00-3:Rain is falling
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6月4日月曜日、朝のニュースで明日から梅雨入りが知らされた。
足立先輩のおかげもあり、中間テストの結果、学年上位をとることができた。
それでも父は、当たり前のように「そうか」と言うだけだった。
恐らく、学年トップをとっても同じ返事が返ってくるだろう。
あたしにとってはその一言を貰うために頑張ったようなもので、今更、不快には思わなかった。
あたしにとっても当たり前だと思っている。
中間テストが終わるまでと決めていたが、あたしはまだ、昼休みでの図書室での先輩の前の席をキープしていた。
中間の次は期末がある。
中間より教科も多い。
「美術、音楽、家庭科…、どれも暗記だよ。僕が教えることは特にないけど?」
「他の教科を覚える分、メインに使う時間が限られます。中間の時のように教えてください。足立先輩の教え方…、わかりやすいので……」
「……………」
頬杖をついてる先輩は、持っているペンをくるくると回している。
考え事をしてる時のクセだというのは気付いていた。
「復習です」
「君さぁ、そう言えば僕が協力すると思って……。はぁ…。まあいいけど……」
呆れ果てたようにため息をつかれたが、了承を得た。
6月は祝日がない。
普通の学生にとっては休日が少ない恨めしい月かもしれない。
でも、あたしは悪くないと思ってる。
こうして昼休みに先輩と一緒にいられる時間が増えるのだから。
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