ボツ短編
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ねぇ知ってる?
うちの学校の近くにある廃墟の噂
あそこね、一人で入ると神隠しにあうんだって
そんな噂を聞いたクラスのお調子者が、くじ引きで当たった人が1人で噂の廃墟に行くという馬鹿な事をしていた
この冒頭からしてお察しの通り当たったのは私
誰が好き好んで神隠しの噂がある廃墟に行きたいんだか…しかも夜に
足元の見えない真っ暗な夜道を重い足で歩きながら、なんで私がこんな事しなきゃいけないんだという文句を1人ブツブツと呟いていた
いつも私達の通う学校を通り過ぎて、獣道とまではいかない程度の草木が生い茂る道を歩く
時折耳元を羽虫が通り過ぎて嫌な気分になってきた、虫除けスプレーでも吹っかけて来ればよかったかもしれないと今更後悔をし始めた
足元にある草が素足に当たってかゆい、なんで長ズボン履いてこなかったんだろ…馬鹿だな私
ふと、靴の先が石段に当たり転けかける
両手を広げてバランスを取る姿は多分誰が見ても笑うくらい滑稽だっただろう
「ここか…」
持ってきていた充電が半分しかないスマートフォンを取り出しライトをつけて辺りを照らす
見上げてみればそこにはあまり大きくない倉庫?の様な建物があるだけだった、躓いたのは倉庫の扉の前にある階段だったみたい
倉庫の中に入ろうか、そう考えたはいいものの此処は一応管理人のいる廃墟だから不法侵入になるんじゃないかというのを思い出してしまって、中には入らずに辺りを歩くだけにした
案外ここに来る人は少ないのだろうか、普通廃墟とか心スポなら落書きとかがあっても良いはずなのに壁はツタが絡まってたりするだけで綺麗だった
にしてもこの辺り静かすぎない?田舎だとはいえ虫の声1つ無いのはおかしい気がする、野生の動物だって居るだろうし…
カンッという何か金属が硬い床に落ちる様な音が静かなこの場所に響いて肩をビクつかせる
何か落としてしまったのかと下を照らして確認しても、下には土と草のみで大きな音が鳴る様な物は何一つ無かった
これには怖がりじゃない私も肝が冷えた
この音を鳴らしたのは私ではない、でも確かにこの金属音は近くで鳴ったはずなんだけど
地面に落ちても土だから小さな音しか鳴らない
少し早歩きで倉庫の周りを歩いて、行ってきた証拠として写真を1枚撮って帰路につこうと扉の前まで帰ってきた
ここの神隠しの噂はやはりデマだったのだろう、こうして私が無事でいることが何よりの証拠だし
特に何もなかった事に安心しながら扉の前から離れ…
『おいで』
そう聞こえた瞬間視界が真っ暗な何かで埋まって意識が途切れた_
ドカン!という爆発音に飛び起きて寝起きで霞む目を擦りながら辺りを見渡す
視界に映るのは瓦礫の山と宙に浮かぶ"ナニカ"そいつは丸い形の中心に人の顔がついたような見た目で、一般的な日常生活を送っていれば見ない様なモノだった
その"ナニカ"はこちらを見て、体から生やした銃の様なものを額に突きつけて来る
あぁ、これは夢なのかな
そうじゃなければ説明がつかないこの状況、まさか、これ私絶体絶命なんじゃない?
考えれば考えるほど最悪な状況が頭をよぎり、冷や汗が流れる
"ナニカ"の顔は無表情だったのに目があった瞬間、ニヤリと悪寒がする様な笑顔を浮かべた
額に当たる銃の様なモノの冷たい感触、そして嫌な肉が焼ける匂いとそれを運ぶ生暖かい風
これらが夢ではない、現実だと訴えかけてきているようで最悪の気分だ
夢なら覚めてくれ
そう願いながら目をゆっくり閉じた
「イノセンス発動!」
一瞬だった
一瞬にして目の前の"ナニカ"が壊された、何が何だかよくわからなくて数秒間目をパチクリさせて座り込んでいた気がした
その"ナニカ"を壊したであろう人がこちらを振り向いて目の前でしゃがみ込む
土煙か何かで汚れてしまったきれいな顔に白い髪、そして左顔半分に星形のタトゥー…かな?があった
その人がこちらを見て優しそうな笑顔を浮かべて何かを言っている
な、何?なんて?
分からない言葉ではない、そう、誰もが義務教育でやったはずの英語、私は教科の中で1番目くらいに英語が得意…なわけがなく1番苦手で挨拶くらいしかまともに言えやしない
どうしよう、もしかしてここは日本じゃないのかもしれない
「アレン殿!」
「!トマ、他に生存者は居ましたか?」
「いいえ…誰もいませんでした…」
「そうですか…」
※夢主には全て英語で聞こえています。
ぱ、ぱーどぅん?
声のトーン的に悪い話な気がしてるけど…全くもって名前らしき所しか聞き取れなかった
まさかこんな所で英語をちゃんと勉強していなかった弊害が出るなんて思わなかった
こんなことになるならもう少し勉強しておけばよかったと今更後悔をした
ひとまず危機は去ったと胸をなでおろして、いつの間にか何かを持っていた手を開く
そこにはロケットネックレス?とかいう日本じゃあまり見ないような物が握られていて、ロケットなら開くんじゃないかと開こうとするも、中々開かずに私の力じゃ無理だと諦めてポケットに仕舞った
しばらくして
話し終えた白い少年?が手を差し伸べて来ていたので手を取りながら立ち上がる
もう一度辺りを見渡してみると、黒い灰のような物が沢山建物の瓦礫の下に溜まっていたりしていた
これは、先程の浮遊した"ナニカ"のせいなのだろうか…広い範囲で建物が崩れていて悲惨な状態だった
地面に転がる割れた食器やまだ冷めていないティーポットが、先程崩壊したばかりというのを物語っていた
つまりこの下には…
ここに立っている人間が私含め5人ほどしか居ないということはそういう事なんだろう
少し気分が悪くなった、夢にしてはリアルすぎて笑えない
見えてはないけど今の自分の顔はとても青いと思う
「大丈夫ですか?」※夢主には(以下略)
え、なんて?あーゆーおーけー?って言った?多分大丈夫かって意味だったと思うから頷いておこう
にしても私の夢にしては見たことも無い人達が出て来るのはおかしいよね、しかも英語圏…もしや私は天才だったか!…そんなわけないよね知ってた
思いつかなかったのではなく、文章化できない知能指数だった為ボツです