『両親の秘密(アルルナダイアナ)』



｢ママちゃまはパパちゃまのどこが好きで結婚したのですか？｣

ある日、過去から帰ってきたダイアナは30世紀に戻り暫くしてずっと疑問に思っていた事をルナに質問した。
それもそのはずで過去では恋人関係に無いばかりか、そんな素振りすら見受けられなかった。
しかも事もあろうか、ルナは人間の男性に恋をしていた。
それを傍らで辛い思いをしながらもアルテミスはルナの恋を見守っていた。
うさぎと衛とは違い、相思相愛でどこから誰が見てもラブラブと言うわけでは全然無くて、寧ろアルテミスの一方的な片想い。
何がどうしてこうなり、自分が産まれるに至ったのかとても信じられなかった。

｢ど、どうして？｣

突然のダイアナの質問に動揺を隠せないルナ。

｢当然の疑問だよなぁ～、俺も今でも信じられないよ｣
｢ちょ、ちょっとアルテミス！｣

意味深な会話にダイアナは何かを悟る。

｢いや、単純にルナが俺を選んでくれたことがって事がさ！｣

何か言えない様なルナの秘密があるのではないかと取れる会話にダイアナは閃く！

｢ヴィーナス様に聞いてきます！｣
｢ちょっと待て、ダイアナ！それはダメだ｣

益々怪しい。絶対何かある。でも2人は絶対教えてくれないだろうとダイアナは思う。
ルナが人間の男性に恋をして、大失恋した後からこちらの世界へ帰るまでも時間はあった。けれど全く2人に進展らしい進展などなく、結局スモールレディとは違いダイアナ自身は両親のラブラブな姿は愚か、くっつく事すら無かった。
ダイアナとてそれなりに生きてきている分色んな経験をしている為、2人にもそれはそれは色々な事があって今に至るのだろうと分かっている。
分かっているけど、それだけにその色々が気になった。

｢やっぱり当然パパちゃまの猛アタックでしょうか？｣
｢ダイアナ……一体そんな言葉どこで……｣
ルナは頭を抱える。思い当たる節があり過ぎるが、そこはもうどうでもいい。
｢やっぱりそう思うよな～｣
｢バカ！余計な事言わなくていいの！｣
｢もしかしてママちゃまから？｣
｢ち、違うわよ！何で私がアルテミスなんかに猛アタックしなきゃいけないのよ！｣
｢そこまで言わなくても……トホホ｣

ムキになる所が益々怪しさが増す。
これはやはり色々あるのだと察したダイアナは、後日2人がいない時にヴィーナスに聞こうと思った。



おわり