36:Me too
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夜明けの空の下、足立と足立のジャケットを肩にかけた夜戸は手を繋いで静かな砂浜を歩いていた。
耳を澄ませば、頭上を通過したカモメの鳴き声が聞こえる。
しばらくそのまま進んでいると、遠くの砂浜に森尾達を見つけた。
森尾達もこちらに気付き、驚いた顔をする。
月子の姿もあり、夜戸はほっと胸を撫で下ろした。
途端に、照れ臭くなって夜戸と足立の手は離れるが、手の甲は名残惜しそうに触れ合ったままだ。
姉川、ツクモ、森尾、落合、月子の5人がこちらに駆け寄ってくる。
涙をこぼしながら先に走ってきた姉川は、夜戸を正面から抱きしめた。
ツクモも肩に飛びのって号泣しながら頬ずりをしてくる。
その様子を足立が苦笑を浮かべて横目に眺めていると、後から来た森尾と落合に全力で飛びつかれて砂浜に背中から勢いよく倒れた。
アスファルトだったら大怪我していたところだ。
顔に砂がかかり、ペッ、ペッ、と口に入った砂を吐き出し、飛びかかってきた兄弟を軽く睨みつけたが、くしゃくしゃの泣き顔を目にするとすぐに緩んでしまった。
姉川に抱擁されながら、夜戸はこちらを窺う視線に気付いた。
堤防の上に、鹿田、都口、道草、小栗原がいる。
鹿田がこっちに手を振ったので、笑みを浮かべ、頭をわずかに傾けて会釈した。
足立は森尾が差し出した手をつかみ、落合に背中を押されて立ち上がる。
ツクモは夜戸の肩から足立の頭に飛び移り、海水で濡れて砂のついた頭にも構わず頬ずりした。
姉川が夜戸から一歩離れると、月子が両腕を広げて夜戸の腰に横から抱き着いてくる。
夜戸はその小さな頭を撫で、膝をついてしっかりと月子を抱きしめ返した。
生きて仲間と再会できたことに喜び、夜戸の瞳に涙が浮かんだ。
仲間達と、背景にある海は、涙でキラキラと輝いている。
この光景を、これから先、決して忘れることはないだろう。
誰かが言った。
「帰ろう」と。
.To be continued