青春白書
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キーンコーンカーンコーンと、全ての授業が終わりを告げる。その音とともに、生徒が号令をかけて、本日の学校は終わりだ
「起立ー礼ー着席」
「さようならー」
帰りのHRを終えた生徒たちが、各自放課後の時間を有意義に過ごし始める
「あ、色羽ばいばーい!」
「はい、また明日っ!」
そんな中、ガタガタと音を立てて小走りで教室を抜け出す姿があった
「……」
「……」
また、その姿を見つめる二人がいた
25.交差する思考
レジスタンスに会ってから、みんなの士気はマックスだった。絶対勝つ、勝ち続けるんだ。そのためには、もっと強くなければ!……なら練習だ。と、このように好循環だ
サッカーボールを持って、手の中にあるボールを見つめる。……練習したって、どうせ出れない、んだろうな。「はぁ」と無意識に溜息が出ていたのか、倉間君が横から「おい」と声をかけてきた
「く、倉間君」
「パス、出せ」
「え、」
「チッ、早くしろよ」
「え、あ、は、はいっ」
急に話しかけてきたかと思えば、倉間は颯爽と去っていく。慌ててその背中を追いかけた
「……色羽のプレー変わった?」
「そんな気がするよな……」
「……確かに。なんであいつ、あんな顔でサッカーしてるんだよ」
「……こんな時にあれだけど一乃も相当だよね」
「青山、どういうことだよ。………青山?」
「ぁ、い、一乃、……こっち、見てる」
「、ッ!」
こちらを見る瞳が大きく開かれた。片目だけだが、視線はこちらをとらえている。思わず息をのんだが、ふいっと視線が勝手に逸れる。まだ、直視できないのだ。彼女の眼を
第二グランドで練習する彼らを、思わず足を止めて見てしまっていた。あまりの気まずさに、思わず立ち去ってしまった
「一、乃君……と青山、くん」
ぽつりとつぶやいた言葉を拾ったのは、近くにいた倉間だけだった。なんだか無性に腹が立ったので、足元にあったボールを蹴り上げる
「練習中にぼーっとしてんじゃねぇよ、ばか」
背中あたりにあたればいいか
そう考えて、ボールを目で追っていた。が、しかし。そのボールは見事、彼女の首裏……後頭部に直撃した
「あ」
「ぶっ!?」
「わ、悪ぃ、足が滑った」
「な、い、痛いじゃないですか!!」
「あーハイハイ。悪かったって言ってんだろ」
「な、なんでそんなドヤ顔なんですか」
「……まさか綺麗にあたるとは思わなかった」
「!?、ま、まさかってなんですか──あ、ちょ、倉間君!?」
いい薬にはなったかも。と不幸中の幸いを少し感じた倉間だった
「……円堂さん、これじゃあ色羽ちゃんが可哀想じゃないですか?」
「………今色羽 ゆうびをフィフスセクターに引き込まれるわけにはいかないんだ」
「……、10年前みたいに上手くいくか分かりませんよ。色羽ちゃんは、不動さんとは違います。周りに敏感で、仲間意識が強くて……少しだけ張り合うところもあって……、あ」
「──……根本的なところは不動と同じなんだ」
「ッ」
ブーブー
「、鬼道からだ。なんだ?」
「………」
「……、わかった」
「ゆうび、ちょっといいか?」
「え、あ、……」
このバカとミニゲームをしていたら、バカが監督に呼ばれる。一瞬ぽかんと動かなくなったあと、俺を見て「すみません、少し行ってきますね」とだけ言って、小走りで監督のところへ走って行った
……練習中に言わなきゃいけないことなのかよ
「……チッ」
「いっちゃったね~ゆうび」
「うるさい黙れ」
「ちゅーか、なんで不機嫌?」
「うぜぇ」
「だから倉間俺にひどくない!?」
「……浜野君が煽るからじゃないですか…?」
「あー!速水どっちの見方だよ~」
*******
「喜べゆうび、明日一日だけ帝国で特訓だそうだ」
「へ……」
声が裏返った。円堂監督から告げられた言葉に誰が想像したか。て、帝国に行けと?一人で?……なんで?──と、とにかく混乱している。いったん落着け、落ち着くんだ私
「……ごめんな、詳しいことは俺も分からないんだ」
「……い、いえ」
自然に地面を見つめてしまう。……もしかして私何か秘密にされてる?明日雷門でなにかあるから、邪魔、なのかな……。だめだ、考えれば考えるほど、ネガティブに陥ってしまう。
すると、ぽんぽんとあやすように頭をなでられた
「円堂さん、それセクハラです」
「え、そうなの!?」
横から春奈先生の鋭い突っ込みが決まった。円堂監督に大ダメージ!!!
おそるおそるこちらを見る円堂監督に、首をかしげると円堂監督は何かを悟ったように「これが時代か…」と呪いのようにつぶやいていた
話が終わったようなので練習に戻らせてもらった。戻ると霧野さんが「何の話だったんだ?」と聞いてきたので、明日のことを話すとすごく驚かれましたとさ。神童さんは何か事情を知っているらしく「気をつけるんだぞ」と背中を押してくれた
……あれ、そういえば私一人で帝国に行くの?
ちゃんちゃん
(あ、雅野君からメールが……え、明日朝から?学校は?え、え……公欠!?そんなので公欠もらっていいのですか!?)
今日も、また幼馴染からの連絡はなし