浮気疑惑浮上!
ゾイ亜美
優雅に休みの午後を喫茶店で紅茶を飲みながら過ごしていた彩都。
いい天気ね~なのにこんな日も引きこもって勉強なんて体に毒なのに亜美ったら何考えてるの?と心の中で思っていると、信じられない光景が目に入ってきた。
何と男の人が運転しているバイクの後ろに亜美が乗っているでは無いか!
男の人に触れられたら蕁麻疹出てしまうくらいで、彩都自身もキスをしようと何度も試みるもその度蕁麻疹が出てまともにキスが出来た試しが無い。
ましてやハグも夢のまた夢で出来ずにいた。
それがどうだろうか?信号待ちをしている2人を見ると当たり前だが思いっきりバックハグしているではないか?
男の人にしがみついているのに蕁麻疹は出ないのだろうか?蕁麻疹が出ないのならば、一体どんな関係の男なのか?
父親?親戚のお兄さん?…考えたくはないが、元彼と言う事だろうか?とありとあらゆる可能性を思いめぐらすも、いずれにせよショックで思考回路は考えることを放棄した。
そして一旦冷静になり、紅茶を飲んで落ち着かせようとティーカップを取り、口に入れた。心ここに在らずなのか、さっきの光景のせいで全く味がしない。
しかし、紅茶を一口飲んだお陰で停止していた思考回路が動き始める。
1人で考えててもいい方向には行かないと思い立ち、誰かに相談しようと考えた。
四天王…はダメだ、役に立たないどころか漏れなく笑われる事間違いない。こういう時に役に立つ人物と言えば…
「もしもし?衛?」
「あぁ、どうした?彩都」
「実は今ね?かくかくしかじかでね?」
取り敢えず先程見たままの光景を手短に説明する。
「アハハハ!亜美ちゃんが浮気?無い無い!」
「ちょっと衛!笑い事じゃないわよ!どうして無いって言いきれるのよ!あの子、可愛くて優しいから持てるのよ?あんたにはうさぎしか見えてないんでしょうけど!」
衛にまで笑われてしまい、完全に宛が外れてしまいテンションは更に下がる。
「亜美ちゃんが一緒にいたのって多分はるかさんじゃないかな?」
「はるか?誰よそいつ!」
「セーラーウラヌスだよ!バイクレーサーなんだよ」
「セーラーウラヌスって事は女?女なの?バイクレーサーって随分とキザな仕事に就いてるのね?」
「あぁ、列記とした女性だし心配しなくてもいいよ。亜美ちゃんはそう言う子じゃないし、親しい男友達もうさや美奈と違っていないから」
「そう、衛も苦労してるのね?」
「あぁ、まぁな…」
「ありがとう、相談して良かったわ。じゃあうさぎと仲良くね」
電話を切った後、それでも気になり、彼女にメールで確認するとやはりはるかと気分転換をしていたと返ってきた。
色々心臓に悪いからこういう事も事前に連絡しておいて欲しい。
やはり彼女は恋愛偏差値が低く、男心が分かっていないようだ。