死神達の楽園

浮いている木に二人が唖然としていると、ピロン、と音がして、目の前に通知のようなバーが出てきた。

そこには、『実績解除!』の文字と、解除した実績の内容が書かれていた。そこには「木材を手に入れる」と、記されていた。

「実績解除…?何だこれ?」

とサーティーンがそのバーに手をかざしてみると、実績の全容が示されたものが出てきた。

彼らは実績に何があるのかを確認するために下にスクロールしていく。

そして、一番下に一つだけ、特殊なアイコンの実績があるのを見つけた。

その内容は、エンダードラゴン、ウィザー、エルダーガーディアンの討伐というものだった。

『これが私たちの最終目標といったところか。』

とルチアーノが呟く。

「これ全部終わったら帰れるんじゃね?」

とサーティーンが言う。

『そうだな…とは言っても今は私達の身の回りを固める所から始めよう。』

ルチアーノがそう答えた。

実績を上にスクロールして戻す。

二人は木材を手に入れる、の次に作業台を作る、という実績を見つけた。

「作業台?どう作るんだ?」

『その手に持っている木をどうにかして使えないか?』

とルチアーノが、サーティーンに聞いた。

「ああ、さっき取ったやつか。」

とサーティーンがふと手元を見ると、灰色のいくつかの四角が並んでいるのが見えた。そしてその一角にさっき取った木が入っている。

「こんなのさっきあったっけ?」

とルチアーノに確認する。

『なんの事だ?私には見えないな。』

「俺にしか見えねぇのか…ま、いっか!」

とりあえず、色々といじってみることにした。まずは、木をタッチしてみる。
『アカシアの原木』という表記が出てきて、下に少しの説明が書いてあった。
どうやら、木材に加工できるようだ。

他の空っぽの枠をいじってみても特に何も起こらなかった。しかし、枠の一番右端にある3つの点が書いてあるアイコンを押してみると、メニュー画面のようなものが開いた。そこには、自分の全身が写った画面と、たくさんの枠が表示されていた。
防具のようなもののアイコンの上にあるものを押してみると、自分の全身画面の代わりにクラフト、と書かれた4つのマスが現れた。
マスの下に本のようなアイコンがあったので開いてみると、それはレシピのようだ。

「お、ここからクラフトできるのか!」

とサーティーンが言う。

『なにか見つけたのか?』

とルチアーノがサーティーンに聞く。

「クラフトと書かれたところがあったんだ。ほら、ここだよここ!」

ルチアーノからはサーティーンのインベントリは見えない。従って、彼が何を示しているのかはさっぱりだった。

『……私には何も見えないが?』

と冷静に答えると、サーティーンは

「もしかして、これオレにしか見えねぇのか…?」

と呟いて、

「…まぁ、クラフト問題は解決しそうってことだ。」

と説明を放棄した。

レシピを見てみると、木材と書かれたものがあった。
それを押してみると、原木がクラフト欄に移動した。
下に完成系が表示されたのでとってみた。
原木は、木材四つに加工できるようだ。
すると、新たにレシピ欄になにやら台のようなものと、棒と、四角い小さな点のようなもの、板のようなものが表示された。
左から順に、作業台、棒、ボタン、感圧版だそうだ。

「あ、作業台!」

サーティーンは無事、実績にあったものを作ることが出来た。

「ルチアーノのおっさん、作業台作れたぜ!」

と誇らしげにルチアーノに言う。

『ほう、出来たか。』

「これ、どうやって使うんだ?」

『…とりあえず置いてみたらどうだ?』

「置く…置く…あ、置けた。」

木をこる要領で地面を作業台で一回殴るようにすると、作業台が置けた。

これで使えるだろう。置いた途端、「作業台を作ろう」の実績が解除された音が聞こえ、バーが表示された。

「結構時間かかっちまったなぁ…」

とサーティーンが呟いた。
気づけば辺りも暗くなりだしている。

『拠点は出来なかったが、収穫がなかった訳ではない。簡易的な屋根でも作って明日に備えるぞ。』

とルチアーノがサーティーンに言う。

「急いで木をこるか!」

『そうしよう。』

それから黙々と二人で原木を集めた。
ある程度、数が集まった時には辺りは真っ暗になっていた。
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