Baby☆Panic


数日後、いつもの喫茶店で美奈達と待ち合わせ。

成人して各々仕事をしてみんな結婚もして5人揃う事は以前と比べると本当に少なくなってしまった。

こういう大切な話がない限り滅多に5人で会うこともなくなってしまった。

亜美ちゃんは医者で土日祝や昼夜関係ない生活、美奈も夢だったアイドルを経てバラエティ番組に引っ張りだこの芸能人で忙しくしてるし、まこちゃんは花屋とお菓子屋さんを経営して大忙し、うさぎは一足先に子供を産んで子育ての真っ最中で働く余裕もない。

第一あのうさぎよ?衛さんが働かせるわけないわ。色々心配で仕事も手につかないと思うと同情案件ね。

私はずっと火川神社で働いているからみんな暇な時は近況報告兼ねて遊びに来てくれるけど、学生時代と比べるとめっきり減ってしまった。正直、寂しい。

だからこういう報告はみんな集まってちゃんと面と向かって報告しておきたかった。

美奈達と会う前に少し時間を早めて亜美ちゃんと会う約束をした。

オーダーしたレモンティーを飲みながら待っていると亜美ちゃんがやって来るのが見えた。

「レイちゃん、遅くなってしまってごめんなさい」

「大丈夫よ。仕事大変そうね?無理しないでね」

「そうね、ありがとう。レイちゃんの方こそ気を付けないと!一人の体じゃないんだし」

心配したら逆に心配されてしまった。
婦人科の先生に聞いたのかしら?

「そうね。亜美ちゃんの言う通り妊娠してたわ。15週目に入った所」

「おめでとうレイちゃん」

「色々してくれたのに報告が遅れてごめんなさいね。直接会って報告とお礼がしたかったの」

「いいのよ。レイちゃんにも子供が出来て嬉しいわ!」

「ありがとう。私にもってどういう事?」

「実はね、私も今妊娠しているの。21週目よ」

「えぇぇ!?そうだったの?おめでとう」

だから最初から婦人科を紹介してくれたのね?

「ありがとう。相談された時真っ先にレイちゃんももしかしてって思ったのよ。間違ってなくて良かったわ」

頭が良くて優秀な医者な上に自分も妊娠しているから症状聞いてすぐにわかったのね。体調が似ていたのかしら?流石亜美ちゃん、頼りになるわね。

「うさぎちゃん達には?」

「皆にも今日言おうと思って連絡したから、もうすぐ来ると思うわ。その前に色々お世話になったから先に亜美ちゃんには報告しておきたくて。でもタイミングが少し前なだけでごめんね」

「そうだったのね。大丈夫、気にしないで。みんなと久しぶりに会うの楽しみね!」

笑顔でみんなとの再会を楽しみにしている亜美ちゃんを見てホッとした。

「そうね。亜美ちゃんの方こそはみんなに報告は?」

「私もまだ言えてない。今日みんなに言う事にするわ。レイちゃんの方が先でいいから気にしないで」

そんな話をしているとまこちゃんが到着した。

「レイちゃん、亜美ちゃん久しぶり~」

挨拶しながら亜美ちゃんの横に座る。

「話ってなんだい?」

「美奈とうさぎが来たら話すわ。何かオーダーしたら?」

このふたりが時間通りに来た試しがない。

美奈は多忙なスケジュールの合間だから仕方ないとしても、うさぎは何でいつもこんなに遅いのかしら?子育てってそんなに大変なのかな?あのちびうさなんだから手はかからなさそうだけど、ドン臭くて天然だから?

そんな事考えてるとうさぎと美奈が一緒に到着した。

「ごめんごめん遅くなっちゃって~、てへへ」

「いいわよ。いつもの事だから」

うさぎの遅刻癖は一生治らないと諦めてる。

「私も遅くなっちゃった。収録が押しちゃって…。慌てて走ってきたら同じく走ってるうさぎを見かけて一緒に来たの」

そう言いながら空いている私の隣に美奈とうさぎが座ってきた。

「相変わらず忙しそうね、売れっ子芸能人は」

「マネージャーがやり手でね~仕事いっぱい取ってきてくれるのよ。楽しいから有難いわ~」

「すごい活躍してるよなぁ~流石美奈だな!所でレイちゃん、みんな集まった事だし、そろそろ本題の話にいかないかい?」

美奈とうさぎの到着で漸く5人揃い、報告する時が来た。みんな私にすっごい注目してる。

「あのね、私今妊娠しているの。15週目に入った所よ」

一気に必要な事を報告するとみんな驚いた顔をしていたけど、みんな笑顔になって「おめでとう」と祝福してくれた。

「レイちゃんもとうとうママになるのかぁ~分かんない事あったら何でも聞いてね!私、先輩ママだから」

「ありがとう。分からなくなったら相談乗ってね」

得意気に言ってくるうさぎだけど、ちゃんと子育て出来てるのか不安。

「和永っち喜んでたでしょ~?色々目に浮かぶわ」

「喜んでたわ。名前決めなきゃとか、性別どっちかって色々はしゃいでた」

「和永さん、いいお父さんになりそうだもんな」

「子育て協力してもらわないと」

黙って聞いていた亜美ちゃんが、一段落したところで報告があると口を開いた。

「実は私もね、妊娠しているの。私は21週目よ」

亜美ちゃんの突然のカミングアウトに3人とも驚きながらも喜んで祝福していた。

そりゃそうよね?一気に2人も妊娠報告だから驚きも2倍よね。

「おめでとう亜美ちゃん!亜美ちゃんもママになるんだね~」

「Wおめでたか~。そうと知ってたらケーキ焼いて花束も持ってきたのにぃ~」

「2人の子どもは同級生って事になるって事よね?」

「そういう事になるわね!でも美奈達ももしかしたら可能性なくも無いんじゃないかしら?」

「どういう事?」

「生理や妊娠って周りや親しい人に伝染るって言うじゃない?心当たり無い?」

そんな事考えもしなかったけど、確かに生理に関しては心当たりがあった。みんなと被ることもしばしばだった。

と言う事は全員妊娠してる可能性があるって事?子供達も同い年になるって凄いわね。

「言われてみれば最近生理遅れてるな~と思ってたけど…マジ?忙しくて体のバランスおかしくなっただけかと思ってた…」

「私も最近食欲なくて…」

「私は無いな~。今生理中だし」

驚いた!美奈とまこちゃんは心当たりがありそう。うさぎは全く違うみたいだけど、偶然でももしそうなら凄いわね。母親になるタイミングまで同じなんて運命感じるわ。

「じゃあまこちゃんと美奈は病院で1度見てもらった方が良いかもね。レイちゃんも紹介してあげたのよ。2人にも紹介するわよ?」

亜美ちゃんの営業力に感心する。

「もし美奈P達も妊娠してたらみんなの子供が同級生なのか、羨ましいなぁ~私もみんなと同い年の子供が欲しいな…」

うさぎが残念そうに言う。

「今から頑張ればうさぎにも可能性あるわよ?」

「そっかぁ~美奈Pあったまいい♪」

美奈の提案に喜ぶうさぎ。
こればっかりは運だと思うけど、亜美ちゃんの説を信じればもしかするともしかするかも?

この後も色々トークが弾み、みんなに子供が出来たら中々遊べないからと言って喫茶店を出てレストランに移動し夕飯を一緒にとって時間の許す限り遊んだ。

夜は和永が衛さん達と会う約束をしていたし、ちびうさはうさぎの両親に預けて見てもらっているとの事でみんなも自由な時間が出来ていた。

久しぶりに5人ゆっくり出来る時間が出来て凄く楽しかった。

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