秘めた想い


side四守護神

プリンセスと私達は、ずっと一緒だった。
プリンセスが産まれる前から、クイーンからの命を受けてからずっとこの命はプリンセスの為だけにあるのだと、そう誓っていた。

時には友達の様に、時には母の様に、時には姉の様に接して来た。
これからもその関係は続いていくのだと、漠然と思っていた。

しかし、プリンセスが地球に降り立ち、地球国第一王子エンディミオンに恋をしてしまった事で、変わってしまった。

プリンセスの護衛にと降り立った地球。
まさかそこで、私達まで恋に落ちるなんて思ってもいなかった。

勿論、プリンセスが何よりも大切。
それは全く変わっていない。

私達は女性と言えど、戦士。
プリンセスを護る為の戦士。

恋をして、女性としての喜びを知るなんて……
こんな事、あってはいけないことよ?

ましてや、プリンセスの禁断の恋を律する立場であるのに、恋をするなんて……

地球の王子にも私達と立場の同じ側近がいるなんて、思いもしなかった。思いもよらぬ盲点。

迂闊にも、そんな彼らに恋をするなんて……
実りなんてしない、禁断の恋
明かすことの出来ない恋
決して、明かしてはいけない恋
そっと胸に隠すだけの秘めた恋
そんな切ないだけの恋

彼らだって、王子を護る立場
恋をする事は御法度なはずで

きっと王子の側近である事に、誇りを持っているに違いない
私達だってずっとそうだった
ううん、今もこれからもずっとそうよ
プリンセスに忠実な側近
これは変わることの無い想い

プリンセスの幸せが私達の幸せ
私達四守護神の幸せは、自分達が恋をする事なんかじゃない

そう言い聞かせる度に、想いが募る
フッとした瞬間に、愛しいあの人を思い出してしまう
そして、胸が苦しくなる

あの人は今、どうしているの?
何を思い、何をしているの?
今度はいつ会えるんだろう……

護衛で必ず会えるとは限らない
誰が当日来るかは分からない
私達も順番に言ってる訳では無いし、決まっていない
その時、スケジュールの調整が可能で、行ける人が行く事になっているから

簡単に会えないと分かってるからこそ、想いが募ってしまう
今日も会えないあの人を想いながら、プリンセスの幸せを願うのだった

END

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