 だからな」
「なんだユウ、コイツらのこと知ってんのか?」
「名前ぐらいだったらな」
石像を見るなり興味津々のグリムにこの石像の人物を知っているかという問に対して、名前だけだと自分は答えたがそれは嘘である。この石像たちの行いを自分は知っているのだ、それは自分の第二の故郷に関係がある。それが現代の日本という国だからだ。アルマトランが壊滅寸前、自分は母であるシバとその友人であるウーゴくんに聖宮へ弟と一緒に連れていかれるはずだったのだが、手違いで自分は魂だけが現代の日本という場所へとトリップしてしまったのだ。だから自分はディズニーの悪役も知っていれば、ハリーポッターの魔法も知っているのだ。
「このおばちゃんなんか、特に偉そうな顔してるんだゾ」
「ハートの女王を知らねーの?」
グリムがハートの女王の前でその石像を見ていると、赤茶の髪をした顔にハートのペイントが施してある青年が背後に立っていた。誰だこいつ、というのが自分の素直な感想で、制服とこの学内にいるということはここの生徒で間違いはないんだろうが、如何せん人の良さそうな胡散臭い笑みを貼り付けて自分たちに話しかけてくるのが怪しい。自分たちの噂はあの入学式の時点で全生徒までにはいかないもののそれなりに広まっているだろう。その点を踏まえてこの男がこんな笑みを浮かべて近付いて来たってことは自分たちを揶揄って遊びたいだけと見える。自分はハートのペイント青年の出方を見るために黙っておく。
「ハートの女王?偉い人なのか?」
「昔、薔薇の迷宮に住んでいた女王だよ。規律を重んじ厳格な人柄で、トランプ兵の行進も薔薇の花の色も一切の乱れを許さない。マッドな奴らばっかりの国なのに誰もが彼女には絶対服従。なんでかって?規律違反は即打ち首だったから!」
「こ、こえーんだゾ!」
ハートの女王は傲慢で非常に怒りっぽく少しでも気に入らないことがあるとすぐに死刑を言い渡すため、不思議の国の住人たちに恐れられている暴君だ。しかも妙なことに拘って部下たちに無理難題を押し付けることも多く、こなせないと当然死刑。おまけに興奮すると人の話を聞かなくなり、こうなるとハートの王にすら止められなくなってしまうため、どこまでも性質が悪く始末に負えない。それがハートの女王だ、規律違反と聞こえはいいがそれはただのハートの女王の我がままだ。
「クールじゃん!オレは好き。だって、優しいだけの女王なんてみんな従わないだろ?」
ハートの女王場合は横暴過ぎて、尚且つハートの王すら手に負えないほど暴走癖があるからみんな逆らわなかったってだけだけどな。自分はそんな女王願い下げだ、そんなのは王の器に相応しいとは言い難い。自分が良ければ全てよしなんて、いずれ国が廃れていくだけなのにな。
「確かに。リーダーは強いほうがいいんだゾ。っていうか、オマエは誰だ?」
「オレはエース。今日からピカピカの1年生。どーぞヨロシク♪」
「オレ様はグリム!大魔法士になる予定の天才なんだゾ。コッチ冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ」
「は?誰が誰の子分だって?」
グリムの聞き捨てならない言葉に対して、少しムカついたのでまた少々強めに聞いてみるとグリムは怯えながら「ご、ごめんなさい!」と言って先ほどのふんぞり返ったドヤ顔とは正反対の態度と顔つきになった。グリムは何故学ぶということをしないのだろうか、と思いながら再びエースという人物を観察する。
「へ、へぇ〜。ユウ?珍しい響きの名前だな」
「どうも」
よろしくとは言わない。何故かと言われれば彼は単純に信用ならないからだ、何か裏があるからこそ自分たちに近付いてきた。その理由は多分とてもくだらないものな気がするのだけれど。
「なあなあ、エース。それじゃあっちの目に傷のあるライオンも有名なヤツなのか?」
「もちろん!これはサバンナを支配した、百獣の王。でも生まれながらの王じゃなくて綿密に練った策で玉座を手に入れた努力家だ。王になったあと、嫌われ者のハイエナも差別せず一緒に暮らそうって提案した」
