それぞれの道
学校からの帰り道、見覚えのあるロングの金髪に赤いリボンの後ろ姿を見かけて声をかける。ーーそう、美奈だ。
彼女とは小学校からの大親友。
美奈の事はずっと傍で見てきたから何でも分かってるつもり。
出会った時から彼女は明るく元気で活発な女の子。
でも中学入ってしばらく経ったあたりから少しずつ変化が現れだした。
表向きは変わらず元気な美奈だけど、あれだけ大好きで熱中していたバレーを辞めてしまったり、何故か忙しそうにしていたりして。
変わらず活発で元気にしていて表立っては変化に気付きずらいここ2年の美奈だけど、いつも見ていたから薄ら何となく違うなって雰囲気で気づいた微妙な変化。
何処と無く違う、そう感じてしまった。
何も話してはくれないからこっちも聞けずに今まで来てしまった。
“親友”だと思ってたけど、違うのかな?
今まで何でも話してくれていたから寂しく思ってしまう。
“恋多き女”ですぐ人を好きになる美奈は恋愛の事も何でも話してくれる子だった。勿論今もよく恋バナをしてくれる。
頭が悪い(って失礼)彼女は成績が悪い事も包み隠さず話してくれる。
趣味の事から家庭のことから何でも……。
でもそんな何でも喋ってくれる美奈が話せない秘密が何かある、そう肌で感じていた。
親友の私にも簡単に話せない何か……。
それを知ってしまうともう後戻り出来ない、そんな予感も感じてた。
あからさまに違うと思ったのは今からほんの半年ほど前の事。
何処で知り合って仲良くなったのか、他の学校の子数人と仲良くなったと楽しそうに話してくれるようになった。
他の学校の子と仲良くなるのは変な事でも悪いことでも無い。
ましてや社交的でコミュ力の高い美奈だからおかしな話でも全然無い。
でも、とても嬉しそうに話して生き生きしてるし、何故か分からないけど前からの知り合いで強い絆で結ばれている様に感じた。ーーそう、私が入り込める隙がない感じ。
そんな事を漠然と、釈然としない頭で悶々と考えていると、あっという間に中学3年になり、受験の年になった。
この機会に美奈と進路について色々話したいと思っていたから、帰り道に見かけて思い切って話しかけてみた。
美奈自身も話したいと思ってくれたのか、快諾してくれた。良かった、忙しくないみたいで。
適当な喫茶店に入り、進路の話を進める。
聞くところによると成績の問題で行ける所が限られてる事に悩んで躓いていた。
まぁそうだよね。先ずはそこが重要だわ。
でも、多分それを抜きにしても高校は別々になりそう。それは大体想像出来ていた。