37:See you
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同日、午前10時。
裁判所に着いた夜戸は、時間通り法廷に入廷する。
足立も刑務官に連れられてすでに入廷していた。
傍聴席は満席だ。
その中に姉川と落合を見つけた。
今頃、月子とツクモは、夜戸の家にあるテレビの前で待機しているだろう。
裁判官が法廷の奥から入廷し、傍聴席を含め全員が起立した。
裁判官が裁判官席への一礼に合わせて全員も一礼する。
着席する前に、夜戸は胸に手を当て、何かをつかみとる仕草をした。
そんな夜戸の瞳は、静かなやる気に満ち溢れていた。
相手が現実の法律だろうと恐れない。
“がんばれ”
みんなが言ってくれた言葉だ。
この半年で得られたものは数えきれないほどあり、忘れがたい確かな経験と、断ち切れることはない確かな絆が勇気づけてくれる。
世間に無慈悲に咎められたとしても、信じてくれる人間が一握りでもいる限り、ありったけの真実をぶつけてやろう。
今度はアクリル板越しではない、足立と目を合わせた。
互いの眼差しが握手をかわすようだった。
公判が始まった裁判所の周囲では、桜の木々が春風に強く吹かれて揺れ、辺りに桜吹雪が舞い散った。
.To be continued