04:What is the common sense?
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カビ臭い畳の上で、足立は折り畳まれた布団を背に、手を頭の後ろに組みながら昼寝を満喫していた。
ドンッ
「!」
不意に聞こえた大きな音に起こされた。
「何?」と扉の方に目を向ける。
「おとなしくしろ!」
「うっせぇな。触んな!」
ガンッ
足立のいる独居房の扉にぶつかったようだ。
「自分で歩けるっつってんだろ! 気持ち悪ィ!」
若い男の声だ。
(騒々しいな…)
気持ち良く寝ていたところを起こされた足立は不機嫌な顔をして扉を睨んだ。
「!」
食器口の上にある小窓から、相手の顔が見えた。
そして、目が合う。
「ああ!? 何見てんだオッサン!!」
「うわ」
狂犬のような目つきの悪い、見た目は10代後半~20代前半の男だ。
長い金髪だが、生え際数センチは地毛なのか茶色だ。
足立の頭に思わず浮かんだのはプリンだった。
首の付け根辺りで髪ゴムで縛られ、髪束は右肩の前に垂らされている。黒のタンクトップを着ていて、紫のツナギの長袖は腰で適当に結ばれてた。
ここに来る前にケガを負ったのか、顔や腕には、絆創膏やガーゼが貼られてある。
「コラ! やめなさい!」
「お前はこっちだ!」
「さっさと部屋に入れ! 痛てっ! 噛むなっ!」
刑務官たちが3人がかりで男を力づくで押し込むように、足立の向かい側の別の独居房に入れられた。
乱暴に扉が閉められる音が聞こえる。
まるで猛獣の扱いだ。
(え。うそでしょ。向かい側?)
足立は露骨に嫌そうな顔をした。
「まったく、手間をかけさせてくれる…」
「おとなしくしてろよ。絶対問題を起こすな」
「やかましい!! マジウゼェ!!」
扉越しにがなりたてている。
足立は枕を後頭部に当て、両端を自身の両耳に押し付けていた。
(うるさい)
眉間に皺も寄る。
小窓から向かいの部屋を見たくなかった。
再び目が合えば唸りながら睨まれそうな気がしたからだ。
「いい大人だろうに…」
聞こえない程度にぼやいた。
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