浮気疑惑浮上!


ネフまこ

バイトが長引き、すっかり遅くなってしまい急いで彼女の家へ向かおうとしていた勇人。
特に約束している訳では無いが、ただただ会いたくて、そしてまことの作るご飯が食べたくて、もう夕方に時間があれば行くのが日課になっていた。

まことの家に着いた勇人はインターホンを鳴らすと「開いてるよ~」とまことの声が聞こえたので、遠慮なくドアを開け入ると、玄関には見覚えのないスニーカーが置いてあり疑問を抱く。

「誰か来てるのか?」

リビングを覗くとソファーに座り優雅にまことが入れた紅茶を飲んでいる男の姿が目に飛び込んできた。あまりの出来事に絶句し、瞬時に戦闘態勢に入った。
事と場合によってはやり合う覚悟だ。

「誰だ?」
「おいおい、随分な挨拶だな」
「答えろ!まこととはどう言う関係だ」
「そうだな、特別な関係…とだけ言っておこうか?」

瞬間、頭に血が上った勇人は男に襲いかかろうと勢いよく拳を振り上げた。
しかし、その手を掴まれて身動きが取れなくなり、行き場の無い怒りを抑えられず動揺しながら振り返る。

「おっと、間一髪!はるかさんは女性だから殴るなよ?」
「へ?」

まことに制止され、しかも女だと言われ、変な声が出る勇人。

「見た目が男性に見えるけど、レッキとした女性。天王はるかさん、外部太陽系リーダーのセーラーウラヌスだよ」
「セーラー戦士?マジか?」

段々冷静になってきた勇人は、状況把握をしようと必死に頭を働かせる。

「何でそんな人がここに?」
「みちるさんが1人で演奏の遠征で暇だから遊びに来てくれたんだ」
「初めまして、天王はるかです。お話は常々聞いてますよ」
「…ああ、どうも。円城寺勇人です。先程は女性とは知らず殴り掛かろうとしてすみませんでした」
「いや、全然。僕も意地悪く言ったからね」

血が上りやすい勇人も勇人だが、意地悪な言い方をするはるかもはるかである。
兎も角、訪問者がいるなら事前に伝えといて欲しいと思う勇人だが、いつも突然当然の様にまことの家に来るのも悪いと反省するに至った。

この後、3人で仲良く夕飯を談笑しながら食べたのであった。

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