Prologue
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ここはハイラルに広がる深い深い森
コキリの森
ここに住むコキリ族は、ひとりひとりが自分の妖精を持っていました…が
何故かたった1人だけ妖精を持っていない少年がいたのです…
その森にまた1人妖精を持たぬ、異界からの少女が現れる
その少女は災いを呼ぶか、はたまた幸運を呼び込むか
深い深い森の中_
「ん…うーん……ここどこ?森?」
目が覚めると目の前には木でできたトンネルがあった
よくよく見渡すと4方向に木でできたトンネルがあり、まるでどれか1つが正解のロシアンルーレットのような感じがしてならない
それにしても霧がとても濃い
恐る恐る体を起こして、膝に着いた土を両手で払い落とす
何故か自分の目線がいつもより低いと言う違和感があったが、気のせいだということにした
すごく疑問なのだけれど、私はこんな木でできたトンネルが4方向にある場所なんて記憶に無いし
そもそもの時点では何でこんな所で私寝ているのかという疑問のほうが強い
それに此処へ来る前の記憶がごっそり無いし誰か忘れているような…気の所為か
はてさて此処は何処?遭難?
そうか、なるほど分かったこれは夢なんだと脳の処理が追いつかなかった15歳(IQ20)の私は多分だが誤った理解をしていた
目の前のトンネルから強い風が吹き、謎の肌寒さを感じる
『アソボ…?ネ、ボクトアソボ?』
ひゅっと声にならなかった息が喉に詰まり、どこからか溢れてくる冷や汗が頬を伝う
濃い霧で目の前の真っ暗なトンネルの奥から聞こえてきた謎の子どものようなナニカ得体のしれない物体に恐怖を覚えつつ
好奇心が勝ってしまった私はトンネルの入口に立ってそのナニカに声をかけようとした
「あのー………わっ!?」
グッ
『ツカマエタ』
声とは似つかない程の力で、全くと言っていいほど足元に注意を払って居なかった私はヒヤッとした冷たい手が爪が食い込むくらいに片方の足首を強く掴まれて
後退りをしかけて後ろに思いっきりコケた
鈍い音を立てて肘が地面に当たり、グンと視界が揺れ動いて足を引っ張られる感覚でやっとこれが夢ではなく現実だと認識した
そんな認識を改めたとてこのすごくまずい状況は変わる訳が無い
草の生えた地面に爪を立てながら引き込まれないように耐えるが、爪の中に土や石が入り込んでとても痛いし血が出てるんじゃないかってくらい掴まれた片足が悲鳴を上げている
普段運動不足な人間がこんな苦行ずっと耐えられるわけがないから許しを請う様にトンネルのナニカに必死で語り掛ける
そんな努力も報われずに私の耳に入り込んでくるのはナニカの耳をつんざくような笑い声
声は子供なのに力は大人顔負けの力で、気味が悪いしそろそろ手が限界を迎えそうで最後にナニカの顔を拝んでやろうと真っ暗なトンネルの方へ目を凝らす
「いや、怖えよ!!!無理無理無理キモい!!!ちょっと誰か助けて!!!!?」
瞼のない眼球がこちらをブレなくまっすぐ見て来て、小麦粉でもまぶしたのか?というほど白い顔面に口なのかどうかわからない大きな穴が多分口の場所についている
普通の子供なら見ただけで泣くよこれ、なんなら私も泣きたい
体力残り3%程しかない私に向かって追い討ちをかけるように、ナニカの顔が近付いてくる
冷たい息のようなものが顔にかかり悪寒がとまらない_!?
ガパッ
ナニカの口のような場所に亀裂が入り、さらに大き穴が開く
中からは白い煙か霧が溢れてこのあたりを覆い尽くして私の顔に近づくにつれて眼球が見えなくなるほど大きく開けた穴の中しか私の目に写らなくて、恐怖と疲労で息ができない
怖い怖い怖い!!
ぎゅっと目を瞑った瞬間
温かい手が地面を掴んでいた私の手を掴み引っ張った
「この子は連れてったらダメ!!!」
男の子…?が叫んだ数秒後足を掴んでいた冷たい手が消えて、辺りの濃い霧が一瞬にして消え失せてしまった
あの霧は良くわからんナニカのせいだったようだ
トンネルに半分突っ込んでいた足を急いで引っ込めつつ安堵の溜息をついた矢先掴まれていた左足からやはり血が流れて地面に少し流れる
アドレナリンどっばどばだから痛みはそこまで無いが、やはり先程のナニカにトンネルに引き込まれたらどうなってたんだろうかという恐怖の感情が頭をよぎる
た、たすかった…
「バカ!」
「え、いきなり貶された」
「君スタルキッドになるところだったんだよ!?勝手に迷いの森に入ったらダメって言われなかったの?!」
「ご、ごめんなさい…?」
ちょっと待て、脳の処理が一切追いつかない
この子今なんて言った?
日本に住んでいて普通に生活していたとしても聞き慣れない単語が2つほどあった気がするがそれは置いておこう、いや、厳密には聞いたことはある
ゲーム内で
まぁそれは置いといてなんだけど
なんだこの美少年めっちゃ顔ドタイプなんだけどもう少し成長したら私と結婚を前提に付き合わないか?(冗談)
「そう言えば…この辺じゃあんまり見ないような顔だけど、どこから来たの?」
「え"っ……と、その…」
何処から?と言う質問に固まる
正直な所、まっっっったく記憶が無いのもあって私が地球にある日本という国に住んでいる15歳の学生だという記憶くらいしか無くて、ここに来る前に何処にいたかなんて覚えてはおらず返答に頭を抱えた
「もしかしてわからない?」
「ウッ…はい…そうです…ごめんなさい…」
「そっか…うーん……」
一瞬首を傾げて考えた美少年は、何か思いついたかのように「そうだ!」と言って私の手を掴みながら立ち上がり
私の掴まれてた方の足を見つめて
「おんぶしようか?」
「いや…君が潰れちゃうから遠慮しとく…」
は?と言わんばかりの顔をしてきた美少年、流石に私は15歳の結構平均的な身長体重であって多分9歳とかそのへんの男の子が持ち上げられるものではぜっったい無理断言する
その説明をご自慢の早口で美少年に告げてみた所怪訝な顔をされて、半強制的におぶられました
15歳の威厳!!!!
「絶対重いって!!」
「全然大丈夫だからじっとしてて」
ぎゃーぎゃーおぶられながら騒いでいたが、あれ?私こんなに小さかったっけと自分の背丈に疑問を抱いた
やはり最初の目線が低いという違和感は正しかったのかもしれないと今思ったけど何で私縮んでるんだよおかしいだろ!(落ち着け)
美少年の金の髪が森の木々からの光で照らされて目の前がすごく眩しい
ずっとツッコんでなかったんだけどさ、やっぱり私この子の事知ってるかもしれない
先程から出てきていた迷いの森とかスタルキッドという物、それに緑の服を着た金髪で長い耳の少年
やっぱりそうだ
この子は時の勇者だ