綿密に練った策などと聞こえがいいが、実の兄を殺しその罪を甥に擦り付けてまで王になりたいという意思は買うものの、彼が王になってからというものプライド・ランドは食糧難の危機に陥った。これはスカーがただ王位へ就いたことに満足し現状を変えようとしなかった結果、スカーはシンバとハイエナたちに倒されてしまったのだ。これはスカーの自業自得だ。
「おおっ、ミブン?っていうのに囚われないヤツはロックなんだゾ!手前のタコ足のおばさんは誰だ?」
「深海の洞窟に住む、海の魔女。不幸せな人形たちを助けることを生きがいにしてた。お代さえ払えば変身願望から恋の悩みまで、なんでも解決してくれたらしい。彼女の手にかかれば叶わない願いはなかったらしいよ。ま、お代はちょっと高かったって話だけど。なんでも叶うってんなら、当然だよね」
お代ねぇ……。手下のウツボたちに妨害させて必ず約束を果たせなく仕向けてるっていうのにね。相手がそれに対して異議を唱えても契約書を盾に突っぱねる。しかし契約書には強力な魔法がかかっており、一度かかったらアースラ自身はおろか、トリトン王ですら破ることは出来なかったのだ。彼女にとって人の不幸は蜜の味ということなのだろう。
「にゃっはー!つまりオレ様も大魔法士になれば、リッチになれるってことか!?じゃあじゃあ、、このでかい帽子のおじさんは?」
「砂漠の国の大賢者。間抜けな王に仕えてた大臣で王子と身分を偽って、王女を誑かそうとしたペテン師の正体を見破った切れ者!その後魔法のランプをゲットして世界一の大賢者にまでのし上がった!さらにはその力で王の座まで手に入れたんだって」
間抜けな王というところは否定しないし王女を誑かしたペテン師というところも間違ってはいないが、アラジンは魔法のランプに王子にしてくれと願った上で王宮へ乗り込んでいるし、何よりそのアラジンの魔法のランプを奪って願いを叶え王になり、王女と元王を自身の下僕にしようとしたり魔法のランプの魔人に自身も同じ魔人にしろと願い魔人になったものの、最後の最後で魔法のランプへと戻されてしまった賢者だ。
「ほほぅ!やっぱり魔法士には人を見る目も必要ってことだな!おおっ、コッチの人は美人だゾ!」
「これは世界一美しいといわれた女王。毎日魔法の鏡で世界の美人ランキングをチェック!んで、自分の順位が1位から落ちそうになったらどんな努力も惜しますやってたって話。世界一の美を保つことへの意識の高さっつーの?ハンパないよね。あと毒薬作りの名手でもあったらしーぜ」
自分で欲しいからといって身篭ったくせして実の娘を自身よりも美しいからと、たったそれだけのことで殺そうとするのも如何なものだと思うがな。その努力も殺害に向けられているのもな……。あ、ディズニー版だとグリム版と違って実母ではなく継母だったか。でも血の繋がりはなくとも美しい娘だと可愛がっていたはずだろうにな。女の嫉妬とは恐ろしいものだ。
「キ、キレーだけどおっかねぇんだゾ……」
「そお?譲れないこだわりがあるのはカッケーじゃん」
そのこだわりの仕方が歪んでると思うんだがな……。全くこの世界でこの悪者7人たちはどういう風な伝え方されてるんだ?ハデスやスカー、そしてマレフィセントは同情の余地はあるとは思うが残りの4人はな……。
「た、確かに、一本芯が通ってるのはカッケーな!向こうの頭が燃えている男は?見るからにコエーんだゾ」
「死者の国の王!魑魅魍魎が蠢く国を1人で治めてたっていうから超実力者なのは間違いない。コワイ顔してるけど押しつけられた嫌な仕事も休まずこなす誠実な奴で、ケロベロスもヒドラもタイタン族も全部コイツの命令に従って戦ったんだってさ」
ハデスはクロノスとの世代交代の際にくじで冥界の王という立場になってしまい、冥王という亡者に疎まれる役職によるストレスが追い打ちがかかってか、真っ直ぐ過ぎる厳正な堅物の性格は変化してしまい、あのような性格になってしまったようだ。ゼウスを恨むのも無理はないがその息子にちょっかいをかけまくるのもどうかと思うけどな。そのおかげでヘラクレスはヒーローとしての才覚が目覚めてしまうのだけれど。多分この7人の中で一番不憫なヤツなのでは?
