｢ごちそうさまでした♪｣

ある日の休日のお昼ご飯を慌てて食べ終わる。

｢ちゃんとご馳走様言えて、こうさぎ偉いぞ｣
｢えへへぇ～♪｣

パパに褒めて貰っちゃった♪
優しくてかっこよくて、ママとラブラブで大好き♡

でもお医者さんでふてーきだからあまり会えなくて、寂しい。
今日はおやすみみたいだけど、知ってたら予定入れなかったのに。残念すぎる。

｢食べるのだけは早いわよね。普段はママ譲りののろまなうさぎの癖に｣
｢おねーちゃんひどーい！｣

ほんとのこと、痛いところを付かれちゃった。
おねーちゃんは頭がよくて、しっかりしててカンペキなあこがれのひと。
だけど、こおしていじわるなことをよく言ってくる。そこはいやだ。

食べることは大好き♡だからいっぱい食べる。
食べるスピードもいつも早い。
だから今日もいつも通り早い。
けど今日は特別早く食べていた。

｢これからミナちゃんたちとあそぶんだもん！｣
｢ああ、置いていかれないように早食いしたのね｣

さすがはおねーちゃん、あたまの回転がはやい！
早く行かないとおいてきぼりになっちゃう。
パパともっとおしゃべりしたかったのに。残念すぎる。

｢いってきまーす｣
｢とろとろして迷惑かけんじゃないわよ｣

待ち合わせにはまだ時間がある。
でも、万が一のことを考えて早く出た。
またおいてきぼり喰らいたくないもんね！
私も早く行けるんだってとこ、見せるんだ！

……って意気込んで張り切ってたのに、結局おいてきぼりをくらってしまった。
道すがら、気になったものに夢中になってしまったから。これは私の悪いくせだ。
だけどどぉしてもやめられないの！
今日もいつもの道なのに気になることが色々あった。
はにーとらっぷってやつなんだと思う。
ダメだって分かってるのにとめられない。
ひろい食いもしちゃった。
そうしてるうちに時間はどんどんすぎてった。

待ち合わせの公園に着くと、時間はとっくにすぎてて。とおぜん、ミナちゃんたちのすがたなんてなくて……。
ああ、やっちゃった……っておちこんだ。
次こそは！ってその時は思うんだけど……。
次になればまたきれいさっぱりかこの反省はすっかり忘れてて。
これの繰り返し。
そりゃあ4人もあきれるよね？
置いていきたくもなる。
逆の立場だったら私も置いていくもん！

｢ごめんね、みんな｣

ブランコに乗って、いない4人にあやまる。
もちろん、いないから届かないのはわかってるけど。

｢もっとしっかりしなくちゃな、おねーちゃんみたいに｣

｢ちびちび♪｣

落ち込んで反省していると誰かに話かけられてハッとなってうつむいていた顔をあげた。
そこには見た事ない女の子が立ってた。