至って真剣です
美奈もまた色々あった事を知っていた。
うさを護る四守護神のリーダーで、みんなより先にセーラー戦士として目覚めて頑張っていた。
そのため、口を開けば“彼氏が欲しい”が口癖で定番化していた美奈だけど結局特定の彼氏が出来ないまま今に至っていた。
好きな奴はすぐ出来たり、素材が良いから異性から定期的に告られることもあって、付き合ってみるもののどれも違ったのか、長続きしていないとうさから聞いていた。
やはり戦士である以上、恋愛に身が入らないのかと俺もうさも美奈以外の3人に申し訳ない気持ちでいた。
俺たちばかり幸せなのはやはり気が引けたからーー。
でも、公斗となら大丈夫だろう。
前世からリーダー同士という事もあり何かと馬があっていたようだからきっといい恋心関係を作って行けると思う。ーー俺も心強い。
リーダー同士で肩肘張ってる2人だけど、上手く分け合って支えていけるだろう。
「うさには?」
「うん、この間報告したわよ」
「……俺、聞いてないぞ?」
「そりゃあそーよ!私が黙っててって言ったんだもん」
「何でだよ?」
「それは俺が衛に直接報告したかったから口止めしといたんだ。2人とも口軽いからな」
「ひっど!それでも私の彼氏なの?」
「ああ、そうだ。お前の事、愛しているが、何か?」
「なっ///まもちゃんの前で……は、恥ずかしい、じゃない!」
ストレートな公斗からの愛情表現恥ずかしくなり顔を真っ赤にして照れる美奈を見て、こっちまで小っ恥ずかしくなる。
……コイツ、こんな奴だったっけ?
まぁ前世と現世では性格が多少違うのは当たり前だけど、こんな簡単に愛の言葉を口に出来る奴だったとは普段のクールで堅物な公斗からは想像出来ない。……前世での反動か?
美奈の慣れてない照れた感じも新鮮だ。
本当に真剣な恋をするとこんな感じなのか?
“愛の女神”も恋をすると普通の女性だな。
少しは俺たちへの(と言うか俺だけか?)干渉が減るなら有難いと思う。
うさとの時間も増えるとありがたい。
いや、それにしても自分の時は気づいてなかったけど、うさといてる時傍から見たらこんな感じなのだろうか?
見てるこっちが恥ずかしい。
人の振り見て何とやらって奴か?
……程々に反省します。
「ゴホッゴホッイチャイチャするのはいいが、俺がいるのを忘れてないか?」
「だ、誰が!い、イチャイチャだなんてしてないわよ!ってかアンタにだけは言われたくないわよ!」
「まぁ落ち着け、美奈子。うさぎさんと会えなくて嫉妬してるだけだ」
「誰が嫉妬だ!……まぁうさ不足ではあるけど」
「じゃ~うさチャージしないとね!」
「お前ら……」
……コイツら、やっぱり似たもの同士だな。
とは言え2人の貴重な一面を見られた有意義な時間だった。
おわり