「ふむふむ。実力があるのに驕らないってのは大事なことなんだゾ。最後に、この角が生えてるヤツは?」
「魔の山に住む茨の魔女。高貴で優雅、そして魔法と呪いの腕はこの7人の中でもピカイチ!雷雲を操って嵐を起こしたり、国中を茨で覆い尽くしたり、とにかく魔法のスケールが超デカイ。巨大なドラゴンにも変身できたんだってさー」
おとぎ話の眠れる森の美女には元々の原作があったりするのだが、それがまた昼ドラばりに壮大かつドロドロとした話だ。その原作とマレフィセントは関係なかったりするのだけれど、何故マレフィセントはオーロラ姫に呪いをかけたのか、王の裏切りにあったマレフィセントは彼の最愛の人に呪いをかけたのだ。ここで何故マレフィセントはオーロラ姫を呪い殺すなどのものではなかったのか、目覚めぬ眠りを迎えるそして真実のキスで目が覚めるというものにしたのか。そこにマレフィセントの良心が隠されていたりするのだけれど、彼女は悪役になりきれない悪役だったりする。某王国心でもマレフィセントが主人公を庇って敵に立ちはだかるというシーンがあったりするのでやはりそういうことなのだ。
「おぉ〜、ドラゴン!全モンスターの憧れなんだゾ!」
「クールだよな〜……どっかの狸と違って」
なんだ、エースという青年の顔つきが変わった気がする。なるほど、やはり自分たちに近付いてきたのはなにか裏がありそうだな。
「ふわぁ〜……スゲーんだゾ。ここがメインストリートか。昨日はよく見てなかったんだけど、この石像は誰だ?7つあるけど、なんかみんなコワイ顔」
「そりゃあ怖い顔してるだろ、全員
「なんだユウ、コイツらのこと知ってんのか?」
「名前ぐらいだったらな」
石像を見るなり興味津々のグリムにこの石像の人物を知っているかという問に対して、名前だけだと自分は答えたがそれは嘘である。この石像たちの行いを自分は知っているのだ、それは自分の第二の故郷に関係がある。それが現代の日本という国だからだ。アルマトランが壊滅寸前、自分は母であるシバとその友人であるウーゴくんに聖宮へ弟と一緒に連れていかれるはずだったのだが、手違いで自分は魂だけが現代の日本という場所へとトリップしてしまったのだ。だから自分はディズニーの悪役も知っていれば、ハリーポッターの魔法も知っているのだ。
「このおばちゃんなんか、特に偉そうな顔してるんだゾ」
「ハートの女王を知らねーの?」
グリムがハートの女王の前でその石像を見ていると、赤茶の髪をした顔にハートのペイントが施してある青年が背後に立っていた。誰だこいつ、というのが自分の素直な感想で、制服とこの学内にいるということはここの生徒で間違いはないんだろうが、如何せん人の良さそうな胡散臭い笑みを貼り付けて自分たちに話しかけてくるのが怪しい。自分たちの噂はあの入学式の時点で全生徒までにはいかないもののそれなりに広まっているだろう。その点を踏まえてこの男がこんな笑みを浮かべて近付いて来たってことは自分たちを揶揄って遊びたいだけと見える。自分はハートのペイント青年の出方を見るために黙っておく。
「ハートの女王?偉い人なのか?」
「昔、薔薇の迷宮に住んでいた女王だよ。規律を重んじ厳格な人柄で、トランプ兵の行進も薔薇の花の色も一切の乱れを許さない。マッドな奴らばっかりの国なのに誰もが彼女には絶対服従。なんでかって?規律違反は即打ち首だったから!」
「こ、こえーんだゾ!」
ハートの女王は傲慢で非常に怒りっぽく少しでも気に入らないことがあるとすぐに死刑を言い渡すため、不思議の国の住人たちに恐れられている暴君だ。しかも妙なことに拘って部下たちに無理難題を押し付けることも多く、こなせないと当然死刑。おまけに興奮すると人の話を聞かなくなり、こうなるとハートの王にすら止められなくなってしまうため、どこまでも性質が悪く始末に負えない。それがハートの女王だ、規律違反と聞こえはいいがそれはただのハートの女王の我がままだ。
