ひかるちゃんSSログ


『まだアプデしてないの?(ひかる)』

「美奈、誕生日おめでとう♪」

学校へ行くとひかるちゃんが一目散に私の所にやって来た。
今日は私の誕生日。だから一番最初にお祝いの言葉を言いに来てくれたの!
やっぱり持つべきものは親友よね♪

「ありがとう、ひかるちゃん」
「はいこれ、誕生日プレゼント♪」

そう言って渡してきたのは薄っぺらい可愛い封筒。手紙?現ナマ?

「ありがとう♪なになに~?もしかして、現ナマ?笑笑」
「そうそう、五千円分の図書カード!これで参考書買って受験勉強頑張ってね!」
「マジ?参考書じゃなくて漫画じゃダメ?」

図書カードなのは嬉しいけど、参考書と聞いてたじろぐ。ベンキョウキライ。
亜美ちゃんとそっくりな見た目のひかるちゃん、性格まで似て来た気がする。
家ではママが厳しいし、プライベートでは亜美ちゃんが勉強の鬼だし……。
その上学校でも勉強にうるさい人がいると、どこに行っても針飲むしかないって奴よ。癒しが欲しい!

「なぁんて、嘘よ♪図書カードじゃないわ。開けてみて!美奈がいっちばん欲しがってたやつだから」
「違うんだ……。私が一番欲しいもの?何だろ?」

図書カードじゃないと聞き、かなりホッとした。じゃあ何でこんなに薄っぺらいんだろう?
薄っぺらい物を欲しがった記憶なんてないんだけど。
って言うかノリツッコミがキツい。
そう思いながら中身を開けると、意外なものだった。

「って、えぇ?なに○男子のライブ?うっそ、マジ?取れたの?」
「そうなの!2枚取れて、一昨日発券してきた所なのよ!」
「すっごぉ~い!嬉しい♪私、チケット取れなかったから絶望してたのよね。ひかるちゃん、ほんっとにありがとう♪」

ひかるちゃんからのプレゼントはまさかのなに○男子のライブチケット。
通りで薄っぺらいわけだわ。
キッつい冗談の後ってのもあって、喜びもひと砂糖。
今をときめくアイドル、ジャ○ーズ事務所イチオシでもうすぐデビューのなに○男子のライブチケットなんて中々取れないレアチケット。
それを入手するんだから、流石ひかるちゃん、只者じゃないわ。一生頭上がんない!

「どういたしまして♪美奈なら大喜びしてくれると思ったわ」
「いや、ほんっとに神様♪私たち、一生親友よ」

あぁ、楽しみ♪生きる!絶対、生きるわ!
どんな強大な敵が今現れたって死ねない。

「美奈、大袈裟。でも、生でなに○男子のみんなが見れるのよ♪楽しみよね♪♪」
「ほんそれね!関西が拠点だし、中々見れないから貴重♪漏れなく全員を拝みたい!」

そう、彼らの拠点は名前の通り関西。
レギュラー番組も関西でやってて、リアルタイムでは見れなくてネット配信組。
アイドル雑誌も買うけど、当然だけど動いたり喋ったりなんてしない。結成されてからずっともどかしい思いをしていた。
当然、デビュー出来るから人気も最初から高くて、ライブのチケットも中々取れない。
東京の番組には全員揃って出てくれなくて、単独が多い。
学生だからお金なんてないし、遠征も叶わない。
ずっと歯がゆい想いをしてきたからこのチケットは本当に貴重!天からの恵みと言っても過言じゃない。
戦士として頑張って来たご褒美(勉強じゃない事だけは確かと自覚してる)なんだって思う。

「早く見たいわね♪」
「うん、早くみんなに会いたい♪」

プリン食べすぎてお尻プリンプリンな王道アイドル、リーダーのはっすん。
俳優としても実力のある大吾くん。
熱狂的オリッ○スファンの丈くん。
美容に気を使うりゅちぇ。
梅田がテリトリーでいつでもいるらしい高橋くん。
ジャニーさんのスペオキで期待のエース、みっちー。
そして最年少のケント!

7人とも、美奈子が会いに行くから待っててね!
デビューおめでとう、な○わ男子!
そして誕生日おめでとう、私!

いつか私もアイドルデビューして同じステージに立つからね!

END

2021.10.22

愛野美奈子生誕祭

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