お・も・て・な・し


で、話は冒頭に戻るというわけだ。
フィオレが地球の食べ物を食べられるかは分からないが、取り敢えず楽しんでくれたらという思いで連れてきたマ○○ナルド。

フィレオフィッシュを2つ頼み席につき、フィオレに1つあげる。

「これをどうするんだ?」

やはり来たかこの質問。“食べる”と言う概念がない種族と言う事か?

「食べるんだよ」
「食べる…とは?」
「言葉を発してる部位に物を入れてあげる行為だ。ほら、こうやって」

食べ方を実際食べながら身振り手振りで教えてやるとフィオレは大分不思議そうな顔で俺がハンバーガーを食べる様をまじまじと見入っていた。

「地球人とは不可思議な行動をとるものなのだな?」

首を傾げながらも俺が教えた通り口にハンバーガーを恐る恐る運んでいく。
歯で噛むという行動も俺をまじまじと研究して見様見真似でやってのける。
分からないなりにも俺を見て出来るように地球文化に馴染もうとしているフィオレを見て暖かい気持ちになる。
見られていたその間はとても気恥ずかしかったけどな笑。

「上手だな。美味いか?」
「うま…い?」

アハハハハ、まぁ当然味の美味い不味いは分からないよな。

「フィオレの口に合うかって事なんだけど、どうだ?」
「く…ち?」
「言葉を発している部位の中に入った具合はどうかってことなんだが」
「ああ、新しい感覚だが悪くは無い」

どうにか伝わったようでホッとしたと同時に悪くない反応に胸を撫で下ろす。

「食べられそうか?」
「衛くんのお勧めなら全部食べるぞ」
「そうか、よかった」
「さっきの行動を繰り返せばいいのか?」
「ああ、無くなるまでやるといい」

地球文化に馴染もうとしてくれているのか必死でフィレオフィッシュを食してくれた。

その後、地球にいる間中マク○○ルドへ行こう、フィレオフィッシュを食べたいとことある事にせがまれ連れて行かれ、一生分フィレオフィッシュを食べるはめになり、当分はもうマク○○ルドはいいというくらい通わされた。

そしてその間、うさことはほとんど会う事が出来ず機嫌をすっかり損ね(いや、俺も会いたかったんだぞ?)、亜美ちゃんからはすっかりそっち方面だと疑われ、レイちゃんには女心について説教され、美奈子ちゃんからはネタに脅され散々だった。
それより1番怖い事はまこちゃんが何も触れてこないことだ。いっそ何か言ってくれた方が気が楽だ。何か言いたそうな顔だけに…怖い




おわり

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