高校教師クン様と女子高生美奈子の禁断の恋物語


教室へ入ると視線は美奈子へと集まってきた。
突き刺す様な視線が痛い。
“呼び出しを食らうクラスの問題児”と言う好機な目で見られる。
アイドルを目指している美奈子的にはどんな事であれ注目を浴びるのは気持ちいい。

「美奈Pまた呼び出されてたね」

美奈子の事をよく知るうさぎが笑顔で話しかけてきた。

「あぁ、まぁねぇ……アハハハハハ」
「その様子だとテストの結果は散々ってとこか?」
「うっまこちゃん鋭い」
「誕生日だって浮かれすぎてたんだから当然の結果よね!これを機に心を入れ替えてちゃんと勉強しないと、先生に嫌われるわよ」
「わぁん、亜美ちゃんキツい……」

亜美から正論を言われ、ぱあの音も出ない。
いくら勉強が出来ないからと言ってそれを活かして近づくと言うのも危険度が高い。
下手すると嫌われる可能性がある。

「“手のかかる子程愛しい”ってゆーじゃない?」
「それを言うなら“手のかかる子程可愛い”よ、美奈!何勝手にランクアップさせてるのよ、全く……」
「アハハ、そーともゆー」
「そうとしか言わないのよ!本当、勉強した方がいいわよ」
「でも良かったね、美奈P。憧れのせんせーと2人で話せて」

厳しい亜美とは対照的にうさぎはマイペースだ。

「うさぎだけよ、私の事分かってくれるのは!」
「応援してるよ、美奈P♪」
「ありがとう、うさぎ。私、頑張る!」

始業のベルが鳴り、担任で現国の西塔先生が入ってくる。

「席つけ~、授業始めるぞ!」

言われて慌てて自分たちの席へと各々が着席する。

「この前のテストの結果、返すぞ~。呼ばれた奴から取りに来い!先ず、愛野」
「はいはーい」

結果は先程呼び出され分かっていた。
単純に憧れの先生から呼ばれて嬉しかった。
席に向かいながら先程見た時と変わらない点数にまた落胆する。
席に着き、答案用紙を見るとさっきはなかった文字が書かれており、驚いて慌てて読む。

“毎週金曜日放課後補習。教室で待たれたし。”

現国の教師なだけあり、漢字のオンパレードに美奈子はゾッとした。
しかし、果たし状みたいな最後の文を見て心が和む。そして、毎週合法的に会える事が決定し、単純に嬉しく思った。

「うっさぎ~、テストどーだった?」
「うーん、まぁまぁかな?」

授業終了後、私ほどではないけど、同じ位バカ仲間のうさぎにテストの結果を聞いた。
微妙な返答が帰って来る。

「なぁにぃ?その微妙な反応は?何点だったの?正直に言いなさーい!」
「50点よ?」

50?え?うさぎの癖に50?私の倍?え?嘘でしょ?私、どんだけアホなの?
もしかして赤点、私だけなの?
果たし状の様なせんせーの補習の話に喜んでる場合じゃないんじゃないの?
でもプラスに考えると私とせんせーの2人きりの補習なんじゃ?
そう考えるとそこまで凹む事でも無くない?
ん?凹むべきなのかな?
えぇーい!もう、全く分からなくなったわよ!
思考回路はショート寸前って奴よ!
脳みそが考える事を放棄したわよ!

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