キンモク星短編SSログ(原作版)


『あなたの香りを求めて』



プリンセス、あなたは今どこにいるのですか?何をしていますか?
私はあなたを探し、地球へ降り立ってアイドルをしています。
あなたが大好きな歌で、あなたに気づいて欲しくて歌っています。

しかし、全くあなたの気配を感じません。
それどころか、あなたが探していた月のプリンセスを、あなたよりも先に見つけました。
恋人を目の前でギャラクシアに殺られるところに遭遇してしまったのです。
また、間に合わなかった。
又しても目の前で、星の輝きが消えてしまった。

あなたを見つける為のライブで、月のプリンセスを守るセーラー戦士にも会いました。
あなたを見つける為のライブなのに、あなたでは無く敵を呼び、星の守護者達を引き寄せ、戦場と化してしまい、とても残念です。
もう、地球にもギャラクシアの魔の手が迫ってきていることを肌で感じました。

地球では極力普通に過ごそうと、男装をしたまま学校にも通う事にしました。
その学校には数多くのセーラー戦士が通っていて、みんなそれぞれ普通の学生をしながらクラブにも入って楽しそうにしていて、普通の日々に癒されています。
まるで戦争なんか無い様に錯覚すらします。
母星での惨劇が嘘のようで、これが現実で、金木犀での出来事がまるで夢の様に感じます。
学校にこれだけセーラー戦士がいるのだから、あなたもいてもおかしくは無いのではないかと思う事があります。
休み時間等にあなたを探し回る事もあります。
どこにもいませんが、どこにいるか分からないから可能性がありそうな所は探そうと思っています。
それに、あなたが助けを求めていた月のプリンセスもこちらの高校に通われているので、可能性としては充分あるかと存じます。

勿論、学校の外も歩き回ってあなたを探しています。
あなたの香りを求めて、探し回っています。
ただ、ここにはあなたと同じ金木犀が咲いていて色んな所からあなたの香りが漂って来て、困ります。
あなたの香りは、やはりとても素敵です。
あなたの香りがあるこの地球、住み心地もいいですし気に入っています。
あなたがいればもっと素敵なのに、と思ってしまいます。

あなたはまだ見つからないけれど、あなたが探していた月のプリンセス。
彼女の事は、あなたが見つかるその日まで、絶対全力でお守りすると誓います!

それより、あなたは無事なのでしょうか?
これだけ探しているのに見つからないということは……と万が一の最悪な事が過ぎってしまいます。
あなたは一人きりで旅立たれてしまった。
護衛の私たちを残してここに。本当に無事にこの星にいらっしゃるのでしょうか?とても不安に思っています。

それとも、歌い足りないのでしょうか?
もっともっとあなたへの想いを込めて作詞した方が良いのでしょうか?
あなたは言ってくれましたよね?
私が書く歌詞は心に響くと。温かくて心が籠っていて素敵だと。
ずっと、私が作詞した歌を歌っているのですが、届いていないのでしょうか?
だったら、もっともっといっぱい曲を書いてあなたに届けます。
だから、どうかご無事でいて下さい。




おわり

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