グロリアス


親友のひかるちゃんと歩いてたいちょう並木が凄く綺麗な並木道で不良に絡まれてる所を助けてくれた同じ中学出身だった斎藤先輩、まさに少女漫画的出会いだったロン毛が似合うイケメン王子様♪

助けて貰ってからずっと斎藤先輩の事を考えていたし、恋煩いして出会った並木道に通いつめる程ハマってた。

2回目に会って間近でお喋りした時“誰かに似てる”って思ってたけど、その時はまだ思い出せずにいて、顔が良いからその時ハマってた男性アイドルに似てるんだと思ってたんだけど、前世の記憶を取り戻してダークキングダムとの戦いの中で必然的に誰に似ていたか思い出した。

クンツァイトだ!

前世でもプリンセスに地球人と恋をしてはいけないと言いつつ私自身も叶わぬ恋をしていた想い人。

ずっと封印していた想いだったのに、偶然にもそっくりな人に想いを寄せてしまっていた。

私はきっと自分より強くてリーダーとして慕われていて、それでいて硬派で、そしてこんな感じの顔がどストライクでタイプなんだと確信した。

人間化したアルテミスも似てたからなぁ…。

斎藤先輩が手下達に「手ぇ出したら許さない!」って言って去っていった姿はかぁっこ良かったし、何より「よろしくっス美奈子さん!」って手下がハモって慕ってくれた時、気持ちよかったなぁ~。
アレも今考えると前世でリーダーやってたから体が部下達に慕われてたことを覚えてたのかもしれないわね。

だけど好きだから分かっちゃったのよね。
斎藤先輩にはずっと想ってる人がちゃんといるってことを。

偶然岡本先生と歩いていた所に出会った斎藤先輩はどこか寂しそうな顔をしていた。
それを見ていて心臓が締め付けられてとても苦しかったし、切なかった。

喧嘩でしか伝えられなかった“好き”と言うたった2文字の短くて難しい想いを消化できず、そんな斎藤先輩を見ていられず、考えに考え抜いた結果、私は斎藤先輩の想い人である“おかっぴー”に変装して止める決意をした。

まさかおかっぴーである私に気付かず告白した流れでキスまでしてくる展開になるだなんて思ってもみなかった。

アレ、私の大切なファーストキスだったのよぉ~!
返して!とも、責任取って!とも言わないわ。
少なからず好きだった人からの突然のキスだもん、私にとっても美味しかったわ。

お陰でこの後の戦いはターボ全開バリバリで戦えたし、いい思い出として心の片隅に残すことが出来た。

斎藤センパイ、今でも思い出すとすっごくすっごくこんなにこんなに好きだって思えるけど…

人を好きになるって楽しい事だけじゃなくて、自分の想いが伝わらない、両想いじゃない切なさや悲しさを教えてくれた斎藤センパイ、ありがとう、そしてさよなら!

正真正銘の私の初恋、そしてファーストキスの相手の斎藤センパイ!

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