Baby☆Panic
☆☆☆☆☆
レイと同じ日の夜、衛達といつものバーで待ち合わせ。
面倒を見て貰った彩都にお礼を兼ねて報告をと思い、衛達より少し先に会う事にしていた。
カクテルを飲みながら待っていると彩都が来た。
「お待たせ」
「久しぶりだな!この間は相談に乗ってもらってサンキューな。レイもお礼言ってた」
「良いのよ。亜美に話通しただけで私は特に何もしてないし。で、どうだったの?わざわざ呼び出すって事は、そういう事?」
亜美ちゃんに聞いているのか話が早い。
「そういう事って?亜美ちゃんに全部聞いてるのか?」
「いい報告なんでしょ?」
「ああ、その通り、レイは妊娠してる。確か15週目に入った所だったはず」
「そう、おめでとう。あんたが父親ねぇ~」
喜んでくれたが、嫌味な言い方も忘れない彩都に少しイライラする。
「どうも。頑張って子育てするよ」
「私も父親になるんだけどね?新米同士ね」
「ふーん…って、えぇぇ~?お前ん所の亜美ちゃんも妊娠してんのか?」
余りにも驚き過ぎて大声を出した勢いで飲んでいたカクテルが横に入って盛大にむせてしまい、バー全体に響き渡りマスターや他の客に迷惑をかけてしまった。
「ちょっとあんた大丈夫?驚き過ぎ!」
いや、普通に驚くだろ?驚かない人がいるなら是非会ってみたい。
しかも更っと何でもない風に言ってるけど、大分凄いこと発表してるが本人に自覚ないのか?亜美ちゃんの天然が移ったか?
「驚くだろ?何普通に発表してんだよ」
「そっちも子供出来たっていうから」
「それとこれとは別だろ?ともあれおめでとう」
「ありがとう」
そう言いながらお互い飲んでいたカクテルグラスをを傾け祝福の乾杯をする。
話が一段落したところに公斗が入って来た。
「2人とももう来てたのか?早いな」
「時間の融通効くからねぇ~。あんたん所の美奈子、すっかり売れっ子芸能人ね~テレビで見ない日ないわ」
「火川神社にもほとんど来なくなったからレイが寂しがってたな。その代わりテレビすっげぇ見るようになったけど」
「マネージャーがやり手で1日に何本もこなしてる。体力お化けだが流石に忙しいと心配になる」
そう言いながら席に座り、ウォッカをオーダーする公斗。
お互いの仕事の近況報告をしつつ談笑していると慌てて衛が入店してくる。
「遅くなってすまない」
「仕事忙しいんだろ?大丈夫だ。勇人もまだだしな」
医者で忙しい衛は時間関係なく忙しく、愛妻家で子煩悩な事もあり休日は家族サービスで中々会う暇がない。
勇人は青年実業家で色んな会社を起業して、まことちゃんの花屋とケーキ屋のオーナーもして大忙し。どんだけ働くのが好きなんだよアイツは…。
しばらく待っていると漸く勇人が現れる。
「すまんすまん、遅れた!って俺がドンケツ?」
笑いながら謝ってきたけど、絶対そんなにすまないと思ってないだろう事が見て取れる。
「仕事だろ?仕方ねぇよ」
「で、和永の話ってなんだ?もうみんな聞いたか?」
「いいやまだ聞いてない。お前が来るまで待ってたんだ」
「で、話ってなんだ?」
一番遅くに来たくせにせっかちな奴だ。
「驚かないで聞いてくれ。レイが妊娠した。今15週目に入った所だ」
驚くなと言ったが、やはり3人ともすっげぇ驚いていたが同時に祝福してくれた。
「そっかーお前パパになるのか?レイちゃんの代わりに神社の仕事頑張れよ」
「育児仲間が出来るってうさが喜ぶな」
「しっかりレイさん支えてやれよ」
三者三様の言葉が返ってきた。
「彩都は驚かないんだな?」
勇人がすまして聞いていた彩都にすかさずツッコミを入れる。
「先に聞いた。それにうちの亜美も妊娠してるから」
またサラッと何でもない風にカミングアウトしてる彩都に呆れてしまった。
案の定、3人とも驚き過ぎてカミナリに撃たれたみたいに固まってしまった。
「彩都ん所も赤ちゃん出来んのか?」
勇人が聞き返す。
「そうよ、今21週目」
「2人同時にパパか。凄いな」
「そう?妊娠や生理って親しい人に移りやすいって亜美が言ってたから普通の事だと思ってたけど」
またサラッとトンデモ発言してきたよコイツは…。
俺も衝撃だったけど、3人も衝撃を受けて驚いてる。
「マジか?そんな話初めて聞いたぞ」
「まぁ私もこの間初めて亜美から聞いたんだけどね?勇人たちの所も妊娠してる可能性あるんじゃない?それぞれ嫁に聞いてみたら?」
もしそれが本当で他の3人の所もそれぞれ妊娠していたらみんな同時に父親になるってことか?凄いな…
「あぁ…うちは可能性低いな」
1番可能性の高そうな衛が残念がる。何でだ?
「何でだよ?やって無いのか?子育てでやらせて貰えずご無沙汰ってか?可哀想に…」
勇人って奴はストレートに聞いてデリカシー無しか?
「いや、ちゃんとやってるよ。心配はいらない。ただ、ちびうさだけでも苦戦してるから2人目が出来ないようにゴム付けたり、極力中出ししないよう配慮してる。2人目欲しいけどもう少し先でいいと思ってる。うさの負担は増やしたくないからな」
なるほど相変わらずうさぎには紳士で優しい奴だな、感心するわ。
「そうか残念だな。美奈子は忙しくしてるから特に変化は無いが…聞いてみるか」
「何だ普通にラブラブかよ。まことは最近食欲ないって言ってるな。そういう可能性が高いってことか?」
勇人の所は心当たりがあるらしい。
「勇人達の所も妊娠してたらうち以外は同級生か…俺も今から頑張ればギリいけるか?」
「おぉ?頑張って仕込むか?」
衛の所も2人目欲しがり始めた。
うさぎが欲しいなら余裕だな。
俺ら男性陣は年齢バラバラだからどっちでもいいが、女性陣はみんな同い年だ。子供も同い年で同じ学校に通わせたいに違いない。
「今日の昼はレイがみんなと会って話してるから同じような話しになってるかもな?」
「かもね?話は早そうね」
その後改めて5人で祝福の乾杯をして久しぶりの5人での再開にトークに花が咲きしばらく話し込んだ後お開きになった。
凄い展開になったけど、報告が出来て一安心だ。
後は公斗と勇人の所の結果がどうなるかと衛の所…だな。