現世クン美奈SSログ


『こんな朝は嫌だ(四天王+美奈子)』

勤労感謝の日の祝日。
前日の夜から来ていた美奈子とベッドで共に寝ていた。
朝の10時。玄関の呼び鈴で公斗は起こされ、玄関へと向かう。

「兄さん、おはよう」
「いい朝だな、兄さん」
「ブラザー、会いたかったわ」

眠気眼で玄関のドアを開けると四天王が揃っていた。
しかも口々に兄さんと言う。

「お前らの兄になった覚えはない!」
「冷たいなぁ、兄さん」
「そうだぜ、兄さん」
「つまりね、四天王であるリーダーで年上の公斗は私たちの兄さんって事になるって話よ」

悪ノリを続ける和永と勇人に対して、何故兄さんと呼ぶに至ったかという説明を彩都が買ってでた。

「こんな弟はいらんぞ」
「まあそう言わずに。今日はいい兄さんの日でしょ?だから来たの」
「ってか何で上半身裸?」

悪ノリから一転、勇人が痛い所に気がついて質問してきた。

「ふーん」

一番敏感な彩都が、チラッと見える女性用の靴を見て、何かを悟る。

「美奈子とイチャコラってとこか?休日だったからね。お邪魔だったかしら?」
「へぇ~セックスしてたのか?そりゃ失礼した」
「ふーん、よろしくやってたのか。悪かったよ」

全く持って悪いと思ってなさそうな3人を見て、公斗はどっと疲れる。

「ん~誰が来てたの?」

タイミング悪く、話の渦中の美奈子が現れる。
声を聞き、振り返った公斗は美奈子の姿にギョッとする。

「何て姿で出てきてんだ?」
「へ?」

いきなり怒鳴られ、素っ頓狂な声を出す美奈子は自分の格好を確認する。

「ヒュー♪」
「ゴチ!」
「あたしの勝ちね!」

そう3人は口々に発する美奈子の姿は、ブラジャーとパンティにシースルーのランジェリーで、下着とセクシーな体型が顕になっていた。

「見たわね?見物料寄越しなさい!」
「可愛くないわねぇ。普通ここはキャーって叫んで逃げるところでしょ?」
「しかもそっちからその格好で現れたし」
「俺ら悪くねぇのに見物料?図々しい奴」
「何ですって?アイドル志望で美の女神のセクシーな身体拝んどいて何その口の利き方?」

公斗の心とは裏腹に、アイドル志望の美奈子は、この状況にも臆すること無く立ち向かっていた。
彼氏としてはどんな事情であれ、こんな姿の彼女は誰にも見られたくない。
そんな事は知る由もなく美奈子は、逞しくたち向い、四天王達がその場から退散する事になった。

最悪な一日の幕開けだった。




おわり

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