「クールじゃん!オレは好き。だって、優しいだけの女王なんてみんな従わないだろ?」
ハートの女王場合は横暴過ぎて、尚且つハートの王すら手に負えないほど暴走癖があるからみんな逆らわなかったってだけだけどな。自分はそんな女王願い下げだ、そんなのは王の器に相応しいとは言い難い。自分が良ければ全てよしなんて、いずれ国が廃れていくだけなのにな。
「確かに。リーダーは強いほうがいいんだゾ。っていうか、オマエは誰だ?」
「オレはエース。今日からピカピカの1年生。どーぞヨロシク♪」
「オレ様はグリム!大魔法士になる予定の天才なんだゾ。コッチ冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ」
「は?誰が誰の子分だって?」
グリムの聞き捨てならない言葉に対して、少しムカついたのでまた少々強めに聞いてみるとグリムは怯えながら「ご、ごめんなさい!」と言って先ほどのふんぞり返ったドヤ顔とは正反対の態度と顔つきになった。グリムは何故学ぶということをしないのだろうか、と思いながら再びエースという人物を観察する。
「へ、へぇ〜。ユウ?珍しい響きの名前だな」
「どうも」
よろしくとは言わない。何故かと言われれば彼は単純に信用ならないからだ、何か裏があるからこそ自分たちに近付いてきた。その理由は多分とてもくだらないものな気がするのだけれど。
「なあなあ、エース。それじゃあっちの目に傷のあるライオンも有名なヤツなのか?」
「もちろん!これはサバンナを支配した、百獣の王。でも生まれながらの王じゃなくて綿密に練った策で玉座を手に入れた努力家だ。王になったあと、嫌われ者のハイエナも差別せず一緒に暮らそうって提案した」
綿密に練った策などと聞こえがいいが、実の兄を殺しその罪を甥に擦り付けてまで王になりたいという意思は買うものの、彼が王になってからというものプライド・ランドは食糧難の危機に陥った。これはスカーがただ王位へ就いたことに満足し現状を変えようとしなかった結果、スカーはシンバとハイエナたちに倒されてしまったのだ。これはスカーの自業自得だ。
「おおっ、ミブン?っていうのに囚われないヤツはロックなんだゾ!手前のタコ足のおばさんは誰だ?」
「深海の洞窟に住む、海の魔女。不幸せな人形たちを助けることを生きがいにしてた。お代さえ払えば変身願望から恋の悩みまで、なんでも解決してくれたらしい。彼女の手にかかれば叶わない願いはなかったらしいよ。ま、お代はちょっと高かったって話だけど。なんでも叶うってんなら、当然だよね」
お代ねぇ……。手下のウツボたちに妨害させて必ず約束を果たせなく仕向けてるっていうのにね。相手がそれに対して異議を唱えても契約書を盾に突っぱねる。しかし契約書には強力な魔法がかかっており、一度かかったらアースラ自身はおろか、トリトン王ですら破ることは出来なかったのだ。彼女にとって人の不幸は蜜の味ということなのだろう。
「にゃっはー!つまりオレ様も大魔法士になれば、リッチになれるってことか!?じゃあじゃあ、、このでかい帽子のおじさんは?」
「砂漠の国の大賢者。間抜けな王に仕えてた大臣で王子と身分を偽って、王女を誑かそうとしたペテン師の正体を見破った切れ者!その後魔法のランプをゲットして世界一の大賢者にまでのし上がった!さらにはその力で王の座まで手に入れたんだって」
