レモンキャンディ
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長期任務が終わって暇になった1日
何もすることが無い、というかしたくない私はホームの何処まで続くか分からないような円形の廊下で下を覗き込んでいた
下はほとんど真っ暗で何も見えやしないが、下の階で同じように真下を覗いている白い髪の一人がいるのが見える
もちろんこの教団で白髪の人なんて言ったらほぼ一人しかいない
私は一瞬だけ手すりから身を乗り出して下の階に降りようと考えたが落ちたときが怖いので普通に階段から降りようと階段へ向かった
その道中誰もいないはずなのに近くで機械音がしていたが、どうせコムイさんが何かしらやってるんだろうなとあまり気には止めず着々と階段を1階分降りる
長期任務で右の股関節部分を痛めてしまって降りるときに若干の痛みを感じて顔をしかめながら歩く速さは変えずに下の階へと到着した
先程下を覗いていた場所辺りまで移動すると、やはりそこにはアレンがいた
こちらを見るやいなや凄い笑顔で「こんにちは」と挨拶をしてくれるのでこちらも笑顔で返す
何やら上からは気が付かなかったが、アレンの手元には何か袋があって動く事にガラガラという謎の音が廊下に響く
何を持ってるんだろうとアレンの隣まで移動した私は袋を見つめた
「気になりますか?」
「あ、うん、気になる」
も〜しょうがないですね〜的な雰囲気を醸し出しながら袋を開けたアレンは私に目を閉じて口を開けるように言ってきたから渋々従う
この腹の中が暗黒大魔王の人に逆らったらあとが怖いからね
目を閉じて数秒間謎の沈黙が続き、ガサゴソと音が聞こえたあとに口の中へコロンと小さな丸い飴のようなものが放り込まれた
「目開けていいですよ」そう言うので口を閉じて目を開く…?
は、な、何が起きた今
目を開けた瞬間アレンの顔がドアップで目の前に映し出されて、それにも驚いたがさらに驚いたのが、開けた瞬間に不意打ちキスをされてしまったという事
飛んだ暗黒大魔王だ…
「ファーストキスはレモン味なんですって」
「そ……そうなんだ…?」
確かにこの飴の味はレモン味で甘くて酸っぱいけれども今この瞬間だけは一切味が頭の中に入ってこなかった
小さくなりつつある口の中の飴玉が溶け切る前に私の顔は自分でもわかるほど徐々に紅潮して、先程と同じように手すりにもたれかかり下を覗くアレンの耳もほんのり赤くなっているように見える
やっぱりピュアボーイだった
小さくなった口の中の飴玉
私はその飴玉を……飲み込んだ
この間謎の沈黙が続いて、しびれを切らした私がこう言った
「無理矢理ファーストキスレモン味にしてんじゃん…」
やはり私にはこういうムード的な物というものは合わなさすぎてこういう発言をしていまうのがいつものオチ
こういう言葉にもちゃんと笑顔で返してくれるアレンは大分心が広いと私は思う
「実はこのキャンディティムに似て美味しそうだから買ったんですよね」
前言に書き加えよう
やっぱこの人心は広いけど中身がちょっと黒くて怖いわ
(ほんとはなまえと一緒に食べたくて買ったなんて言えるわけ無いじゃ無いですか、)
なーんて事思ってたアレンでしたとさ