惚れ隠し
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水の神殿
「たーのもー!」
「帰れ」
「ひどいよダーリン…私はこんなにも君を愛しているというのに…あーもう病んだ、入水しよ…
なんか言ってよ」
「ったく、めんどくせぇな、どうせお前ボッチで遊び相手居ねぇから俺んとこ来てるだけだろ」
当たり〜!と言わんばかりに親指を立てた私は、水の上で寝そべった
いや、私ボッチじゃないからね?全然友達いるから、嘘じゃないよ?友達100人も夢じゃないから!
ただダークに会いたくて来てるとか言えるわけがないからそういうことにしてるだけで、遊び相手はいるんだからね…本当だよ?
にしてもダークはこんな、なにもない所に居てつまらなくないんだろうか、私だったら絶対つまらなさすぎて外出かけたら一生戻って来ない自信あるね、彼がいるなら話は別だけど
もしダークが居なかったら水の神殿になんて足運ばないし、運べない、人間だから…
コツッ
「あいたっ!」
「おい、ここで寝るな」
「ここ冷たくて気持ちいいんだもーん」
「はぁ…コイツ…」
呆れてる顔もいいね、いつもの真顔も好きだけど少しイラついてたり焦ったりする顔もすごく好き
横を向くと、隣でつまんなそうに座ってどこかを眺めてるのを横目で見る
横向きに寝転んで水の上に置かれてる彼の手をさわさわと触るけど、特に嫌がる素振りも何を言うでもなく、ただどこかを眺めてた
どこ見てんだろうなぁと思って、彼の眺めてる方を見てもこの場所の入口しか無くてもっと意味が分からなくなったよ、何で入口の方向いてるんだろ
…触っても反応してくれないのは、ちょっとさみしいなぁ…
なんて…
言えやしない…んだけど…
恐る恐る彼の手と自分の手を…こう、なんていうの?恋人繋ぎ…みたいな握り方してみたけど反応は1ミリも返ってこない
泣くぞ
暖かくも無く、冷たくも無い手
やっぱりダークからしたら私なんてその辺に居る石ころ同然の興味しか無いんだろうな…あー自分で言って凄く病みそう、もう本気で病んでやろうかな
「お前…なんて顔してんだ」
私そんな変な顔してるかな、とか言いたかったけど思うように声が出なくて
喉が、目が熱くて…鼻がツンとして
なんでかな?視界が全部水の中に居るみたいに霞むんだよね
握ってる手がピクッと動いて、ぎゅっと手を握り返してくれた
反応が返ってくるのが嬉しくって仕方が無くて…それで、
「泣くなよ」
「ないてないし、」
「うそつけ。元々ブサイクな顔が更にブサイクになるぞ」
「はー?なんだとこのつんでれ…」
きゅっと締まる喉で喋る私の声は何処か震えていて、あぁ、自分泣いてんだって分かる
何で泣いてるんだろ、何も悲しい事なんて何一つないのに
というかブサイクとはなんだ!か弱き乙女になんという事を言うんだコイツめ!そんなんだから友達ができないんだぞ!
コツン
「あいたっ!またぶった!」
「いつまでもメソメソしてるからだろ。なんでそんな泣いてんだお前、らしくない」
「…え、やだダーク、そんな、しんぱいとかしてくれるの!?」
「は?!ちげぇよバカ!」
バッと起き上がって驚いたけど、私の言ったことを否定しつつ彼は握った手を振り解くことはしなかった
やっぱりツンデレじゃないか〜素直じゃない可愛い奴め〜
すぐに涙も引っ込むかと思ったけど、まだ、頬に水が伝う感覚がするし目が痛くなってきた、ほんとになんなんだろ
いつまでも泣いてたら、彼はウザがるだろうから泣き止もうと努力はしてるんだけどね、勝手に出てくるものは仕方ない
彼の、握った手とは逆の手が私の頬に運ばれてきていつもの彼とは思えない優しさで触れてくる
「っておい、更に泣くなよ…」
「これ、は、だーくが…わるい!」
もう、なんなんだよ、こんな事されたら逆効果に決まってるじゃないの…これ以上好きになったらどうしてくれるんだよ!!好きになっちゃったけど!!!
思わせぶり辞めて欲しいほんとに、罪づくりな男だよこの人は、こんな美少女(自称)捕まえといて無自覚なんてやめてほしいよね〜
ふと、目の前が真っ暗になって
なんだなんだと目をパチクリさせた
頬から離された手が、私の頭の上にあって、子供をあやす様にぽんぽんとしてくる感覚があった
目の前の真っ暗の正体はダークの服で、待ってこれどういう状況なの?
至近距離に居る彼の、すごく早い心音が小さく聞こえてこっちまで心臓の鼓動が早くなりそうだった
もしかして照れてるのかな?やだ可愛い〜
「泣くな、お前はバカみたいに笑ってる方が似合ってる」
「なにそれ、バカはよけいだよばーか」
「お前よかバカじゃねぇよ」
ごもっともだね
笑ってる方が似合ってるとか、どんだけ惚れさせれば気が済むわけ?そんなキザなセリフが彼から出てくるなんて思いもしなかったよ
「おい。上向け」
「?なん、」
上向いたら、こっちの視界からはほぼ見えなかったけど確かに、額にキスされた、と思う、
へ
へ?!な、
ななな、
驚きすぎて涙も思考も止まったよ!
「真っ赤」
「ううううるさい!!」
「なんだ、口の方が良かったのか?」
わざとだろコイツ!完全に確信犯じゃないか!こっちがわなわなしてるのを良いことに、頭上で!鼻で笑いやがって!!!
私の気持ち完全にわかっててやってるだろ!ほんとに罪な男だ!
「なぁ、ツンデレで素直じゃないのはどっちなんだろうな。なまえ?」
「う、私は素直だしぃ…?」
「はぁ…どの口が言うんだか…」
アンタにだけは言われたくないわ!
ふざけて無いと素直になれない夢主と、少しツンデレなダークのお話
ギリ没案だったやつです