原作まもうさSSログ
『HOWEVER』
人工的ではなく自然に発生する、柔らかな風が吹く地球。その一つであ日本の中心都市の東京と言う場所で、今俺とうさはゆっくりと永遠の愛を育み始めた。
幾千の出会い別れ、すれ違うだけの人もいた。
分かり合えないまま、慣れない街で届かぬ夢に迷いそうな時もあった。
誰よりも強いうさの隣にいたいけれど、力不足で役不足だと悩んだ時もうさは、笑顔で俺を肯定し、隣にいていいんだと必要としてくれたのは他ではない、うさだった。
あの時の事は、どんなに嬉しくて勇気を貰ったか分からない。
そんなうさに俺が出来ることと言えば、隣でずっとうさを愛して支えていくことだと思っている。変わらず、絶え間なく愛を降り注ぐ。永遠と呼べるなら、そう呼ぼう。
恥ずかしくて口下手だから言葉では中々伝えられないでいるけれど、うさと出会い、愛しさの意味を知った。
うさを幸せにしたい。それは俺の永遠であり、絶対的なテーマだ。
どんな未来になったとしても、決して離れたりしない。悲しみの涙に濡らさぬように紡ぎ合い生きて行こう。
愛の始まりに心戸惑い、そんなはずはないと初めての感情に戸惑った夏の午後。
今思えば頼りなく揺れてた、若すぎた日々の罪。
それでも敵に洗脳されたり留学したりしてどんなに離れていても、うさの事を考えていなかった日など無く、ずっとうさを感じていた。
今度戻ったら一緒に暮らそうと心に誓う。
離れていた時を埋めるため、愛を確かめるために。
やっぱり、どんな時も二人一緒がいい。そう、いつも。いつでも。
6歳の時に両親と事故で死に別れ、そこから11年近く天涯孤独だった俺は、この大都会で一人孤独に佇んでいた。心寄せる場所を探していた。ーーーそれが、うさと言う存在だと、大切な人だと愛しく思った。
「出会うのが遅すぎたね……」
泣き出すうさに、俺の生い立ちや前世の事に寄り添ってくれているとハッとした。
同じ土地に住んでいながら、中々会うことが出来ずにいた。そんな遠回りさえ一片の人生。
数々の戦いの中や分かり合えずぶつかって傷つけてしまったうさに、今告げよう。
「誰よりも、愛してる」
これからも変わらず、うさへ俺は絶え間なく愛を降り注ぐ。それを永遠と呼べるなら、そう呼ぼう。
恥ずかしくて口下手だから言葉では中々伝えられないでいるけれど、うさと出会い、愛しさの意味を知った。
恋した日の胸騒ぎを 何気ない週末を
幼さの残る高くて可愛いその独特の優しい声を
優しい中にも凛とした強くてブレない気の強い眼差しを
うさを彩る全てを抱き締めて、ゆっくりと歩き出す
柔らかな風が吹く、この麻布で
おわり
20220806
GLAY/HOWEVER発売から丸25周年に旧サイトに載せた話