新婚さんいらっしゃい
ジェダレイ
「続いて最後の4組目、参りましょう」
「新婚さんいらっしゃい」
「それではお名前とお年をどうぞ」
「火野和永、27歳」
「奥さん、どうぞ」
「妻、レイ、25歳」
「お仕事は?きっかけは?」
「仕事は経営コンサルタントをしながら、神社の経営と神主をしてます」
「変わった経歴やなぁ。何で神社の神主?」
「彼女の実家が神社で。火川神社って
、麻布では有名な大きい神社をしてるので、跡取り孫娘のレイが継ぐから、婿養子に入りました」
「孫娘ゆう事は、お爺さんが経営してたんか?」
「はい、祖父が1人でしていたので、小さい頃から手伝って、巫女をしておりました。父は政治家で、継ぐと言う選択肢は持っていない人です」
「お爺さんは神社の宮司で、父親は政治家?すごい家系やな……」
「ねぇ、旦那さんは経営コンサルタントだし、神社経営もしっかりしてくれそう」
「まだまだ半人前で、いつも彼女に怒られてます」
「旦那さんはいつから神社経営を?」
「付き合って暫くしてからバイトでちょくちょくと。本格的に働き始めたのは2年前ですね」
「ちゃんと婿養子になる為に頑張ってて、旦那さん偉いなぁ」
「本当、鏡だわ。奥さんの事、凄く好きなんだね」
「そうや、でないと出来ひんもんな。経営コンサルタントも神社経営する為に?」
「そうではなかったですが、結果、役に立ってます」
「ほんで奥さん、きっかけは?」
「そう言えば、職業が濃すぎて話それましたね」
「占いを趣味でしているのですが、この人が映って」
「ほう、占いが得意なんや。これはまた濃そうな文言出てきたなぁ」
「占いで、旦那さんが運命の人って出たの?」
「いえ、その時は違う事を占ってまして、運命の人だとは考えもしませんでした」
「占いに出てくる位やから、やっぱり運命みたいな感じか?付き合う事になったのは何で?」
「俺の一目惚れですね。ご覧の通り、彼女、超綺麗じゃないですか?初めて見た時から気になってたんですよ」
「と言う事は、旦那さんの猛プッシュ?」
「はい、押して押して押しまくりました」
「熱烈だね。こんなに愛されてて、奥さん幸せ者だ」
「ええ、まぁ」
「奥さんは、旦那さんの何処が好きなん?」
「男嫌いの私を根気強く口説いて、私の事を誰よりも一番に考えてくれているところですね」
「奥さん、男嫌いなんか?綺麗やのに、勿体ない」
「そんな奥さんの心を溶かした旦那さんの愛は熱いって事だね」
「絶対に彼女と付き合いたい!と思っていたので、めちゃくちゃ頑張りましたよ」
「愛されてんなぁ~。そんな旦那さんに不満は?」
「祖父ともう少し仲良くして欲しいですね。経営の事でぶつかってる事もしばしばなので。祖父の言う事も聞いてあげて欲しいです」
「経営方針が違うんか。若い人の意見も大事やけど、老人の話も聞いたってや、旦那さん」
「彼女と師匠に言われちゃあ、聞かない訳にはいかないですね。経営コンサルタントとしても失格です。もっと修行と鍛錬しないと行けませんね」
「そう、大先輩の事もしっかり聞いて、より良い神社経営を心がけて精進して下さい!」
「ありがとうございました」
おわり