chapter.05
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「ち、ちがいます!これは雲雀さんに渡したくて...」
「僕に?」
小さく頷き、カバンから出したそれを雲雀に差し出す
「雲雀さん、甘いもの平気かわからなかったので甘さは少し控えめにしてあります」
「へぇ......手作り?」
「はい」
「そう」
雲雀は口元を緩めてソファに座って包みを開ける。中のクッキーを一つ口に放り込む
「ん......おいしい」
「よかったぁ」
「はい」
「...へ?」
隣に座る雲雀から口元に近付けられるクッキー
「口開けなよ」
「そんな......んむっ!」
上機嫌に笑む雲雀。口内に広がる甘い味
「おいしいでしょ?」
「はい...あの、アレは食べないんですか?」
チョコの山を指し示すと雲雀は興味無さげな視線を送る
「僕は食べないよ。いらないし」
「そんな...」
「差出人が誰かもわからないし、食べてほしいなら自分で直接渡しに来ればいい」
「厳しいですね」
「そういうものなんじゃないの?よく知らないけど。...でも」
「?」
「本気で欲しい子からのはもらったからね」
こちらを見つめる雲雀の目は優しくて
「来年も期待してるよ」
「は、はい」
熱が集まる顔を見られたくなくて
でも、とても嬉しくて
(なんだろう、この感じ...)
高鳴る胸に戸惑いつつ、雲雀の傍は居心地が良いと感じる憂妃だった
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