グロリアス


同じクラスで心臓が弱く、登校自体も稀で会えたらラッキー位の勢いのロシア人とのクオーターで容姿端麗、学年一押しの隠れたアイドル、美少年の音鳴舞句くん。

またまたどことなぁくクンツァイトに雰囲気が似てた事に気づいた身体の弱い音鳴くん。

お近付きになりたくてあの手この手で話しかけたけど“でしゃばり女”ってレッテル張られて、結構いい性格してたけど、それは身体が悪くて楽しむ事が怖いが故の予防線だったんだって私は分かってたから。

クラスに仲のいい子がいなかったのもなかなか来なくて取っ付きにくいのもあったんだろうけど、身体が悪い自分といても気を使うだけで楽しめないと思ったから自ら嫌われようとしてたんだってことも今となっては分かる。
本当はサシで喋るとずっと優しい人だったから。

それでも私は“諦める”って言葉が1番嫌いだから元気になって欲しくて音鳴くんの大好きなカラオケに通って持ち歌100曲作る為にマラソン大会の練習サボってまでボックス通い詰めたり、ロシアに伝わる持っていたらどんなスポーツでも1位になれるってハチマキ石も探しまくって、押して押して押しまくってたのに!

約束通りマラソン大会で1位取って生きる事の素晴らしさを教えてあげるって意気込んでたのに!

確かな手応えを感じてたのに…

まさかロシア人のペンフレンドにあっさりと持って行かれるとはあの時は夢にも思わなかったわ。

何よ、中一で結婚の約束って?

こんなに頑張っても報われない事ってあるんだってとても勉強になったわ。

でもこの時のボックス通いのお陰でアイドルを目指すのに必要な歌唱力は確実に上がったし、そこは感謝だし無駄な時間じゃなかったわね。

楽しいかけがえのない時間をありがとね、またまたクンツァイトに似ていたロシア人クオーターの音鳴くん。
ロシア人の婚約者と末永くお幸せに!

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