「おっし、じゃあここに建てるのか？」

とサーティーンがルチアーノに問いかける。

『ああ。ここらでいいだろう。』

と答え、木の下に向かう。そして木を見上げながら

『まずは木材の調達だな、道具が無いが…どうしたものか…。』

と考え込む。

「とりあえず素手で殴ってみるかw」

とふざけ気味にサーティーンが言いながら木を数回殴ってみた。

コリコリッと木が削れる音がして、一瞬ヒビが入ったように見えた。

「え…」

サーティーンは、まさか素手で木が削れるとは思ってなかったので固まってしまった。

『ヒビが…入ったな。』

とルチアーノが落ち着きながも驚いた表情で言う。

サーティーンが、

「これ…殴り続けたら取れたりしないか…？」

と言いながらもう一度木を度殴り続けてみる。

その様子を見て我に返ったルチアーノが

『……待て！そこから壊したら、木が倒れて来るぞ！』

とサーティーンに忠告するも時すでに遅し、

「え？」

と殴り続けながら顔だけ振り返ったサーティーンの後ろで木がポコッと音を立てて手のひらサイズのブロックと化した。

まずい、倒れる…！とルチアーノは身構えたがいつまで経っても木が倒れた衝撃が来ないので、恐る恐る顔を上げてみると、下の幹と1mほど間隔をあけて浮いている木を呆然と眺めているサーティーンが見えた。