間抜けな王というところは否定しないし王女を誑かしたペテン師というところも間違ってはいないが、アラジンは魔法のランプに王子にしてくれと願った上で王宮へ乗り込んでいるし、何よりそのアラジンの魔法のランプを奪って願いを叶え王になり、王女と元王を自身の下僕にしようとしたり魔法のランプの魔人に自身も同じ魔人にしろと願い魔人になったものの、最後の最後で魔法のランプへと戻されてしまった賢者だ。
「ほほぅ!やっぱり魔法士には人を見る目も必要ってことだな!おおっ、コッチの人は美人だゾ!」
「これは世界一美しいといわれた女王。毎日魔法の鏡で世界の美人ランキングをチェック!んで、自分の順位が1位から落ちそうになったらどんな努力も惜しますやってたって話。世界一の美を保つことへの意識の高さっつーの?ハンパないよね。あと毒薬作りの名手でもあったらしーぜ」
自分で欲しいからといって身篭ったくせして実の娘を自身よりも美しいからと、たったそれだけのことで殺そうとするのも如何なものだと思うがな。その努力も殺害に向けられているのもな……。あ、ディズニー版だとグリム版と違って実母ではなく継母だったか。でも血の繋がりはなくとも美しい娘だと可愛がっていたはずだろうにな。女の嫉妬とは恐ろしいものだ。
「キ、キレーだけどおっかねぇんだゾ……」
「そお?譲れないこだわりがあるのはカッケーじゃん」
そのこだわりの仕方が歪んでると思うんだがな……。全くこの世界でこの悪者7人たちはどういう風な伝え方されてるんだ?ハデスやスカー、そしてマレフィセントは同情の余地はあるとは思うが残りの4人はな……。
「た、確かに、一本芯が通ってるのはカッケーな!向こうの頭が燃えている男は?見るからにコエーんだゾ」
「死者の国の王!魑魅魍魎が蠢く国を1人で治めてたっていうから超実力者なのは間違いない。コワイ顔してるけど押しつけられた嫌な仕事も休まずこなす誠実な奴で、ケロベロスもヒドラもタイタン族も全部コイツの命令に従って戦ったんだってさ」
ハデスはクロノスとの世代交代の際にくじで冥界の王という立場になってしまい、冥王という亡者に疎まれる役職によるストレスが追い打ちがかかってか、真っ直ぐ過ぎる厳正な堅物の性格は変化してしまい、あのような性格になってしまったようだ。ゼウスを恨むのも無理はないがその息子にちょっかいをかけまくるのもどうかと思うけどな。そのおかげでヘラクレスはヒーローとしての才覚が目覚めてしまうのだけれど。多分この7人の中で一番不憫なヤツなのでは?
「ふむふむ。実力があるのに驕らないってのは大事なことなんだゾ。最後に、この角が生えてるヤツは?」
「魔の山に住む茨の魔女。高貴で優雅、そして魔法と呪いの腕はこの7人の中でもピカイチ!雷雲を操って嵐を起こしたり、国中を茨で覆い尽くしたり、とにかく魔法のスケールが超デカイ。巨大なドラゴンにも変身できたんだってさー」
おとぎ話の眠れる森の美女には元々の原作があったりするのだが、それがまた昼ドラばりに壮大かつドロドロとした話だ。その原作とマレフィセントは関係なかったりするのだけれど、何故マレフィセントはオーロラ姫に呪いをかけたのか、王の裏切りにあったマレフィセントは彼の最愛の人に呪いをかけたのだ。ここで何故マレフィセントはオーロラ姫を呪い殺すなどのものではなかったのか、目覚めぬ眠りを迎えるそして真実のキスで目が覚めるというものにしたのか。そこにマレフィセントの良心が隠されていたりするのだけれど、彼女は悪役になりきれない悪役だったりする。某王国心でもマレフィセントが主人公を庇って敵に立ちはだかるというシーンがあったりするのでやはりそういうことなのだ。
「おぉ〜、ドラゴン!全モンスターの憧れなんだゾ!」
「クールだよな〜……どっかの狸と違って」
なんだ、エースという青年の顔つきが変わった気がする。なるほど、やはり自分たちに近付いてきたのはなにか裏がありそうだな。