原作まもうさSSログ
「まもちゃん、見て見てぇ~♪」
ある日大学から帰ってくると衛のマンションにうさぎが一足先に来ていた。
そしてその姿を見て衛は驚きで固まってしまった。
「う、うさ、その格好は一体……」
衛が驚くのも無理は無い。
うさぎが着ていたのはレオタードで、露出度が高い。
しかも普通のレオタードでは無く、いつものセーラー服風の戦闘服がデザインされていた。
胸には大きなリボンが描かれていて腰はミニスカートを彷彿する生地で、足元も赤いブーツを履いている風で、セーラースーツの戦闘服を忠実にデザインされているレオタードだった。
「ど、どうかな……?」
「か、可愛い……」
衛は思わず持っていた鞄を落としてしまう。
そのレオタード姿はまさにうさぎの為にあると言っても過言ではないくらい似合っていて、とても可愛い。サイズもピッタリだ。
「本当?わぁーい、まもちゃんに可愛いって言ってもらっちゃった!」
衛に可愛いと褒められ、喜びを露わにするうさぎ。
衛は喜んで飛び跳ねているうさぎも可愛いと見とれていた。
しかし、可愛いのは良いが衛には疑問があった。
一体どこでこれを新調して来たのだろうと。
「うさ、どうしてそんな格好に?」
「うん、短大のサークルで新体操部に入ったんだ♪」
衛が全く聞いていない情報だった。
何故数あるサークルの中で新体操だったのか更なる疑問にぶち当たる。
「何故新体操なんだ?他にも色々あるだろ?」
「美奈Pがね、きっと似合うと思うって勧めてくれたの!」
“美奈子の勧め”と言う予想していた嫌な予感が的中し、衛は頭を抱え、深いため息を着く。
一体何てものを勧めてくれたんだと衛は美奈子に対して“いつも余計な提案をするな!”と心の中で罵倒する。
ただ、感謝もしていた。
露出度は高いものの、スタイルのいいうさぎのラインにフィットしていてとても可愛く、映えている。
こんな可愛い生き物に出逢えて衛は心の中でガッツポーズをしていた。
まさに妖精。衛にとってのフェアリーだった。
こんな可愛いうさぎを見られたのは他でもない美奈子のおかげだった。
しかし、だからこそこんな格好でする新体操なんて衛としてはやって欲しくなかった。
衛がそうであるように、きっと他の男も下心があるに違いない。そう思った。
無意識に色気を発散するうさぎに衛の心は色んな感情と戦っていた。
「うさ、すげぇ可愛い♪」
「えへへーまもちゃん、ありがとう♪」
衛に向ける笑顔はまさに天使そのもの。
思わず体が勝手に動き、うさぎを抱き締めていた。
「でもうさ、この格好は他の奴らには見せないでくれ」
「へ?どーして?」
「いや、あのな?」
やはりうさぎは何故他の人に見せてはいけないのか、理解できない様子だった。
この小悪魔な天然がいつも衛を惑わせ困らせる原因だ。そして他の人もまたこの天然に振り回されていた。
衛は意を決して分かるように優しく説明する事にした。
「まず露出度が高い!それにぴっちりしているから体のラインが浮き彫りになる。そしてうさは可愛い。それに無意識に色気を発散させる!他の男が見たらどうなるか……」
火を見るより明らかだが、衛はそれ以上の言葉を続けるのを止めた。と言うか想像しただけでおぞましくて続けられなかった。
うさぎを見ると尚もあまり分かっていない感じでヘラヘラと笑っていて、虚しくなる。
これだから天然なお嬢様は困る。
「うさ?分かった?」
「分かった!分かった!」
軽い口調での受け答えに、絶対わかってないと再び衛は頭を抱え、ため息をついた。
これは体で分からせるしかないと衛は観念して己の欲望を解放する事にした。
「キャッ」
うさぎをお姫様抱っこして寝室へと向かうと、そのままうさぎをベッドへと下ろした。
「こうなるって事」
そう言って衛はうさぎを深く抱きし、嫌という程身体で覚えさせた。
前の戦士な下着も破壊力抜群だったが、今回の戦士なレオタードもとんでもない威力を持っているなと戦闘服の可愛さを衛は思い知った。
そして今度は一体何で来るのか?水着か?ドレスか?はたまたフィギュアスケートのウェア?それともテニスウェアか?と深く抱きしめながら雑念と言う妄想で余計にうさぎを激しく抱き締めることになってしまった。
おわり
※2021年東京オリンピックを見て書いたお話