アル美奈SSログ


「アルテミス、ここに座って」
「何かくれるのか?」

言われた通り美奈子の前に座るアルテミス。

「左手、いや、左前脚上げて」
「これで良いか?」
「そう!まねき猫アルテミス♪」
「にゃ?」

何かくれるのかと従順に従ったが、やはり美奈子は美奈子だった。

「何させるんだよ!ところで何でまねき猫なんだ?」
「アルテミス!猫なんだから福招きなさいよ!」

アルテミスと出会ってからというもの美奈子は不幸に見舞われ続けている。そう感じていた。
初恋の東先輩は妖魔だった為、殺さなければいけなかった。斎藤先輩や音鳴、媒酌にはそれぞれ好きな人がいて成就しなかったりと散々だった。不幸のレベルを超えている。
セーラーVになってから散々だと思わざるを得なかった。恋をしても振られ続け、彼氏ができない。
それは即ちアルテミスのせい。

「彼氏が欲しいのに出来ないんだもん!」
「美奈は正義の戦士セーラーV!そんなものは今は必要無いだろ?丁度いいじゃないか。戦士として頑張れってことさ!」
「なぁんですって!歳頃の女の子に恋するな!なんてそんな酷いこと、よく言えるわね!この薄情猫!」
「君は選ばれた戦士なんだ!自覚を持ってくれ」
「福を招いてくれたらやる気出すわ!彼氏作らせなさい!Aと成就出来るようにまねき猫になって」

猫なのにちっとも福を招いてくれない。
そう嘆いて聞く耳を持たない美奈子だった。




おわり

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