置き手紙
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置き手紙をおいてきたハズ、だった…
そう、置いてきたハズなんだけど、1つ重要な事を思いだしたんですね。はい
寝てるリンクさんを置いて宿から出てきて早4時間。流石にお寝坊さんの彼も起きてるだろうな〜と思って、今、思いだしました
私ハイラル文字書けないじゃん
完全に忘れてた、そうだ、私書けないし読めないじゃん。そんな私が書く文字は日本語。置き手紙置いてきたってリンクさんには日本語読めないじゃ無いですか、ほんとにやらかした…
町中のど真ん中で頭を抱えながら、やっべぇ帰ったら絶対怒られる、なんて考えてダッシュで帰りました。肺が痛いです
…ギィ……
「おかえり」
こ、怖ぇぇぇぇええ
鍵もかかって無い部屋の扉を開くと、真っ先に聞こえてきたのは、なんとも言えない怒っても笑ってもなさそうな声で「おかえり」というリンクさんの声。何も無さそうなリンクさんの声がいっちばん怖い!
半分泣きたい気持ちで、心なしか腰を低くして彼の座る椅子とテーブルの前を通る、という所で「ねぇ、何処行ってたの?」と、言われて立ち止まる
ここで正直に、ちょっと散歩がてら町歩きに行ってて、一応置き手紙置いたんですけどハイラル文字書けないの忘れててですね…とか言っても理不尽にキレられそう
ド偏見ですけども
「えーっと…」
「…なんで起こさなかったの?」
絶対怒ってるーー!!!(泣)
もう、目が、目が!顔は笑ってるはずなのに、目が笑ってないんですよ。土下座でもした方がいいですかね
実は私、方向音痴すぎて勝手に外出するなと、耳が擦り切れるんじゃないかなってくらいの厳重注意を受けてまして
今、4時間外ほっつき歩いて帰ってこれてるのが奇跡なくらいなんですね、はい
やっぱ土下座したほうがいいかな
「あのさ、俺別に怒ってるって訳じゃないんだけど」
「あ、そうなんですか?てっきりバカ過ぎて殴られるかと」
「俺の事何だと思ってる?」
フィジカルゴリライケメン(リアコ製造機)だと思ってるだなんて言えない
バカみたいな事考えてる私から、目を離して一度ため息をつくリンクさん。眉頭に左手を寄せて何か考えている様子だった。すんげぇ絵になるな〜などと私は考えてたけど、机の上に置いたはずの置き手紙が無いということで頭の中にハテナが浮かんだ
もしかして捨てたのかな?置いてあっても読めないだろうし…
その場から少し動いて、ゴミ箱を覗き込んでみるもその中には何も入ってはいなかった。じゃああの紙はいずこへ?
「何探してるの?」
「え、いやぁ…置き手紙書いたはずなんですけど…見当たらないんで、読めないから捨てたのかなって思って」
そう言った私の顔を不思議そうな感じで見つめてきて、首を傾げたけど、「あぁ…」と言って、握り締めて少しグシャッとなった紙を机の上に出してきた
うーん怖い
明らかにリンクさんが置き手紙見つけた後の心情が紙にぶつけられてて死にたくなってきた。いや、死にたくないですバカ言いました。生きたいです
「これなんて書いてあったの?」
「…スー、ちょっとだけ散歩してきますって書きました…」
「へぇ…?俺さ、この前なまえになんて言ったか覚えてる?」
一人で出歩いたら確実に迷って野垂れ死ぬとかなんとか言ってたのは覚えてるけど、さすがの私も野垂れ死にはしないんじゃないかなとか思ったり思わなかったりしてるんで、その危なっかしい子供を見る目やめてください心がえぐられる
「朝起きてなまえが見当たらなくてさ、机の上見たら分らない文字で置き手紙されてて、もしこれが家出とかなんかだったらとか心配した俺の気持ち分かる?分からないからやったんだよね?しかもちょっとだけって書いた割に結構時間経ってるけどそこはどうなの?」
アー…やっぱ怒ってる…
やはりここは正直に
ちょいとばかし路地で迷いまくりました、ごめんなさい
とか言ったら今まで以上に過保護さがパワーアップしてしまう、どうしよう、やっぱ土下座します?おでこ擦り切れるまで土下座したら許してくれると思いませんか、あっ、焼き土下座でもしますか?
そんなんで許してくれるわけ無いですよねぇー!!!ウワー!!
謎に椅子から立ち上がったリンクさんの足が、決して広くは無い部屋の隅の壁際近くに居た私の方へ向いて
そのままゆっくりと歩いて向かってくるのがなんとも怖い、もう、テレビから出てくる貞子並みに恐怖しか湧いてきません助けてください神様仏様ハイリア様
「手出して」
手????手ってなんだ、いや、手は分かる、リンクさんの意図が分らないけど、恐る恐る右手を出したら、逆だって言われたので左手を出しました。意図が汲み取れません助けてください
ガリッ
「痛ぁ!?」
指一本お亡くなりになりました。バカみたいに血出てますよ、なんか一周回って痛みより困惑が勝ちました
何で噛んだ?
「あのさ、俺にはさ、なまえが家出とかしても引き止めたりする資格は無いけどさ、もしもの事で心配して悩んで、ちょっと怒ったっていう事があるからこれくらいしても良いと思わない?」
「いや、思わな…「なんて?」」
「…オモイマシタ」
私に拒否権なんて存在しないんですね、はい
今後、散歩行きたいとか買い出しとかは、置き手紙じゃなくて直接言えと怒られましたとさ…リンクさんは怒ると饒舌になるんですね…
噛まれた指は左手の薬指でした。