微熱
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n時間前…
「えっ、リンクが風邪!?あの人風邪引くの!?」
「そうそう。今朝一緒に登校しようと思って家に行ったんだけど、風邪引いてるらしくて家から出てこなかったのよ。珍しいわよね」
「え、えぇ…明日天変地異でも起こるんじゃない…?」
「そんなわけ無いでしょ…
そうそう、今日私習い事で夜まで帰れなく先生に頼まれたプリント、リンクに渡しに行けないから…代わりになまえが行ってくれない?」
「えー…まぁ、近いからいいけど…」
そんなわけで
イリアに頼まれてプリントを渡しにリンク宅までやって来た
それと、まぁ、お見舞いという事で何ももってこないのはアレかなと思い、ポカリと何を食べれるかが不明だったから無難にゼリー類を買ってきた
ピンポーン
確かリンクは一人暮らしだったはず、中で死んでたりしないだろうかという心配は杞憂だった
ゆっくりと開く玄関のドアから覗くリンクの顔。明らかに高熱を出して真っ赤な顔と耳、それと熱で潤む瞳がなんだかとても色っぽく見えてしまう
「……なまえ?」
「あ、はい、なまえです。学校のプリント渡すついでにお見舞いに来たよ」
「そっか、ありがとう」
お礼を言って力無く笑うリンクに、プリントとお見舞いの品を手渡す
流石に病人の家の玄関先に長居するのは良く無いなと思い、じゃあと言って帰ろうとした矢先
玄関の扉を閉じてからすぐ、中からバタンとものすごく大きな音が鳴った
何があったんだと振り返って、急いで扉を開けると先の廊下でぶっ倒れてるリンクの姿があった
「リンク!ちょ、大丈夫?いや倒れてるから大丈夫じゃないか…ってあっっつ?!」
玄関先から走ってリンクに駆け寄り、額に触れると物凄い熱さで思わず驚きの声を上げてしまった
うっすらと目を開けるリンクの目の前で手を振り安否確認をすると、ゆっくりと起き上がり、ヨロヨロと歩き出す
またいつ倒れるかわからず肝が冷えて、肩貸そうか?と聞くと
「大丈夫…なまえが潰れるよ」
そう返ってきた
この人は一体私を何だと思ってるんだと思ったが、確かに筋肉ダルマの体重を支えられるほどの力は無いのであながち間違いでもないかと自分の中で完結させた
仕方無い、非力な女の子だから
そしてまた倒れかけるリンクを見ていられず、背中を支えて寝室まで連行する
室内は前来た時より少しだけ散らかってたなという印象と、冷えピタや薬類が一つもなかった事に滅多に病気しないんだなと思った
とりあえず布団に寝かせた
「熱は?」
「微熱…」
「嘘つけ!めちゃめちゃ熱いでしょーが!体温計は!?」
「机の上…」
大分大きめなため息を衝いて、机の上から体温計を持ってきてスイッチを押すと、前測った体温が出てきた
38.5
これで微熱とか意味不明すぎる
もう一度測れという意味で体温計を手渡すと、眉間にシワを寄せて如何にも嫌そうな顔をしつつ、渋々体温を測る
そしてでてきた数値は
39.4
上がってんじゃねーか
「え、バカなの?アホなの?何が微熱なのよ高熱じゃんか。風邪舐めてたら死ぬよ?」
「…寝てたら治る」
「現状熱上がってるけど?」
こうなる前に冷えピタくらい家に置いておけよと若干怒りを覚えたが、食って寝たら治る精神の人に何言ったってどうせ買わないし置かないのは分かる
しょうが無くリンクに大人しくしておく様に言って、自宅から解熱剤と冷えピタを持ってきた
とりあえず解熱剤とゼリーとポカリをリンクに手渡し、冷えピタを貼っつける
嫌な顔をされようが小言を言われようが、風邪を引いてしまったのはリンクなのだから仕方の無いことだ
放っておいたらいつの間にか死んでそうだし
「…食欲ある?」
「無いね…」
「一口でも良いから食べなよ
そうだ、あーんしたげようか?」
「うん」
中々ゼリーに口をつけないから言った冗談だったのに、思った答えと全然違う肯定する声が聞こえて布団の端についていた手が滑り落ちる
え、正気か?という目を向けるも、何考えてるか分からない表情をしていて何も分からない
どういうつもりだ
仕方無い、最初に食べさせてあげよう的な事を言ったのは私だ
腹を括ろう
リンクの膝の上に置かれたゼリーを持ち、開ける
開け方が下手くそだったからか、ゼリーの汁が自分の手に溢れてしまった
これを舐めるのはお行儀が悪いなと思って後で拭く事にして予め袋から出していたプラスチックのスプーンでゼリーを掬う
「…ほら、口あけて」
「あー…」
これが子に餌を運ぶ親鳥の気持ちか…
そして、食欲が無いと言う割にはゼリーを完食したリンクが薬を飲むのを見守り、飲んだのを確認したら手を洗いに洗面台に行こうと立ち上がろうとしたところで引き止められた
熱い腕が脇腹辺りをつかんで、立ち上がろうとした所だったためバランスを崩してリンクの方に倒れてしまいそうになって、間一髪手をついで倒れるのは回避した
が、
はたから見たら私がリンクを押し倒しているようにしか見えなくて離れようとしても、リンクの馬鹿力でつかまれてて動けず、何処にそんな元気があったんだとため息を衝く
「ねぇ、私そろそろ帰っ…ん!?」
おもっきり首の裏を力任せに引き寄せられて、熱い唇を押し当てる様にキスしてくる
離れようにも馬鹿力で離れられないしで、リンクの横についた手と腕が倒れてしまわないように強く入れた力のせいで震えてしまう
風邪のせいで頭までやられてしまったか…
空気を吸う為に開けた口に舌が入り込んできて、流石に寛容な私でもこれは許容出来ず、リンクの肩を叩く
熱い息が吐き出され、熱で潤むリンクの目と目が合う
これで満足したかと、目で訴えかけるが表情筋1つとしてピクリとも動かず何も分からない
なんなんだマジで
そして風邪うつったらどうしてくれるんだ
「なまえ、」
「おい待てもう一回しようとすな!」
自分の手を顔と顔の間に挟み込み、もう一度キスされるのを防ぐ
病人のくせに盛るんじゃないよ
若干不機嫌になったリンクの手から解放されて、無事リンクが眠ってから帰宅した
後日
しっかりリンクからの風邪を貰い、3日間ほどなまえは寝込んだのであった
「げせぬ…」
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