原作まもうさSSログ
『可愛い恋人』
「まもちゃんって、可愛いよね」
いつものように衛の家でまったりしていると突然うさぎがそう発した。
男である衛に可愛いとは、凡そ似つかわしくない。天然のうさぎの事だ。言葉を間違えたのかもしれない。そう判断した衛は、聞き返すことにした。
「可愛い?俺が?」
「うん!可愛い!まもちゃんが♪」
するともう一度またうさぎは可愛いを繰り返した。
聞き間違いではなかったことがこれで証明された。
だが、それと同時に疑問が湧いてきた。何故、かっこいいでは無く可愛いのかと。
「可愛いのはうさこの方だろ?」
そう、衛にとってその言葉が似合うのは発した張本人であるうさぎ、その人だ。
なのにそんなうさぎの口から可愛いと言われてもさっぱりピンと来ない。
「まもちゃんだって私にとっては充分可愛いの」
「俺に可愛い要素なんて無いけどな……」
尚も可愛いと言い張るうさぎに対して衛は、さっぱり検討が付かない。
「大好きなチョコを冷蔵庫に常に保管してるところ♡」
「へ?チョコ?」
予想の斜め上の答えに衛は驚きを隠せ無かった。
容姿や仕草だと思っていたら、まさかのチョコを常備しているところとの返答。
「うん♪私が来たら絶対、冷蔵庫からチョコを色々取って持て成してくれるでしょ?切らさずに買い足してるんだな~って思ったら、可愛くて」
うさぎの言う通り、衛はうさぎが来る来ないに関わらず常に色んなチョコを切らさないよう買い足している。
そんな些細な事まで見てくれていることに嬉しくなり、衛は隣で無邪気な笑顔で笑ううさぎをギュッとキツく抱き締めた。
衛の腕の中にすっぽりと収まったうさぎは、小さな手で抱き締め返した。
互いに抱き締め合った二人は、チョコよりも甘く溶けて行った。
おわり
2023年8月7日までの初代スキ🩷お礼SS