夢幻想
「スモールレディ?何処にいらっしゃるの?」
マーズの呼ぶ声がして、ハッと我に返るとパパの部屋にいる事を見つかってしまった。
「こんな所にいらしたの?ご自分のお部屋に戻るのよ!」
マーズに怒られちゃった。
「ごめんなさーい」
慌てて謝りながらマーズを見ると、お兄ちゃん達の方を見て固まっていた。
「ジェダイト…」
「やぁ、相変わらず君は美しいね!そして厳しい」
「どうして…?」
「そこのおチビちゃんがね」
驚きながらもじぇだいとと話しているマーズは何だか楽しそうに見えた。
「マーズ?スモールレディは見つかったの?」
マーズを追って少し遅れてすっごい剣幕でヴィーナスが入ってきた。
「相変わらずお前は慌ただしい奴だな」
「って、えぇ?く、クンツァイト?どうして?」
「そこの姫君がな」
「うっそぉ~マジで!?」
ヴィーナスも驚いてたけど、何だか嬉しそう。
「あっ!いたいた」
「みんなキングの部屋で何しているの?怒られるわよ?」
遅れてジュピターとマーキュリーも来て守護戦士全員集合しちゃった。
「来た来た!やっぱいい女だなぁ~」
「下心が見え透けててキモイぞ!マーキュリーは落ち着いてて知性の塊だ」
「ええ?なんでいるんだ?」
「どうやって?メカニズムってどうなってんの?調べなきゃ!」
「まぁ落ち着けよ。研究熱心はいいけど、君たちも本来は俺たちをいつでも呼び出せるんだけどな」
「そうなのか?全然知らなかったよ」
「寂しかったぜ」
「そんな柄かよ」
ジュピターもマーキュリーも驚きはするものの、やっぱり嬉しそうにお兄ちゃん達と話している。どーゆーことなんだろ?知り合い、以上の何かを感じる。
「いつでも呼び出してくれよな!」
「特に呼び出す用事はないわ!」
「相談や愚痴の相手くらいしてやるぞ!」
「バカ!そんな暇なんて無いわよ!」
「チェスのお手合わせならいつでもするよ!」
「遠慮しておくわ。あなた強いもの」
「毎日でも会いたいんだけどな?」
「まぁ気が向いたらな!」
みんなお別れのあいさつしてるみたい。
いつでも呼び出せるみたいなのにみんな何だか辛そうな顔してる。
『じゃあな』
『それじゃあね』
それぞれお別れのことばを言ったら四天王は消えてしまった。さみしいなぁ…。
「キング、ずっと持ってたのね?」
「キングにとってとっても大事な存在だからな」
「時々呼び出しては相談してたのかしら?根暗ねぇ~」
「あの翡翠、一体どうなっているのかしら?スモールレディの事と言い、調べたいこと沢山出来ちゃったわ」
みんな切り替えが早くて付いてけない。
「スモールレディ、行きますよ?そろそろキングとクイーンが帰ってくるから、ここにいるとまずいので」
マーズがあたしの手を取ってパパの部屋を後にする。
パパの部屋を初めて入ったからもっと色々見たかったけど、みんなに見つかっちゃったのと四天王とおしゃべりして時間が経ってしまって、ちょっと残念。また入る機会は来るかな?
「スモールレディ、今日キングの部屋に入った事も、四天王とお喋りした事もお2人には内緒ですよ?」
マーズが口の前に右手の人差し指を立てて、目はウインクして楽しそうに言ってきた。
「どーして?」
「キングのお部屋に入ってはいけないことになってるでしょ?」
「そっか!そーだったね」
「でも、私達も滅多に入れないから結構楽しかったわ!根暗な趣味も健在だったし笑」
ヴィーナスは何だか楽しそう。
その後、自分の部屋に戻ったあたしは非現実的な出来事に疲れて寝てしまい、パパとママをお出迎え出来なかった。
そして、この日の出来事は昼寝の後だったこともあり、記憶からいつの間にか消えてしまい、思い出す事も無く石の存在も覚えてなかった。
おわり